感謝!


 今年度すべての療育教室が終わってしまいました。
 3日は、療育センターのグループ教室でお世話になった先生との最後の懇談。教室そのものはすでに終わっているのですが、悠太・光太は教室があるものと思い込み、やる気まんまん!いつものお部屋にニコニコで向かいます。
 が、「今日のお部屋は違うのよ〜」と別の教室に入れられ、表情が一変。不安げなこわばった顔、そして怒り出し、「ここから出せー!」と猛烈なアピールです。
 先生方も、悠太・光太のためを思って、二人の大好きな園庭で遊ばせながら懇談を・・・と予定してくださっていたのですが、外はあいにくの雨。
 あまりの二人の「イヤイヤ」に落ち着いて話をするどころではなく、すぐに他の場所・二人が知っている広いホールに連れていってもらいました。

 そこで、ようやく落ち着いて遊び始めた二人。
 二人の中では、「療育センター=教室」、教室はこの部屋!ってちゃんと見通しがたっているんだものね。「今日は違うのよ」なんてわからない。前もって伝えようにも、今の二人には難しいだろうなあ・・・

 悠太はしばらくそのホールで遊んでいたものの、「これはやっぱり違う」と感じたのか、出口の扉の取っ手を握り、「あーっ!」とアピール。敵は簡単にごまかせない。
 そうだよね、いつもの教室を楽しみにして来たんだものね。
 懇談の後、「もう帰るよ」と言っても、なおも今まで使っていた教室の前に走っていく二人。
 本当に、教室が大好きだったんだなあ・・・
 
 初めて療育センターの個別教室に通い始めたのは、二人が1歳10ヶ月の頃。その頃は、いろんな遊びやおもちゃを提示されても、表情は固く、「ここから出せ!」と言ってばかり。なぜ自分がこんなところにいるのか、なぜこんなことをしているのかわからない、といったふうでした。
 2歳3ヶ月の頃から少人数のグループの母子教室になり、少しずつ好きな遊びを見つけて、どんどん笑顔も増えていきました。

 今年度に入ってからは、すっかり教室が「楽しみなこと」に定着していきました。
 夏場は大好きなお水遊び、秋からは園庭遊び。
 最初は教室内でのお弁当も食べようとはしませんでしたが、「ここで食べるものなんだ」と納得できるようになると、お弁当の時間になると、真っ先に椅子に座り、「早くしろー!腹がへったんじゃー!」とアピールするようになりました。
 多動な二人がどこに行くかわからないから、といつも乗せていたベビーカーも、この秋からは、使わなくてもちゃんと建物の入り口めがけて猛ダッシュ、迷いなく教室にたどりつけるようになりました。
 そして何よりも、自分の周りが少しずつ見えるようになってきました。
 自分の目の前のこと、目の前のおもちゃや自分の手先しか意識がなかったのに、視界の隅で先生が立ち上がったり動いたりすると、「先生は何をするんだろう」と、その行方を追うようになりました。

 本当にたくさんの成長を見せてくれた二人です。
 教室の途中で眠くなって機嫌が悪くなったり、ぐずぐず言ったり、椅子にじっと座れなかったりで、お友達の中ではダントツの劣等生でしたが、ニコニコ笑顔は一等賞でした!
 
 ちょっと話はずれますが、最近ある人に「なぜ(私が)子供を虐待するまでにいたらなかったのか」と尋ねられたことがありました。
 その答は「世間体」だったり「犯罪者になりたくなかった」だったりしたのですが、もう一度よく考えてみると、「療育センターに通うようになったから」も大きな要因だったように思います。
 つまり、私1人で背負っていた重荷を、誰かが、夫ではない第三者が一緒に背負ってくれるようになったのです。
 
 普通ではない子供、育てにくい子供、それも二人。私の制止もきかず、思いつくままに行きたい方向へ走っていってしまう二人を、私1人では公園に連れていくことすらできない毎日でした(それは今も変わりませんが)。
 夫以外の誰も、「うちの子、普通じゃないんよ」と言っても信じてくれません。助けてくれません。私の気持ちをわかってくれません。
 それが、療育センターに通うようになって初めて、「一緒に悠太くんと光太くんのことを考えていきましょう」と手をさしのべてくれる人を得たのです。
 3週間に一度、2週間に一度、それだけでも、その時間だけは私ではない第三者(ここでは保育士の先生)が、悠太・光太と真剣に向き合ってくれるのです。
 そのひとときが、どれだけ私を救ってくれたかわかりません。

 4月から子供が通う通園施設、私の思うところあって療育センター付属の園は選びませんでしたが、それでも、療育センターでお世話になった先生方には感謝の気持ちでいっぱいです。

 
 もう一つ通っていた療育施設、K学園の療育も3月の第一週で終わりました。
 言葉での指示のまったく通らない我が子を、どうやってしつけて育てていっていいかわからない・・・
 焦りでいっぱいの私を救ってくれたのはK学園の先生でした。
 個別療育で悠太・光太を担当してくれたS先生。明るくてパワフルで子供が大好き!とってもキュートなお姉さん先生で、子供はもとより、私も大好きでした。S先生とのおしゃべりが楽しみで通っていた一面もありました。
 4月からの子供の進路を考える際、このままS先生と会えなくなってしまうのは考えられないほど大きな存在になっていました。このまま、S先生に悠太と光太の成長を一緒に見守っていって欲しいなあ・・・
 
 K学園への正式入園は難しそうで、やはりデイサービスを利用した毎日の母子通園になりそうですが、個別療育最後の日、「また4月からお世話になります!」と笑顔でS先生に手をふれてよかった!


 療育教室が終わったことでひと段落、先日、療育センターの母子教室で仲良くなったママさん(私を含め3人)でお食事会に行ってきました。子守はそれぞれパパさんにおまかせです。
 みんな日々忙しく、こんなお食事会の機会をもったのも初めて。ゆっくり話ができるように、と和食のコースのランチを選んだのですが、みんな、目の前の料理に気付かないほど喋る、喋る!よほどたまっていたんだね・・・
 同じ障害を持つ子どもの母親同士。なかなか周りの人には通じないこと、一から説明しないと分かってもらえないこと、複雑な気持ちも、ツーカーで分かる小気味良さ。
 世間一般の目から見たら奇妙でしかない我が子の行動も、「ああ、うちの子もそれ、やるやる!」と大笑いできる仲間のありがたさ。
 喋って、喋って・・・お店のひとから「もうランチタイムは終了です」と最後の客になり店を追い出されるまで喋り倒した私たち。それでも喋り足りず、散歩して公園のベンチに座って喋り続けて・・・子守パパさんたちのタイムリミットになってしまいました。

 子守を嫌な顔をせず(?)してくれたパパさんたちに感謝(うちは当然だけど〜)。
そして、ママさんたちはこれからもずっと友達でいたいと思う、大事な大事な人たち。
 一緒にずっと頑張っていけたらいいな。
 

 すべての出会いに感謝!




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