「自閉症基礎講座」 第1回(講師:門眞一郎)に参加して

 5月22日、自閉症基礎講座第1回「自閉症の障害特性と視覚的構造化」に参加してきました。講師は門眞一郎先生。
 150人定員の会場に200人以上が参加するほどの盛況ぶり。保護者以外に教育関係の人も多く参加しているようで、広島にも自閉症に関心のある人がこんなにもいるのだなあと嬉しくなりました。会場のクーラーが始動していないこともあり、まさに熱気むんむんの講演会でした。

 さて、第1回の内容は門先生のホームページ内の広島県立教育センターでの講演「自閉症児に対する理解と支援」近い内容でしたが、実際にお話を聞くとひじょーに分かり易かったです。
 自閉症をめぐる診断名の違いを分かりやすく説明されたのにも感服したのですが、今回のメインはなんといっても「視覚的構造化」の説明でした。

 構造化とは「場面の意味や見通しを明確にすること」。私は「相手に分かるように伝えること」と解釈しました。
 自閉症の人には言葉によるコミュニケーションが苦手という障害特性があります。一方、視覚的に意味をとらえることは得意です。彼らの得意な力を使ってコミュニケーションするための手段が視覚的構造化です。
 その視覚的構造化は一人一人に応じたものでないといけません。文字が分かる子には文字で、文字の分からない子には写真や絵カードで、写真や絵カードの意味が分からない子には具体的な物で、ということになるかと思います。
 また、「勉強する場所」、「遊ぶ場所」、「食事する場所」といった場面の意味を分かりやすくすることと共に、スケジュール表などによって見通しを明確にすることがとても大切です。
 とはいっても、我が家のゆうた・こうたは理解力がまだまだ低く、私たちが構造化を試みても、私たちの意図とは違う受け取り方をしてしまうこも多くあるとでしょう。しかし、彼らとコミュニケーションをとる一番の近道は視覚的構造化であることは間違いないと思います。
 今日、こうたに靴を見せて「お出かけするよ」と言うと、にっこりして玄関まで来てくれました。伝わったのかな?偶然かな?小さなことの積み重ねで上手くコミュニケーションができるようになればいいな。
 
 門先生の講演はスライドを使って(ときどき小ネタをはさみながらの)構造化された、とても分かりやすいお話でした。2回目以降の講演も期待しています。



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