愛されるために

 悠太、光太、君たちはなんのために生まれてきたのだろう?
 君たちは、宇宙飛行士にはなれないだろう。パイロットも無理かな。
たくさんお金をかせぐのも難しいかもしれない。
 たくさんの税金をおさめるのも難しいかもしれない。
それより、今の日本の社会では「お荷物」と言われてしまう存在かもしれない。
 たくさんの人の助けを借りながら生きなければいけないだろう。

 それでも、なんのために君たちは生まれてきたのだろう?

 ただ一つだけ言えること。
 君たちは、愛されるために生まれてきた。

 君たちを産んで、親になって初めて分かった。
子供はみんな、誰かの一番。お父さん、お母さんの一番。
 子供はみんな、愛されるために生まれてくるのだ。
 
 自分の子供の頃を思い出してみた。
兄と2人きょうだいだった私は、母の愛を独占したくてよくこう尋ねた。
 「私とお兄ちゃんとどっちが一番好き?」
母は決まってこう答えた。「どっちも一番好きよ」。
 2人も一番がいるなんて嘘つき!子供心に母の言葉は理解できず、そう思った。
「おまえが一番だよ」
その言葉が欲しかったのに。母は私の気持ちにはこたえてくれなかった。
 今なら、母の気持ちが分かる。私がとても愛されて育てられたことも。
 悠太も、光太も、私の一番。どっちかなんて選べない。
 
 悠太、光太。君たちはお父さん、お母さんに愛されるために生まれてきたんだよ。
そして、きっと、お父さん、お母さんにたくさんの幸せをくれるために。

 君たちを愛するのはちょっと難しいときもある。
幸せをくれるはずの君たちが、困ったことばかりしてくれたりして。
 あー、もう!って、さじを投げたくなる。

それでもやっぱり、君たちの笑顔は幸せのかたまり。
君たちは愛のかたまり。

 悠太、光太。君たちは、愛されるために生まれてきた。




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