自閉症の原因は?

<はじめに>
「自閉症の原因」なんてタイトルをつけていますが、専門的なことは私にはわかりません。
先日、参加した父親の飲み会で「自閉症の原因てなんでしょうね」という話題がでて、その後、もやもやと考えてみたことメモしただけなので・・・、あしからず。
また、学術的な裏づけはなく、自分なりのイメージを書いているだけなので、あくまで“ひとりごと“として読んでください。


<原因って?>
悠太・光太の場合、自閉症の傾向よりも、知的な遅れの方が顕著です。だから、「自閉症の原因は?」と言われても、「知的な遅れの原因は?」を考えてしまい、頭の良し悪しなんて、、、"あるからある"としかいえないんじゃないの?と思ってしまいます。
きっと、図1のような富士山型の分布で、知能指数の高い人も、平均的な人も、低い人もいるのでしょう、これは生物の個体差としてあるもの、と思います。
また、自閉症の特性である社会性やコニュニケーション能力についても、同じような分布(図2)があるかと思います。

図1 図2

それぞれのどこに位置するかで、低機能自閉症(A-C)とか、高機能自閉症(B-C)とか、健常(B-D)とか、ボーダーとか呼ぶのでしょう。
こう考えると、自閉症と呼ばれる人はたまたまそういう個性をもって生まれた人、
足の速い遅い、背の高い低い、気の長い短い、とかいった人間の個体差の一つであり、
ただ、その個性が強烈なために、原因はどこにあるんだ?と思われがちなだけ、という気がします。
(もちろん、原因究明を否定するのはなく、原因が分かることで、自閉症の人の困難が軽くなることにつながればいいと思います。)


<自閉症は個性それとも障害?>
上に自閉症は個性の一つ、と書きましたが、一般的には受け入れにくい考えかもしれません。
たしかに、社会生活をおくる上で、支障となる個性は障害といえます。
また、本人にとっても生きにくさを感じるのであれば、その個性は障害と感じるでしょう。
でも、親バカな目からみるとあばたもエクボで、我が子のおバカな面もかわいい個性、と思えます。(それもどうかと思いますが・・・)
自閉症の特性も知れば知るほど奥深く、ユニークな個性として映ります。
家庭の中では、障害児という視点で我が子を見ることはありません。
また、悠太・光太の通っているK学園の先生方も障害児という視点ではなく、
それぞれの個性をもった子供たち、という視点で接してくれます。
それは親にとってもありがたいし、本人にとっても居心地の良い環境だと思います。
きっと、受け入れる環境しだいで障害にも個性にもなるのでしょう。
個性として受け入れてくれる人が増えれば、自閉症の人が生きやすい世の中になると思います。


<将来、自閉症はなくなるの?>
自閉症を個体差として考えると、これから脳の研究が進んで、原因が明確になったとしても、おそらく、なくならないだろうな、と思います。
(遺伝子の組合せを人間が自由にコントロールするようになって、親の思い通りに子供の能力を変えてしまえば、なくなるのかもしれないけど、そんな世の中イヤですね。)
将来、医学や技術の進歩によって、効果的な療法や薬、サポートする機械などが開発されて、自閉症の人の抱える困難が改善されていくことでしょう。でも、その効果は、きっと、絶対的なものではなく、人によって差がでるようなものだと思います。全体的にみると、改善はされるけれども、分布の裾野のほうにいる人は依然としている(図3)と思います。

図3

そういったことを考えると、個の力を伸ばすことも大切ですが、限界はあると思います。それを補う意味で、自閉症の人をサポートする環境が充実し、「自閉症のままで大丈夫」な世の中になることを望みます。

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