でんぐり光太


 年末年始以降のジャンプに続いて、光太がでんぐりがえりができるようになりました!
 少し前から、頭を床につけてお尻をあげて、という天の橋立状態で足の間から覗いていたりしていたので、たまに私が冗談半分で、光太の足をつかんでごろ〜んとでんぐりがえりさせてはいたのですが、こんなに早く自分でできるようになるとは。
 ジャンプができるようになって、「足で勢いをつけて蹴る」ことを覚えたんでしょうね。

 模倣ができない、模倣するという意味がわからない彼らに、何かを教えることは至難の業。教えようとして教えたことなど何一つありません。
 楽しいときにジャンプしたくなるのは本能的なものなのかな?
 じゃあ、教えずともできたでんぐりがえりも「やってやろう」という気持ちは本能なのかしら。「勢いつけて足で蹴ってごらん」なんて意味、光太はわからないですもん。

 言葉の指示がとおらない、模倣のなかなかできない彼らが、一つのスキルを得ることは時間がかかるし、本当に難しいことです。
 けど何かを体得したら、それは自らの力で得たものなので強い糧となります。

 光太、よほどでんぐりがえりが楽しいのか、寝室に敷き詰めた布団の上を縦横無尽にごろ〜んごろ〜んしています。
 子供にしては体の固い光太(生まれつき体は固めでした)、あんな格好して首が痛くないのかしらと見ているほうはひやひやです。
 光太・でんぐりがえりの勇姿を写真にてアップしたいところですが、下半身丸出しででんぐりがえりする様は子供とはいえあまりにも卑猥なので、残念ながら遠慮させていただきたいと思います(笑)。

 一方、悠太。ちょっとお兄さんになりました。
 悠太もとうとう、「赤ちゃん・仰向けおひざでシャンプー」を卒業したのです。
冬休みの間のことだったのですが、今まで書き忘れてしまっていました(笑)。

 冬休みが始まると、お風呂はお父さんの担当。
 私がお風呂に入れていた前日までは、これまでどおり、普通に私のおひざに仰向けになってシャンプーをしていたのですが、お父さんとお風呂になったとたん、いきなりおひざに仰向けになるのを拒否したそうです。
 さあ、そうなると平和なお風呂も修羅場です。
 案外思い切りのいい夫、「悠太、覚悟!」と頭からお湯をざばーっ!
 光太の比ではなく、顔にお水がかかることを極端に嫌う悠太です。そりゃあもう、大絶叫。
 お風呂の外、台所で夕飯の支度をする私、「とうとう悠太もきたか・・・」

 何日悠太の絶叫が続いたでしょうか。
 けれど、8日間のお父さんとのお風呂の間で、悠太の中にも覚悟ができてきたようです。

 冬休みが終わり、私とのお風呂にバトンタッチしたときは「本当に悠太にシャンプーできるのだろうか」とヒヤヒヤでしたが、「ふえ〜ん」と言いながらもちゃんと我慢できるようになっていました。
 今では頭からお湯をかけても、まったく泣くことはありません(嫌がりはしますが)。シャンプーが終わるとケロッとしたものです。
 こうなると、お風呂もらくちん!かなりの時間短縮です。赤ちゃん時代、二人のお風呂が1時間仕事だった頃のことが嘘のようです。

 うんうん。二人ともお兄さんになったなあ・・・

 こんなこともありました。
 先日、個別療育でお世話になっているK学園でのこと。
その日は書初めをさせようと、先生は半紙に筆、墨を準備していたのですが、二人はいっこうに興味を示しません。
 ふと、悠太が教室に張ってあった何枚かの写真カードに目を向けました。トイレの写真、給食の写真、園庭の写真、通園バスの写真・・・その中から一枚のカードを手に取りました。
 ボールプールの写真カード。
 訓練室という、その写真にある大きなボールプールやトランポリン、ブランコやおもちゃがだくさんある広い部屋があって、二人ともその訓練室で遊ぶのが大好き。
訓練室に行きたかったのでしょう、悠太はそのボールプールの写真カードを私に手渡してくれたのです。なおかつ、教室のドアに私の手を引いて「開けて」。

これには先生も私もびっくりです。
「悠ちゃん、カード使えましたっけ・・・」「いいえ」

視覚支援を、といいながらなかなか進んでいなかった絵カード、写真カードです。
漫画「光とともに・・・」でもありますが、自分の要求したいことのカードを選べても、そのカードを人に手渡して要求を伝えるのはもうワンステップ難しいことのようです。
それをあっさりクリアした悠太。
写真カードは音声言語の喋れない悠太の「言葉」の代わりになってくれると確信しました。

もっともっと、どうしたら君たちとお話できるのか考えるよ。
もっともっと、たくさんお話しようね。




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