パパの休日、ママの休日
よく「母親業は24時間365日休みなし」と言われるが、我が家では夫のほうが「休みなし」である。
夫は、普段は朝7時過ぎに家を出て夜は11時過ぎに帰ってくる(これでも勤務時間は短くなったほうだ)。家に帰ってくれば、高いびきをかく妻と子の姿。夫はどんな風に思っているのだろう?
用意してある夕食をレンジで温めて、ひとりもくもくと食べる。使った食器とお弁当箱は食洗機に入れてスイッチオン。麦茶がきれているときは何も言わなくても沸かしてくれる。
風呂にも入らず、布団に直行。これで朝までぐっすり眠れる・・・と思いきや、甘い甘い。
夜中起きてしまう子供を寝かしつけるのは夫の役目。近頃では子供が夜中に起きることはあまりなくなったが、それでもたまに、夜中に泣いたりゲラゲラ笑い出したり。
普通の家庭では、そんな子供をなだめるのは母親の役目なのだろうが、私ときたら、「日中子供のために全エネルギーをつぎこんで頑張っているのに、なんでお父さんのいる夜中まで子供の面倒みなきゃいけないの!?」と、子供が泣いていようが知らんふり。それどころか、「もー、うるさいなあ。静かにさせてよ、眠れないじゃん!」と、どこかの父親のようなことを言う始末。
子供が夜中に起きて騒ぐたび、夫は「お母さんがキレちゃうよー」とドキドキするのだそうだ。
平日はこんな感じ。
じゃあ、休日はゆっくり休めるかというと、それは大きな間違い。休日こそ夫の出番。平日、家事・育児に忙しい私に休みを与えるため、朝から晩まで私に代わって、料理以外の家事・育児をこなさなければならないのだ。
ちょっとでも寝過ごそうものなら、「早く起きてよー。私が洗濯物まわしたんだからね!」と私に恨みがましく言われるのだ。ううう、恐ろしい・・・
朝は、私のために目玉焼きを焼き(これだけは夫のほうが上手)朝食を準備する。
私が朝食を食べるそばで、フルチンの光太が放尿すれば、夫はすかさず雑巾を持って走り、「悠太、ウンチしたんじゃない?」の私の一言で、朝食の手を休めて夫が紙パンツを換える。そして、私がゆっくり新聞を読む傍らで、後片付けを始めるのだ。
すごい恐妻のように見えるけれど、実際これは平日私が1人でやっていることなのだから、夫のいる休日ぐらいは夫がやって当たり前(だと思うんだけど・・・)。
その後の家事は基本的には二人で手分け。けど、平日の手抜き家事のフォローをするのは夫だ。台所のシンクを磨いてくれたり、掃除機の掃除をしてくれたり、玄関を掃いてくれたり・・・
もちろん、「ありがとう」の一言は欠かしませんよ、念のため。
夫に、休日に何かやりたいことはないのかと尋ねても、「悠ちゃん、光ちゃんと遊ぶのっ!」と、悠太・光太命。
「たまには1人でドライブしたいとかないの?」
「うーん、それもいいけど、悠ちゃん光ちゃんと一緒だったらもっと楽しいね!」
ハイハイ。君に何を言っても無駄じゃ。
そんな夫に先週末は1人の時間をプレゼントした。
それは、広島市民球場で行われた奥田民生の弾き語りライブ。
もともと、熱狂的なファンというわけではないが、民生好きの夫。このライブを知ったときも興味を示したのだが、私が「行ってもいいよ〜」と言っても、「うーん・・・別にいいや」。
きっと、家でのんびり悠太・光太と遊ぶ時間と天秤にかけても、どっちもどっちというところだったのだろう。
そんな夫を、「行ってもいいよって言ってるじゃない!」と半ば強制的に背中を押したのは私。市民球場でのライブなんて思っただけでも楽しそうだし(私は行かないけれど)、開演時間が夕方4時と早かったこともあって、帰宅も早いだろうし私もそんなに負担にならないはず。
何よりも、いつも家族のために滅私奉公してくれる夫に、純粋な自分の趣味のためだけに費やせる時間をあげたかった。
果たして、結婚後初めてとも言える、自分ひとりの自由時間を持った夫。存分にライブを楽しんだようだ。
帰宅後もニコニコ、興奮気味。
楽しそうだなあ、ちょっとうらやましい。でも愚痴は言うまい。
うれしそうに報告する夫に、「あーあ、そのぶん私が働いたのよ〜」なんて憎まれ口をたたきたくなるのをぐっと我慢。にっこり笑って「よかったね」と相槌を打つ。
これだけ喜んでくれたんだ、よしとするか・・・
さて、民生のライブの翌日、私の祖父の13回忌の法事に顔を出してきました。
悠太と光太は食べられるものが限られているため、昼食を済ませての出発。読経も会食も終わってからの到着になりました。
祖父母の家のあるF市まで車で約1時間半。小さな子供を抱える身には近くて遠い距離です。結婚してから初めての里帰り、約4年ぶりです。
久しぶりに会う親戚にさぞや感動するんだろうなと思いきや、まるで昨日も会ったように時間の流れを感じませんでした。いとこたちも、もうみんないいトシになっているんですけどね、私も含めて。
今は誰も住んでいない祖父母の家、けれど、家の中に漂う温かい気は変わりません。
何も言わなくてもいい、まんまの自分を受け止めてくれるこの家、親戚。私の大切な宝物です。
悠太と光太はといえば、人の多さに最初は戸惑い気味でしたが、すぐにその場になじんでいました。悠太・光太と6日違いの生まれの、同い年の男の子もいたのですが、二人はとってもマイペースで遊んでいました。その男の子、私のいとこの子供なのですが、とーってもやんちゃ。喋らない(喋れない)、おとなしい悠太光太になれている私はびっくり。実は、悠太と光太ってとってもいい子なのかも?
滞在時間は2時間ちょっとと短かったけど、心身ともにリフレッシュできました。
あいにくの雨の中、視界の悪い高速道路をドライブしてくれた夫に感謝です。
夫婦そろって、いい週末になりました。
ただ、問題は悠太・光太。連日お昼寝もろくにとれずひっぱりまわしたためか、風邪気味さんです。鼻水とせきがひどい。せきがついちゃうと、なかなか治らない二人。
きっと夜中もせきで起きちゃうんだろうなあ。そのときは、夫よ、よろしく〜!
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