アイヌを差別してきた北海道旧土人法が廃止されアイヌ文化振興法成立しました。
朝日新聞では、アイヌ文化振興法が成立したことは、1面のニュースにすらなりませんでした。しかし、日本の少数民族にとって将来を大きく左右する法律がどんなものなのか?もう少し大きく扱われてもいいと思います。皮肉なみかたをすれば、この新聞紙面がアイヌを差別してきた日本社会の語り部そのものなのでしょう。
アイヌ文化博物館のデータから、アイヌについて少しおさらいしましょう。
アイヌは日本に昔から住んでいる少数民族で、アイヌは自らを言い表す言葉で「人間」という意味です。アイヌたちは、本土の日本人をシャモと呼んでいました。江戸時代には、北海道は蝦夷地(えぞち)と呼ばれ、いまの青森県にあたる松前藩によって支配されていました。北海道や東北地方に残されている地名にはアイヌの地名も多くあります。札幌サッポロは「乾いた、大きな」という意味です。富良野フラノは、フラ・ヌ・イ「臭気を持つもの」という意味から来た地名です。また、北海道だけではなく東北地方にも多くのアイヌ語の地名が残っています。秋田県の仁別(にべつ)、仁賀保(にかほ)、阿仁(あに)などはアイヌ語に起源を持っています。かつては東北地方から北海道まで広く住んでいたと考えらえれます。
今回のアイヌ文化振興法では、アイヌを日本の先住民族として認めませんでした。その背景には、日本の中に少数民族を認めるといろいろの不都合が発生することを恐れているようです。たとえば、明治以降アイヌの土地を日本政府が使用していることは、アイヌの権利を侵害しているというような言い分が成り立つかもしれません。その時、補償問題にでもなったら困るというのでしょうか。アイヌの土地を奪ったのは日本なのですが、それを認めたくないのです。
を見てください。
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