願いがかなった夫



 夫は週末になるとしばしば言っていました。
 「あー、もう1日お休みになったらいいのに」。
 その願い、このたびかなう運びと相成りました。なんと、夢の週休3日制です!
夫の勤める会社、この不況を反映して、期間限定ではありますが(とりあえず1月中。その後いつまで続くのやら・・・)金曜日が不就業日、つまりお休みになったのです。
わーい、やったぁ!
って、そんなの喜べるかいっ!

残業カット、そして不就業日・・・
不就業日の賃金はいくらかは保証されるそうですが、さらなる収入減は必至。どうすりゃいいのか、頭を痛めすぎてもはや放心状態です。
以前新聞で、母1人子ども3人で暮らす生活保護世帯の収入を見たのですが、我が家の現在の収入、それより低いでーす♪きゃー、これってまさしくワーキングプア?(涙)

夫が平日に家にいる。そりゃあね、うれしいですよ。仲良しですから。
今までも、夫はたまに「リフレッシュ休暇」と称して自主的に平日にお休みをとり、夫婦でおいしいものを食べに行ったり、買い物をしたり、子無しの時間を楽しんできました。
けど、今はとにかく節約しなきゃいけないとき。買い物、外食、NG!
で、どうするよ、って話です。
びっくり。間がもたんやんけ(笑)。

よく、定年後、夫婦二人きりの生活になって間がもたない、しんどい、という話を聞きますが、「うちはありえない」って本気で思ってたんです。夫と間がもたないなんて。夫と二人でやりたいこと、山のようにあるよなあ、って。家事も二人で協力は当然だし、問題ナッシングだと思ってた。
でも、それって自由に使えるお金があってこそ、お金の余裕があってこそ、なのですね。
節約、節制、二人で家にじっとこもって・・・
こりゃー、大変だ!

平日に夫が家にいる、夫婦二人の時間、っていうのは私にとっても夫にとっても「非日常」なわけです。非日常だから、あれこれと非日常なこと(外食や買い物)をせっかくだからやっとかなきゃ、って感じだったのですね。
けど、夫が日常に入り込んできた。これは初めての体験です。

私は、平日のノルマがある。食事づくりだったり、来週の献立、どんな安い食材でおいしい料理ができるかを研究したり、録画しておいたドラマを見たり、それなりに忙しいです。
そこへ、「ボク、仕事お休み」の夫が入り込む。
そりゃあ、夫は掃除もしてくれるし、食後のお皿洗いもしてくれます。家事の軽減はとってもありがたいです。
けど。
何かが違うー!!
まるで定年後の生活のシミュレーションです。
あー、結構きついかも。


不就業日となった金曜日。
まず、夫は病院へ行きました。
以前から、立ちくらみならぬ「寝くらみ」がする、と言っていた夫。寝ようと横になると、くらっとする。寝返りを打ってもくらっとするらしいのです。何か、ヘンな病気かも、と心配していました。

先日、友人と話をしていて、「それって貧血かも」と言われたのです。その友人がひどい貧血で、やっぱり寝くらみや、寝返りをうってもくらっとしていた、とのこと。「注射したり、鉄剤飲んで治ったよ〜」と彼女。
注射や鉄剤で症状が改善されるなら、と夫は血液検査に行ったのです。

結果、血液検査異常なし。
診断名、「良性発作性頭位めまい症」。特徴、「頭をある特定の位置に動かしたり、寝返りをうったときなどに、短時間の回転性めまいが起こる」。代表的なめまい疾患だそうです。
原因ははっきり分かっていない、特効薬も無し。
悪い病気につながることはないので様子を見ましょうと。
治しようがないってことが分かりました。気の毒に・・・


この日、1年生は学校の授業で餅つきがありました。なぜこの時期に餅つきなのかは深く追求しないことにして、これは見に行かないと!
カメラとビデオカメラを抱えて授業参観です。
 
K学園時代には、しょっちゅう子どもの様子を見に行っていた私。イベントごとには必ずカメラを抱えて行っていたし、お気に入りの給食を食べたいがために遊びに行っていたりもしました(ごくごくたまに、ですが)。

