カメラの話 -デジタル一眼レフと単焦点レンズ-


最近、このコーナーの更新がないとの指摘を受けて、気が付くと、去年は1回しか更新していませんでした。今年は時間がとれそうな状況なので更新回数を増やしていきたいと思います。


で、今回も趣味の話。最近はまっているデジタル一眼レフカメラの話です。


デジタル一眼は4年半くらい前に妻の希望で購入していたのですが、最近まであまり魅力を感じずにいました。
たしかに小型デジカメと比べて、きれいに写るし、オートフォーカスのスピードが速いといったメリットは分かるのですが、小型デジカメでも十分きれいに写るため、大きくて重いデジタル一眼をわざわざ持ち運ぶほどのメリットは感じなかったのです。

ところが、去年購入した単焦点レンズ(EF50mm F1.8 U)を使ってみて印象は一変。
デジタル一眼でしか撮れない写真があることが分かり、手ばなせなくなってしまいました。


単焦点レンズとはズームができないレンズのこと。それだけだと不便なレンズなのですが、多くの単焦点レンズはズームレンズでは手に入らない明るさを持っています。
明るいレンズとは簡単にいうとレンズの直径が大きく、光を多く取り込めるレンズ(レンズ性能のF値が小さいほど明るいレンズになります)。暗い室内での撮影に有利です。

一般のレンズ(F3.5くらい)で室内撮影をする場合、フラッシュをたくと、その強い光に肌が反射してテカテカした感じになったり、フラッシュの光が届かない被写体を狙った場合、真っ黒な写真になったりしてしまいます。
また、発光禁止にすると、シャッタースピードが遅くなるため手ブレ、被写体ブレが目立ったり、ISO感度を上げることでシャッタースピードを早くすると(少ない光量のデータを感度を上げて処理するため)ノイズの多い写真になってしまいます。

もちろん、明るいレンズでも限界はありますが、F1.4とかF1.8くらいのレンズで絞りを開放にすると、多少暗い室内でも、フラッシュなしの手持ち撮影が可能と思います。


もう一つ、明るいレンズと一眼レフカメラの組み合わせの特徴に、「背景を大きくぼかすことができる」が挙げられます。
明るいレンズで絞りを開放にして撮影するとピントの合う範囲が狭くなります。このため、背景をぼかして焦点を合わせた人物を浮かび上がらせるようなポートレートを撮ることができます。

F1.8、焦点距離50mmの撮影。
ピントの合う範囲が狭いため、お皿の淵がぼけています。

ちなみに、小型デジカメでは焦点距離(レンズから撮像素子までの距離)が短いため、デジタル一眼と比べると、同じ絞りでもピントの合う範囲が広くなります。
このため、背景をぼかすには向いていないのですが、背景にもピントを合わせたいときに有利になるし、ピントが大きく外れる可能性も低くなります。

小型デジカメで撮影。F3.5でフラッシュ有り。焦点距離6mm。
肌が反射した感じに。背景はあまりぼけません。
デジタル一眼で撮影。F1.8でフラッシュ無し。焦点距離50mm。
背景がぼけるので部屋が散らかっているのもごまかせる?

背景をぼかしたポートレートは一眼レフならでは。


カメラの基本的な仕組みを知り、明るい単焦点レンズを使うことで撮影の幅が広がることが分かると、カメラのおまかせモードに頼るより、被写体の状況に応じて、絞りやシャッタースピード、ISO感度、露出などの設定を考えながら、自分の好みに合うように撮影する方が面白くなりました。
それで失敗することも多いのですが、デジカメの最大の美点はフィルム代がかからないこと。撮影時の設定データも残るので、後で失敗写真の原因を考えて、次回の参考にすることもできます。

全てカメラまかせでシャッターを押すだけでも、ラクにきれいに撮れるのですが、自分で設定に関わることで、上手く撮れた写真にはより愛着がわくし、「より良く撮るにはどうすればいいんだろう」と、積極的に撮影にチャレンジする姿勢になります。マニュアル車をシフトチェンジさせながら運転するような、機械を操る面白さもあるように思います。


こんな感じでカメラの世界を楽しんでいるのですが、デジタル一眼にはまって困ることは、いろんなレンズが欲しくなること。
今の家計の状況だとしばらく無理だろうな。早く景気が回復しますように・・・(ますますレンズが欲しいなんて言ってられない状況になりませんように・・・)。


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