夏休み総決算 〜手をつなごう〜

 3歳の夏!
 といっても、彼らが変わったことは特になし。
いっときお母さんから距離を置いていた悠太が、またお母さんべったりになったこと(トイレに行ったぐらいで号泣するなー!)、光太の自己主張が一段と激しくなり、何が気に入らないのかほぼ1日中ぎゃーぎゃー泣き喚いていることぐらいかな?
 どちらにせよ、こたえる。この暑さの中イライラはつのるばかり・・・

 ようやく11日からお盆休みに入ったお父さん。これで人手は確保!
「さあ、お休み中はどこへ行こう?」「うーん・・・プールかなあ」
 はたして、福祉センターの休館日をのぞき、プール、海、プール、プールと水遊び三昧のお休み。
 お盆もプール。駐車場はガラガラ〜。人もあまりいないし、子供づれなんてうちともう一家族ぐらい。これでいいのか?やっぱり少し寂しいなあ。
 でも、これが子供が一番喜ぶんだもの。安全で楽しく家族みんなが遊べることが一番。

 今回帰省を見送ったのは、悠太に不安があったからだ。
 お盆休みに入る前、まる2日半、夏バテからか拒食になってしまった悠太。おなかはすいているらしいのだが(食べないかわりに牛乳をがぶ飲み!)、食事に口をつけようとしない。休みに入ってからも、昼食をとろうとしなかったり、不安があった。
 神経質かもしれないが、食事の場所が変わることで、拒食に拍車がかかる可能性が捨てきれず、こわかったのだ。

 そんなわけで、我が家を基点にして近場をあっちこっちへ。
 13日には呉市の海へ。日本海の海と違って、瀬戸内海の波はおだやか〜!
 3歳の誕生日に行った日本海の海では、荒波にすっかり怖気づいてしまった悠太。
ここでも最初は水に足をつけようとしなかったが、お母さん抱っこでゆっくりゆっくり海へ入る。ぎゅっと私にしがみつき離れようとしなかったが、穏やかな波に少しずつリラックス。次第に表情がやわらぎ、笑顔が見え始めた。よかった!
 しかし、この日5時半起きだった悠太。気持ちよ〜くゆらゆら波に揺られ、お目目が閉じかける。
急いで海から上がろうとすると、「まだ、海に入る!」とぐいぐい手を引っ張る。
どうすればいいんだー!

一方光太は、ひとしきり水遊びをした後は、海岸をくまなく散歩・探検していた。
こちらはもちろんお父さんが付き添い。
遊んだ時間は短かったけど、結構日に焼けてしまった。
楽しかったかな? また海に行こうね。

このお休みのチャレンジの一つは、「手をつなごう」。
少しずつベビーカーでの移動を減らしていって、手を繋いで移動しようというもの。
 まずは、スーパーでベビーカーなしでのお買い物にチャレンジ!
買い物かごを持つ私は、比較的ついてきてくれそうな悠太と手をつなぐ。手を繋ぐというよりは、悠太の手をぎゅっと握り締め、引きずるようにではあるが、意外にも無事、買いたい物をかごに入れることができた。
が、鬼門はレジ。お財布からお金を出すとき、どうしても悠太から手を離さなければいけない。えーと、悠太を足の間にはさんで・・・と、何とか体を拘束しようとするのだが、するりと逃げてしまう。
「こら!悠太、待て!」とレジの前で格闘することしばし。見かねたレジ係の人が、「商品、袋にお入れしましょうか?」・・・助かります〜!
買った商品が比較的少なく、レジもすいていたのでこうして好意に甘えさせてもらったけれど、いつもはこうはいかない。
やっぱり、ベビーカーなしでのお買い物は不可能かなあ・・・

そして、この間お父さんと一緒の光太はといえば。
まずは店内を大暴走。全力疾走で店内を3周した後は、洗濯洗剤売り場にはまってしまい、そこから動こうとしない。
好きなんですね、洗濯洗剤が。アタックとかアリエールとかトップとか。きれいな箱が整然と並んでいて、それをうっとりと眺めている。どこのスーパーでも洗剤売り場は光太のお気に入り。「洗剤売り場の男」と命名してあげよう。
やっぱり、私1人ではベビーカーなしでの買い物は不可能!


