脱ぐなーっ!

 7月初めに行った双子サークルでのあるお母さんの話。
「うちの子、とにかく裸なんですよ。寝るときも裸。起きても裸。家の周りの外で遊ぶときも裸・・・」
 1歳8ヶ月ぐらいのお子さんの話だったのだけど、「すごーい!」と一同大笑い。
かろうじて、ちゃんとした外出のときは服を着てくれるのだが、それ以外はとにかくすっぽんぽん、とお母さんも苦笑されていた。

そんな話を聞いていた矢先のこと。
うちにも出現したのだ、裸ん坊主が。その名は光太。

7月に入り、しきりにパンツの中に手を突っ込み、おちんちんを触り始めた光太。
最初はさほど気にしていなかった。
おー、自分の体に興味を持ち始めたかー。これも成長の証だなあ。そりゃあ触りたいよなあ。感覚の敏感なところだし、ぷにゅぷにゅしてて楽しいよなあ。
一過性のものだと思っていたし、自分の大切な体のこと。タブーにはしたくなかった。

が、光太は気がついてしまった。
パンツを脱げば、大好きな(?)おちんちんをとっても触りやすいことを。そして、パンツを脱いだときの開放感を。
教えてもいないのに、パンツのおなかまわりに手をかけ、両足を絶妙に動かし、上手にパンツを脱げるようになってしまった。

さあ、そうなったら光太の思うがまま。家の中ではすっかり「フルチン光太」になってしまった。かろうじてTシャツは着ていてくれるが(たまにそれさえも「いやー」と脱ごうとしている。けどうまく脱げずに変なところに腕を出してもがいている)、パンツ、ズボンは何度はかせても脱いでしまう。
「パンツはくよ」とパンツを見せるとぎゃーっと逃げてしまうようになった。
はかせる、脱ぐ、はかせる、脱ぐ、の繰り返し。不毛な戦いに白旗を揚げたのは私。
まあ夏だし、いいか〜
それに、今のところフルチンでいるのは家の中限定。
「お外に行くよ。パンツ、ズボンはこうね」というと、この時ばかりは嫌がりもせず、おとなしくはかせてくれる。それどころか、早くお外へ行きたいがため、いそいそと右足、左足を上げてパンツをはかせる私に協力してくれるのだから、光太、ちゃんと分かっているのである。
このー、ゲンキンな奴めー!
あと、さすがに夜寝る時は真剣な顔で何度も言い聞かせてから、パンツとパジャマのズボンははかせている。やはり嫌がって泣き叫ぶのだが、このときばかりは譲れない。おなか冷えちゃうぞ!しつこく言い聞かせて(脱ごうとする手をぺしっと軽くたたいたりしながら)いるうちに、光太も眠くなってどうでもよくなってしまうらしい。

困るのはおしっこ、うんち。
 一応トイレトレーニングを(少しは)しているのだが、いっこうにおしっこの感覚を覚えるふうもない。おまるに座るのは抵抗ないらしく、1日に何度も自らおまるに座っておちんちんを触り遊んでいる。
 当然、おしっこは部屋のいたるところに垂れ流し。これはまあ、日中はそのつど雑巾でふけばいいこと。
問題は朝一番。最近、夜中におしっこをしないので、起き抜けはそりゃあもうおしっこが溜まっている。
ここのところ早寝早起きの光太。5時半前後に目が覚める。朝起きて寝ぼけまなこのまま、一番にすることはパジャマとパンツを脱ぐこと(涙)。
「うわー!お前、布団の上でおしっこするなよー!こら、あっちへ行け!」
「なんでだよー!ボクお布団の上でごろごろするのっ!」(光太の言い分・母代弁)
やめてくれ、それだけは勘弁してくれ!
わけが分からず大泣き、大絶叫する光太。
光太の叫び声で家族全員起床。5時40分(涙)。
とりあえず牛乳を飲ませ、おまるでおしっこをしてもらう。たくさん溜まっているはずなのに、なかなか出なかったりして、ここでも早く布団に戻りたい光太とのバトルがある。こっちも寝起きで機嫌が悪い。「早くしろー!」
爽やかとは言いがたい1日の始まり。

うんちがまだ頻繁で1日多いときは3、4回する光太。
けど、光太はだいたいうんちは玄関でするので、比較的被害は少ない。たまーに靴のはしっこに光太のうんちがひっかかっていたりすることぐらいだ。これも、気をつけて靴をすみによけておけばOK。犬のフンを拾うがごとく、ティッシュでブツを包み、そのままトイレに流せばおしまい。
時々、ゆるめのうんちが光太のお尻から足先、そして光太の歩いたところ延々と続いていることもあるし、「ん?なんか臭うぞ。くんくん。お前、どこかでやったな!うわーっ!」(カーテンのすそにべっちょり)なんてこともあるが・・・
夫のいるときであれば、「お父さん、光太がうんちしたー!」この一言でよし。後はまかせた。
夫はまだまだ、この垂れ流し状態には慣れていないらしい。いちいち「わーっ!」と大声をあげている。甘いぞ、父ちゃん。

光太だけに限ったことではなく、トイレトレ中のお子ちゃまのいる家庭なら似たり寄ったりの状況のはず。
けど、光太はいつまでフルチンでいるつもりなのか。これが「こだわり」になったらちょっと困るなあ。
寒くなったら、パンツとズボン、ちゃんとはいてね。お願い!

さて、おまけの悠太くん。(おまけって何だよー!)
こちらは、つい1週間ほど前から、自分でスプーンを持って食べたがるようになった。
とはいえ、まだまだへたっぴ。スプーンを口の中に入れたはいいが、「口を閉じる→スプーンを引き抜く」という一連の動作が難しいらしく、口を半開きのままスプーンを引き抜くものだから、口からぼろぼろとごはんがこぼれる。
「んもー!」と思いながらも、「おーっ、上手上手!」とほめちぎる。
あの、食べ物に全く関心の無かった悠太が、「自分で」食べようとしている。その意思がみえる。それがとてもうれしい。
 悠太もうれしいらしく、一口食べるごとに走り回る。
んー、これも困った。けど、楽しいのが一番!
楽しい気持ち、うれしい気持ちが次のステップにつながっていく。

 さあ、もうすぐ2歳代も終わり。
この子たちはどんな3歳の顔を見せてくれるのだろう?




育児なんか大キライ!目次へ
ホームへ