6月の出来事


 私が一人ブルーでいる間に、6月が終わってしまいました。
 大急ぎで、6月を振り返ってみたいと思います。

 6月第二日曜日、区の年に一度の恒例・「お口の健康フェア」に家族総出で行ってきました。子供の(大人も)歯科検診と、就学前の子供にはフッ素を塗ってもらえます。
 定期的にかかりつけの歯科で検診・フッ素塗布を受けるのがベストなのは百も承知。でも、この人たち(悠太・光太)を私一人でどうやって歯科へ連れて行けばいいんですかーーーー!
 ということで、今年も虫歯ゼロを祈りつつ・・・

 会場内は子供の泣き叫ぶ声が響き渡る異様な雰囲気。小さい子供って、本当に歯科が苦手なんですよね。検診だけで何も痛いことしないのに・・・もちろん、悠太・光太も泣いて暴れて嫌がります。でも、泣いている子供ばかりなので、そこまで目立ちません。力が強くなっているので、暴れるのを抑えるのは大変ですが(汗)。

 結果は今年も虫歯ナシ!よかった〜!
 歯も、「きれいにみがけていますね」とお褒めの言葉をいただいました。いやいや、それほどでも・・・

 実は、悠太・光太、歯が自慢!えっへん!いろんな人に「きれいな歯をしているね」と言われます。
 けど、歯磨きが大嫌いの二人は、歯磨きするのは夜寝る前の1回だけ。ものすご〜く嫌がるけれど、「1日1回だけなんだからっ!」と、どんなに泣いて暴れても、押さえつけて磨きます。そんなふうにしたら、ますます歯磨きが嫌いになる・・・というほど。けど、これだけは譲れません。それに、どんなに歌を歌ってやさしい顔で「歯磨き楽しいよ〜」と演出しても、暴れるものは暴れるのですよ。
それならば、とにかく磨く!虫歯になったら困るのよ(私が)!

悠太・光太の歯がきれいな理由は、そんな私の必死の努力のたまもの・・・ではなく。
単に、歯を使ってないからでしょうねえ。食べ物をよく噛んでいない、丸呑みに近い状態なんだと思います。だって、うんちの中、ニンジンが与えた形のまま(3ミリ角)出てきたりしますもん。
腹が減っているときなんか、今口の中に入れたご飯が、次の瞬間にはお口空っぽになっていて「あーん」。って、おい、あんた全然噛んでないでしょ!

あと、甘いお菓子を食べない(食べられない)、清涼飲料水や甘いジュースを飲まない(飲めない)というのも大きいと思います。
キャンディも、チョコレートも、ケーキもシュークリームもアイスクリームも「いらない」。食べ物とは思っていない二人。一緒に「おいしいね」と共感できないのは寂しいけれど、歯のためにはこれでいいのかなあ・・・


さて、6月某日。
我が家に真新しいソファがやってきました。久々の大きな買い物でした。
今まで我が家にあったソファは、夫が独身時代、まだま私たちがラブラブだった頃に買った小さなもの。
白い布張りのそのソファは、昨年の夏にチャレンジしたトイレトレーニングのおかげで、子供のおしっこがたんまりとしみ込み、うんちやバナナがなすりつけられ、すっかり黒ずんでしまいました。
そのソファ、とてもお客様に「どうぞ座って」とは勧められません。夫でさえ「座りたくない・・・」と、リビングのベストポジションにありながら、近づくことはありませんでした。

けど、お父さんだって、お母さんだって、ソファにのんびり座ってテレビが見たーい!

 念願の新しいソファは、白いレザー(もちろん合皮)。二人掛けながら、今の我が家なら家族4人で座ることもできる、余裕のある大きさです。
 このソファなら、子供のおしっこもうんちもさっとひと拭き、怖くありません。
 親が喜んだのもさることながら、一番喜んだのは悠太・光太。「新しいトランポリンが来た〜!」とばかりに、ソファの上でニコニコでジャンプ、ジャンプ!
 ふふふ、よしよし。

 私が子供の頃、ソファの上でジャンプしようものなら、物凄い勢いで親に怒られたものでした。当時の(定型発達の)私でさえ、こんな楽しいことをなぜ怒られるのかが分かりませんでした。
 埃がたつから?
 ソファのスプリングが壊れるから?
 そ〜んなみみっちいことで怒られていたのかなあ、私。ま、よその家で同じことをやったら困るから、だったんだろうけど・・・小さい子供のすること、そんなに困りますかねえ?

