日曜日の朝の出来事



父(私)は2階のベランダでこいのぼりを設置していました。

そこへやってきた悠太君。

「何やってるのー」とニコニコ。

「ゆうくんはベランダに出ないでね」とドアを閉めました。

ガラス越しにこいのぼりを組み立てる私の手元を興味深く見ていた悠太君。

ドアを開けるそぶりもしていましたが、うまく開かない様子。

「あれっ、開けられないの?」

少し気になりましたが、かまわずこいのぼりを組み立てます。

しばらくすると悠太は1階に降りていきました。




さて、こいのぼりを組み立てて、出ようとすると・・・

ドアが開かない。

しまった!ロックされている!

 

・・・困った。

奥さんは買い物に出たばっかり。

1時間もすれば帰ってくるのだが・・・

それまで、部屋の掃除も子供の昼食の用意も出来ないままか・・・。

知ってる人が通ったら声をかけて開けてもらおうか、

でも光太はパンツ脱いでるし、部屋はぐちゃぐちゃのままだし・・・

というか、人が通る気配はないし・・・

時間だけ過ぎていきます。


 

ダメもとで悠太を呼んでみるか。

ドアに向かって「ゆうくーん!ゆうくーん!」

すると下の階から笑い声が、

「あれ?もしかして反応してる?」

さらに呼び続けます「ゆうくーん!ゆうくーん!ゆうくーん!」

すると階段をのぼる足音が。

悠太が目をこすりながらやってきました。
(悠太はこの日、ひどい結膜炎になってしまいます)

「ゆうくん、ここ!ここ、開けて!」必死でかぎを指差します。

「もう、僕は目がかゆくてそれどころじゃないんだけどな」という感じで、

目をこすりながら、でも、かぎをがちゃがちゃ、みごと開けてくれました。

「すごい!ゆうくん、ありがとう!」




かぎをかけたのも悠太ですが、

そんなこと忘れて悠太が救いの天使に見えた父なのでした。



しかし、悠太はどこまで分かっているんだろう?

偶然かな?

父の必死のアピールが伝わったのかな?



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