だって、子どもの様子って気になるじゃないですか。
どんな表情をして遊んでいるのかなあ、とか。そのかわいい表情を見逃すなんて、もったい!
 けど入学前、K学園の先生から「小学校に上がったら、(用事もないのに)学校に行っちゃだめよ」とたしなめられて、それはそうだよなあ、とあえて参観日以外に学校へ行くことはしませんでした。私にしては、結構な我慢だったのですが・・・

どうやら、学校はいつでも授業見学ウェルカムらしいのです。
写真撮影も、「どうぞ、どうぞ〜」。えええ?いいんですか?(夫が喜んだのは言うまでもありません)
やっぱり、支援学校は普通の小学校とかとは感覚が違うのでしょうね。ありがたいです。

餅つきの授業は、悠太のクラスの教室で行われました。
中央に大きな立派な石臼!まずは、先生が炊きあがったばかりのもち米をつぶし、ぺったんぺったんとついていきます。
子どもたちの目はキラキラ、みんな釘付けです。かわいい〜♪

次に子どもたちが順番についていきます。
子ども用の杵を持ち、音頭に合わせて完璧につく子もいます。
悠太の番。悠太、「オレ、これやったことあるよ。知ってるよ」とニコニコでやる気まんまんです。しかし!思ったより杵が重いらしい。おまけに杵の先っぽがおもちにくっついて、なかなか上がらない。
結局、先生に手伝ってもらいながら、ぺったん、ぺったん。
光太も先生と一緒にぺったん、ぺったん。二人ともとってもいいお顔でした。

順番に子どもがついたところで、おもちの出来上がり!
出来上がったおもちをみんなでテーブルの上で一口大に丸めます。悠太・光太は丸める作業よりも粉遊びに夢中でしたが・・・

隣の教室に移動して、出来立てのおもちを食べました。
悠太・光太はおもちは食べないのですが、きな粉をスプーンですくって食べました。光太がきな粉を食べるのは知っていたのですが、悠太は初・きな粉かな?ぺろっとなめて、気に入ったみたい。時折むせて、ばふっと周りにきな粉を撒き散らしながらも、いい感じで食べていました。
先生方も、「食べられるものがあってよかった、よかった」と悠太の器にきな粉をてんこ盛りにしてくれました。
私も夫も、つきたてのおもちをご馳走になりました。おいしかった!

驚いたのは、先生方の一連の手際、段取りのよさ。
おもちつきが始まってからおもちを食べ終わるまでにかかった時間はほんの30分強でした。お餅つきって、すごーく大掛かりで時間がかかるものだと思っていたのですが・・・
ともあれ、いいものを見せてもらいました。楽しかった〜。

餅つきを頑張る悠太。 きなこを食べる光太。


夫と私の間には微妙な空気の流れた金曜日でしたが、悠太・光太は平日にいるお父さんに大喜び!
夫は最近毎日夜早く帰ってくるし、一緒にいる時間も結構ある。もうお父さんなんて珍しくもなんともないはずなのですが、やっぱりうれしいんだそうです。

スクールバスのお迎えに行って、悠太と私、光太と夫ペアで手をつないで歩いていると、先を歩いていた悠太が振り向いて、「ボクもお父さんとがいい!」とお父さんのもとに駆け寄り、手をつないでニコッ。
その顔が本当にうれしそうで、かわいいったらないのです。
あんな顔されたら、夫もたまらんだろうなあ。
で、家に帰ると、やれ遊べ、こっち来い、肩車しろ、と・・・。別の意味で、たまらんだろうなあ(笑)。


当面の課題。お金をかけずに、夫婦で楽しむ方法を考えなくては。
二人がいつもどおり、一人ずつの別々のペースで別々のことをやるのが一番簡単なのかもしれませんが、夫も私も「そんなの、せっかくの二人きりの時間なのにもったいない」と思っちゃう。やっぱり、二人で一緒がいいのです。
仲良しですからね。いや、お互い寂しがりなだけかも。
とりあえず、この期間限定の夫婦の時間をしっかり楽しみたいと思います。
期間限定で終わってくれたらいいんですけどね。きゃー、怖―い。




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