「ソファはすわるもの」という定義がしっかり分かってくれば、ソファでジャンプなんて自然にやらなくなるだろうし、頭ごなしに「ソファの上で跳んではいけません!」では子供も訳が分からずかわいそうだし、親もストレスだと・・・悠太・光太を見ていて思います。

 ということで、悠太・光太がソファの上でうれしそうにジャンプしているのは、本望なのです。座るにしろ、ジャンプするにしろ、みんなが新しいソファを喜んでいることが一番!買った甲斐があるというものです。


 梅雨に入ってもなかなか雨の降らなかった6月。下旬になり、K学園で念願のプールが始まりました。
 プールは2階建ての校舎の屋上にあり、室内の温水プールとは違う、屋外ならではの気持ちよさは格別!(母子通園の日には母も入ります)
 もちろん、悠太・光太は大喜び!毎日プールに入るため、本格的な夏はまだだというのに、色白な二人がすでに小麦色になっています。夏が終わる頃にはどうなるんだろう?
 健康的に日焼けして、体もどんどん大きくなっている二人。頼もしく感じます。

 大好きな水遊びを存分にできて、楽しいことがいっぱい。
 K学園での生活も、それなりのストレスはあるのでしょうが、随分落ち着いてきたようです。
 「眠れない、眠れない」とパニックを起こしていた光太も、園でお昼寝したり、園バスの中で寝たりすることも増えてきました。一番疲れているときに休息がとれ、夜中にパニックを起こすことも減りました。
 
 その光太、5月以降、園での給食をぱたっと食べなくなり、スナック菓子で飢えをしのいでいましたが、6月のある日、急にふりかけご飯を口にするようになったのです。
 隣に座っていた先生のふりかけご飯をじ〜っと見つめ、自ら先生のお皿に手を出しました。自分のお茶碗のご飯にもふりかけをかけてもらうと、気に入ったようで、手づかみで、ちびちびではありますが食べています。

 驚くべきは、そのご飯が温かくない、冷めたものであるということ。
 他の人にスプーンで口まで運んでもらうのではなく、自らの手で、自らの意思で冷めたご飯を食べているのです。えらい!
 ご飯をしっかり食べると、スナック菓子は欲しがりません。
 光太、またひとつ成長です。

 去年夏のトイレ・トレーニング以降、家ではフルチンの光太、その成果か、おしっこ・うんちの感覚はほぼ完璧に分かるようになりました。
 パンツの中ではできるだけおもらししたくない光太なので、限界までおしっこ、うんちを我慢してしまいます。園から帰ってくるなり、急いでズボンとパンツをぬいで、おしっこ、さらにはゆるゆるうんちをしたときには、どんなに我慢して辛かっただろうと心が痛みました。
 どうにか、尿意・便意を大人に伝えられるように教えてやりたい、今の課題です。

 家の中では、私が見ていないとどこでもやりたい放題ですが、おまるの中桶を見せて「おしっこは?」と誘うと、おまるの中桶めがけて放尿してくれます。
 夜中におしっこがしたくて起きてしまったときは、布団におもらしするのではなく、ちゃんとお父さんの手をとってお父さんを起こし、お父さんがおまるの中桶を持ってくるのを待ちます。
 垂れ流しではなく、ちゃんと自力で尿意をコントロールして出しているようです。

 外出時には紙パンツをはかせていますが、帰宅時にもやはり紙パンツはきれいなまま。そこで、外出先におまるの中桶を持参して、トイレでおしっこにチャレンジしてみました。
 某ショッピングセンターに遊びに行ったときのこと。ひとしきり遊んだ後、家族みんなで身障者用のトイレに入ります。初めて入る空間に、みるみる顔がゆがみ、泣き出す光太。それでも、ズボンとパンツ下ろしおまるの中桶を見せると、ちゃんとおしっこができました。
 えらいぞ、光太!外出先でもおしっこできるようになったら随分ラクになるはず。我慢しなくていいんだよ。
 「おしっこ」を伝えられるようになるまで、しばらく時間排泄でやってみようと思います。