いつも行く福祉センターのプールでも、駐車場からベビーカーなしで挑戦してみた。
それまでは、駐車場からすぐにベビーカーに乗せて建物に入り、エレベーターで二階に上がり、家族更衣室の中までベビーカーで乗り入れていた。
(いや、ほんとに、ここまでしないとどこに行くか分からないので・・・)
 通いなれたプールだから大丈夫だろう、と踏んでのチャレンジだ。
 
 さて、福祉センターの駐車場。車から降りた二人は、お父さんお母さんとそれぞれ手をつなぎ、早くプールに入りたい一心で、勝手知ったる場所とばかりにぐんぐん進んでいく。寄り道も脱走もせず(いや、ちょっと脱走しかけたかな。でも修正可能な程度)、ちゃんとエレベーターに乗り、一目散にプールの入り口へ。
 やっぱり、本人の中で場所と目的が一致していて、それをちゃんと理解していると移動も可能なのだ。
 ただし、プールの後、帰るときは、座り込みあり、脱走ありで手こずったけど・・・

「手をつなごう」企画第3弾は、「アストラムラインに乗ろう」計画と連動して行った。
 まあ、そんなに御大層なことではないのだけれど・・・
ショッピングセンターの駐車場に車をとめて、そこから最寄のアストラムラインの駅まで歩き、最低料金の乗車区間二駅ぶんを往復して帰るというもの。
歩く距離は片道200メートル程度か。たいした距離ではないのかもしれないが、なにせ初めての場所。2人がどういう行動に出るか全く予想がつかない中、私たち親にとってはドキドキのチャレンジだった。
しかし、意外や意外。車から降りた二人は、おとなしく手をつながれて歩き出したではないか!
きっと、初めての場所で不安、何をしたらいいかわからない、これといって走りたくなる刺激がない・・・そんなかんじだったのかもしれない。
手を繋いで歩く姿は、まさに普通の親子の散歩。すごい!
普段のこいつらと言ったら、1人で行きたいときに手を繋ごうとすると、物凄い力で振り払うわ、座り込んでカメのように縮こまるは、どうしようもならないのだ。
おとなしく手をつないでニコニコ歩いてくれる子供に、私以上にお父さんが感動しきり。大興奮で「すごーい!」を連発。涙を流さんばかりだった。

目的のアストラムラインは、子供にとってはどうでもいい、というかうれしくなかったらしい(笑)。悠太は緊張した面持ちで私にしがみつき、はなれようとしない。
でも、パニックを起こし泣き叫ぶこともなかったので、OK。帰りの車内ではいくぶんリラックスしていた様子。
このアストラムラインは、ホームから落ちることができないようになっている、まさに悠太と光太のための安全・快適な乗り物なのだ。路線区間が短いのが残念だけど・・・
帰りの徒歩は、悠太の座り込みがあったものの(歩道に引いてある視覚障害者のための黄色いラインを触りたかったらしい)、上出来!



そのほか、広島駅まで新幹線を見に行ったり、島根県の水族館「アクアス」に行ったりと何かとばたばたした、このお盆休み。
新幹線を見てもお魚を見ても、いまいち表情がぱっとしなかったけれど(涙)、実際に見て、何かを感じてくれれば、それでOKかな。

 


 17日から、通常通りの日々が戻ってきた。
 いつものように、ベビーカーで買い物へ行くと・・・「ぎゃーっ!」(訳・「下ろせー!」)
ベビーカーから下ろせ、下ろせの大合唱。いや、お母さん1人のときはだめだってば。
 そうこうしていると、このお休み中に習得したベビーカー脱出の術でもって、悠太がベビーカーから抜け出し、立ち上がっている。ちゃんとベルトしてるのにー!
「ひーっ!やめてーっ!」 
 買物かごの中にはすでにたくさんの商品が。今、ここで脱走されたらまずい!
 脅し、すかししながら猛スピードでレジへ並び、なんとか事なきをえた。
しかし、そのまま店から出ようとすると、また2人して「ぎゃーっ!」と大号泣。
「おろせー!この間はここで遊ばせてくれたじゃないかーっ!」
 ダメなものはダメなの!

 もしかして、「手をつなごう」企画は、2人の自立魂に火をつけてしまったのか?
3歳にもなって、おとなしくベビーカーに乗っているのなんて普通はおかしいもんなあ。
どこでも、自分の足で自由に歩きたいよね。それは当然の成長。
 けど、けど。それじゃあ日常生活ができなくなっちゃうのよー!
 あんたたち、ベビーカーが無いとあっという間に迷子になっちゃうじゃん!

 まずい。非常にまずいことになってしまった・・・




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