「ママのおなかをえらんできたよ。」


 昨年11月頃のことだったでしょうか、新聞広告を眺めていてこの本のタイトルが目にとびこんできました。
「ママのおなかをえらんできたよ。」(池川 明著・リヨン社)
 子供の胎内記憶のお話、胎内に宿る前の記憶のお話です。

 双子メーリングリストでもしばしば話題になるこの胎内記憶。私もとても興味がありました。だいたい言葉を話せるようになる2、3歳の頃に一度だけ聞いてみるといいそうです(何度も聞いてしまうと、子供も作り話をしたり、親の誘導尋問みたいになって親の望む答を言うようになってしまうそうです)。
 本当に覚えている子供もいるそうですよ。
 私も、悠太・光太が赤ちゃんの頃は、「悠太・光太が言葉が話せるようになったら聞いてみたいなあ」なんて思っていたのですが、残念ながらそれは無理のようなので(笑)、よそのお子さんの話でもいいから、胎内記憶について聞いてみたいと思っていたのです。

 この本の前巻にあたるのが「おぼえているよ。ママのおなかにいたときのこと」。
この本の発売以来、胎内記憶だけでなくそれ以前の記憶があるという声も寄せられるようになり、おなかに入る前のこと、パパとママを選んだときのことの記憶を集めた「ママのおなかをえらんできたよ。」の発売に至ったそうです。

 もともと私は、「悠太と光太は生まれてくるべく私の腹を借り、安全に生まれることができる病院を彼らが選び、生まれてくる日を彼らが自ら(帝王切開にもかかわらず)選んで生まれてきた」と信じているので、「ママのおなかをえらんできたよ」と言われても、「ふ〜ん、やっぱりそうか」という気持ちが強かったです。

 障害を持つ子どもなどは、その育てにくさから「あなたなら育てられるからって神様に選ばれたのよ」なんて言いますが、神様を出された日には「選ばれたかねーやっ!」と私などはムッとしちゃいますが、子供本人がパパ・ママを選んだのなら、「そうか・・・仕方ないなあ」と納得、受け止められるような気がします。

 不思議なことに、いろんな子供(大人の方も少数)の話に共通するのは、おなかに入る前は「雲の上のような居心地がいいところ」にいて、そこから「どのパパとママがいいかなあ」と選んで生まれてきたということ。
 きょうだいなどは、お兄ちゃんが弟に「先に行くね」と先に行っちゃったとか。
 じゃあ、悠太・光太なんかは「どっちが先に行くか」でもめて、「えーい、いっそのこと一緒に行っちゃえ!」と母のもとに来たんでしょうかねえ。
いい迷惑だっての。小柄な母に双子はきつかったぞー(涙)

 そのほか、不思議な力を子供はもっているものです。
 お母さんが妊娠に気付く前におなかに赤ちゃんがいることに気付いたり、おなかの中の赤ちゃんとお話ができたり、流産しかけているのを「がんばっておなかの中にいてね」とくいとめたり。

 単なるファンタジーと思いますか?
 子供がパパとママを選んでくるなんて。
 でも、素敵じゃないですか。みんなそうしてパパ・ママを選んできたなんて。
 私も、覚えていないですが、自分の両親を選んできたんでしょうかねえ・・・あの両親をねえ・・・それはまた酔狂な。(いえいえ、めったなことは言えません。私の母もこのホームページを見てるのですよ)
 いやいや、幸せな子供時代を送らせてもらったので、それでよしとしましょう。

 「子供は親を選べない」というのは全く逆で、ちゃんと子供は親を選んでいるんですねえ。親こそ子供を選べない。生まれてくるのが双子だろうと障害児だろうと。
 でも、もちろん子供を持つことを望みます。子供を望む夫婦があって、そして子供がその両親を望んで選んで・・・家族ができるんですね。
 神の手など到底およばない、もっともっと不思議なスピリチュアルな世界です。

 大きくなった子供が、よく反抗期に「産んでくれなんて頼んでねえよ!」と親に毒づく場面がありますが、そういうときは「あんたが覚えてないだけよ」と突っ込みましょう。
 まあ、うちは悠太・光太がそんな高度なことを言うとは思えませんが・・・
 つくづく平和なお子様じゃ。

 なかなか子供をもてない方もいらっしゃいますが、きっと雲の上で、ママを見つけることに時間がかかっているのでしょうね。
 残念ながらこの世に生まれることない命も、子供は自分の寿命がわかっていてなおかつ、「ほんの1ヶ月でもいい、ママの子になりたい」とおなかに宿るという話もあります。

 そこまでして、子供が私たちを親に選んでくれたのなら。
 その期待にそうように、もっと大切に育てなければと改めて思います。

 「選ばれた」ことに苦痛を感じ、子供からどうにかして逃げたいと思っていた時期もありますが、今は、「選んでくれてありがとう」。

 こんなお母さんでいいの?ほんとに?
 君たちの答はその笑顔かな。 




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