 さて、問題は悠太。
 去年は療育センターでトイレ・トレ指導があったため、夏の間布パンツで過ごしたものの・・・う〜ん、今年は面倒くさいなあ(笑)。
 それでもたまに布パンツを悠太に履かせていると、去年と違い、パンツが濡れると、ちゃんと濡れたパンツを自分で脱ぎます。「濡れて気持ち悪い」感覚が分かっているようです。
 これだけでも、かなりの進歩!
 
 ある日、フルチンで過ごしていた悠太が切羽詰った表情で紙パンツを持ってやってきました。どうやら、「パンツを履かせてくれ」と言っているよう。何のことか分からないままパンツを履かせると、すかさず部屋の隅っこに行ってうんち。
 へ〜、「うんち出るからパンツ履かせて」だったのか。
 どうやら偶然ではなく、その後も、紙パンツが目の届くところに見えないと、ズボンを持ってきて「うんち出るから履かせて」と言ってきたりします。
 悠太はパンツでうんち、なのね。片付けはラクだからいいけれど。

 1年分の成長がこんなところからも見て取れます。
 子供の大変なところばかりに目がいっていると、ずーっと何も変わらない、足踏み状態のように思えるけれど、本当に長〜い目で、1年単位で比べてみると、ちゃんと成長しているのですね。
 子供の成長、頑張りを気付くことのできる母親でいたい、と思いました。


 最後に私のことですが・・・
 子供が週3回の単独登園になってから、毎週水曜日は映画を見ています。
 私はもともと映画がそれほど好き、というわけではありません。映像で見てしまうと、作品の世界が「それだけ」になってしまうような気がしてならないのです。作品の世界を映像によって押し付けられている、と言ったら分かってもらえるでしょうか。
 それよりも、本で、文字だけの世界だと、自分の感覚でその世界はいくらでも広がります。主人公の顔も、その場その場の表情、せりふの間合いも自分の感覚しだいです。

 まあ、そんな御託は置いておいて・・・
 本を読む時間も、テレビドラマを見る時間もない今、2時間で物語が完結する映画は、ちょうどいい気分転換になっています。
 先日見たのは、スピルバーグ監督の「宇宙戦争」。
 最近は邦画が面白く、邦画専門になっていた私、久々の洋画です。

 見た感想は・・・
 さすが、の一言。お金をふんだんにかけた、リッチで丁寧につくられた映像は、見ただけで贅沢な気分にさせられました。
 地球以外の星の高等生物が、地球をのっとるべく戦いを仕掛けてくる・・・そんな現実とかけ離れた設定のストーリーに引いてしまうかも(私はSFが苦手)、と不安を抱いていましたが、そんな思いはすぐに吹っ飛んでしまいました。

 地球以外からの侵略者、そんな圧倒的なつわものに対して、飛びぬけたヒーローがまったく出てこない。ただただ、我が子をエゴ丸出しで守ろうとする父親の姿、どうにかして生き延びようと「生」にしがみつく人の姿があまりにもリアルでした。

 自分はこんなとき、我が子をどうやって守るのだろう?やはり、こうやって死に物狂いで守ろうとするのだろう。しかし、本当に自分にできるのだろうか?
 トム・クルーズが演じる父親の姿が、自分と重なりました。
 生々しいばかりに必死で生き延びようとする群集に、ついこの間まで死にたがっていた自分を恥じました。

 エンディングは唐突、というかあまりにも強引なこじつけでコケてしまいましたが(笑)、いろんなことを考えさせられた映画でした。

 さあ、今週の水曜日は、待ちに待った「マラソン」を見てきます!
 韓国での自閉症の青年、そしてそのお母さんがどんな風に描かれているのか、とても楽しみです。
 ハンカチを忘れずに持って行かなくちゃ!




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