療育について
(さまざまな療育情報や療育体験談を目にすると、焦らされたり、悩まされたりします。大林泉著「こころをラクにあたまをクリアに」を読んで少し落ち着いて考えられるようになったので、現時点での考えを綴ってみました。)

 子供に自閉症の傾向があるとわかったとき、まず考えたのはどうすれば治るのだろう?ということでした。
しかし、自閉症に対する決定的な治療法はないのが現状です。治らないから障害と位置付けされるともいえます。
でも、自閉症の特徴をふまえた適切な療育を行えば、その子の持っている力を引き出すことができるようです。

 では、療育はどうすればいいのでしょうか?
インターネットで検索するとさまざまな療育方法が見つかります。決定的な治療法がないのですから、多くの専門家がそれぞれの理念や体験をもとに療育方法を確立しようとしています。

 さて、その中で我が子に合った療育方法はどれでしょう?
子供の個性、親の教育方針、経済状況、家から通える範囲に療育施設があるか、といったことから選ぶことになります。療育の体験談を読むと、型にはまった療育方法ではなく、成長に応じて、子供に合っているものをピップアップして試しておられる方も多いようです。

 また、通える範囲にいろいろな療育施設がある場合は、実際に試してみて、納得できる方法を選ぶこともできるでしょう。地方に住む我が家の場合は公共の療育施設しかないので、そこでお世話になることになりました。(2歳5ヶ月の現在は2週間に1度、グループでの遊戯を中心とした療育しています。)

 我が家ではどうしているかというと・・・・(2歳5ヶ月の現在は)特別なことはしていません。我が家の今の状態(双子、核家族、父(私)の帰りは遅い)では、妻に多くの負担がかかっています。さらに負担を重くするような療育方法を取るよりは、日々の生活を充実させたほうがメリットがあると思います。妻も工夫して子供たちと接してくれていますし、妻に絵本を「読んで」と持ってきたり、”お母さんといっしょ”の決まった曲になると「いっしょに踊って」とやってくるゆうた・こうたを見ると今はこれでいいんじゃないのかなと思っています。ふたりともお母さんが大好きです。



 ただ、近い将来、ゆうた・こうたの体力がつくと妻一人では外遊びができなくなったり、ベビーカーに乗れなくなると、買い物に行くことも難しくなることが予想できます。「今の内にしつけをしっかりしなくては」という意見もあるかと思いますが、客観的にみて、ゆうた・こうたが短期間で言葉を理解して言うことを聞いてくれるようになるのは難しいと思います。それよりも、今のうちに利用できる公共サービス、一時預かり施設の確認、あるいはボランティアさんの募集などをするほうが必要だと思っています。

 ○○療育方法ですばらしく成長した、という体験談を読むと我が子もこんなふうに成長してほしいなあと思います。しかし、同じ療育方法を取ったとしても同じように成長するとは限りません。療育はその子の持っている能力を引き出すことはできますが、生まれ持った能力まで変えることは出来ません。一人一人成長する時期、成長するスピード、得意分野、苦手分野は違います。つい他の子と比べて我が子の出来ないところばかりが目に付いてしまいますが、私はそれもこの子の個性で、ゆっくりでもこの子のペースで成長してくれればいいと思っています。

 いろいろ書いてきましたが、どんな療育が本当にいいのか、正直なところ私にはよく分かりません。どの療育方法にも良い面も悪い面もあるように思います。自閉症のタイプによっても効果のある療育方法は違うことでしょう。
 個人的な思いとしては、家庭内では自閉症の特徴を考えて工夫しながら日々の生活を楽しく充実させることが療育の基本になると思います。その上で、余裕があれば、納得できる方法をピックアップして、無理なく出来る範囲で試していけばいいのかなあ、と思っています。
 楽天的すぎるかも知れませんが、楽しい生活の延長に楽しい未来が待っていると考えたいです。

 また、療育施設では先生方の方針にお任せすることになります。先生方の経験や知識は私達に無いものであり、たいへん頼りにしています。親の立場としては、子供達一人一人の個性に応じた思いやりのある療育をしていただけることを願っています。

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