プリンセス・ドリーム


 行ってきました!
 ディズニー・オン・アイス、「プリンセス・ドリーム」。もちろん、家族4人で。
 初の試みです。

 ことの発端は、1年以上前。園ママ友達の一言でした。
 「うち、毎年、ディズニー・オン・アイスに行くんよ〜」
 ええええっ!○○くん、じっと座っていられるの?!
同じ自閉ちゃん仲間ですから、当時はじっと座っていられるっていうだけで、羨望のまなざしでした。
 そのママいわく、「うーん・・・光とかをじーっと見てるよ〜」とのこと。

 いーなー、いーなー、うらやましいなあ。
 私、他人が持っているものをすぐに欲しがる、他人のやっていることがすぐにうらやましくなるたちなんです。
 うちも、みんなで行きたいなあ・・・
 けど、1年前はとてもじゃないけれど、じっと座ってショーを見る悠太・光太なんて想像できませんでした。
 うちは、無理だよなあ。ありえない。

 そして1年後。
 余裕で椅子にじっと座れる悠太・光太がいました。
 もともと、フィギュアスケートのテレビ中継も大好きな二人です(キラキラ、ヒラヒラの服を着た人がくるくる回ったりするのが面白いんでしょうね)。
 神楽の舞台も首っ引きで見ていたっけ。
 ディズニー・オン・アイスも、きっと楽しめるに違いない。喜ぶに違いない。
 よし、行ってみよう!

 ちょうど近所のショッピングセンターで、チケットを取り扱っていました。
 4枚ください!
 と言って、お金を払おうとして・・・これっていくらよ?S席一枚5,800円。ふーん、そんなもんか。GANGA ZUNBAのライブもそのくらいだもんなあ。
って、えええっ?4枚で、にまんさんぜんにひゃくえんっ!?
 一瞬、気が遠くなりました。
 普段、ライブに行くときは私ひとりぶんのチケットを払うだけなので「そんなもんか」で済むのですが、「そんなもんか」が4倍になると大変なことになるんですねえ。

 これを毎年行く家庭って・・・ああああ。そういえば、かのママ友のお家ってば、うわさによると、どえらい裕福なお家なのだとか。詳しいことは知らないけれど、家の玄関は指紋認証付の自動ドアだとか。マンションじゃない、一軒家ですよ。一体どんな豪邸なんじゃぁ!
 私、とんでもない人と張り合ってしまったのね・・・

 一瞬躊躇したものの、ここまで気持ちが盛り上がってしまっていては、引くに引けず、ええ、購入しましたわよ。S席4枚、23,200円。夫には事後報告でした。てへっ。
 まあ、こういうときに渋い顔をする人じゃないんですけどね。みんなが楽しめることに使うお金には、「いいね」という人です。というか、あまりお金にうるさくない、「なんとかなるさ〜」というタイプです。
 夫婦そろってこんな感じなので、別段無駄遣いしているわけではないのに、毎月赤字なんですよねえ・・・

 さて、この23,200円、捨て銭にならないこと(=悠太・光太が喜んでくれること)を祈るのみです。
 だって、悠太・光太が喜んでくれるかなーと思うから、行くんだもの。私と夫だけなら、ディズニー・オン・アイスなんて行かないよなあ。別に、ディズニー好きってわけじゃないんだし。

 でも、悠太・光太が喜んでくれるだろうという勝算は9割ありました。
 ただ、初めての場所、それも大きなアリーナ、人いっぱい。もちろん不安材料もありました。
 そして、もう一つ心配だったこと。それは、ディズニー・オン・アイスの会場、「広島グリーンアリーナ」が、8月末まで行っていたファミリープールのすぐそばだということです。
 「なんでプールじゃないのー!?」ギャーッとなってしまったら、ちょっと立ち直るのに大変かも・・・

 当日。
 予想通り、見覚えのある道にニコニコ、すっかりプールに行くんだと思い込んでいる二人、テンション↑↑です。こうなったら、「違うよ、プールじゃないよ。ほら、プールバッグ持ってないでしょ」というまっとうな理屈は通用しません。
 大丈夫かなあ?と思いつつ、「今日はここだよ〜」と会場のグリーンアリーナへ入ると・・・

 光太は夫に抱っこでしがみついていましたが、悠太はきょとんとしていました。意外と大丈夫みたいで、ひとまず、ほっ。
 すぐに売店を物色、ボタンを押すとライトが光ってティンカーベルが回転するおもちゃ(2500円!)を購入しました。こういうの、悠太・光太、絶対好き!ショーがつまらなかったときの現実逃避グッズとして使えそう♪

 それにしても、売店で売られているグッズや食べ物の値段の法外なことといったら!
 綿菓子1500円、ポップコーン1200円(1500円だったかな?)、きわめつけはかき氷、限定のカップに入っているとはいえ、1800円!
 さすがに買う勇気はありませんでしたねえ。
 (グリーンアリーナ直営の売店もあって、そちらは市販のお菓子や飲み物が普通の値段で売られていましたが・・・)

 席についてまもなく、ショーが始まりました。
 暗くなる会場内、そしてスポットライトでリンクが照らされ・・・
 すると、それまでおとなしく座っていたものの「なに、ここ?なにするの?」と仏頂面だった光太のテンションがいきなりアップ、「うっきゃ〜!!」とニコニコでジャンプ、ジャンプ!
 
 よっしゃー!
 思わずガッツポーズ。喜んでる、喜んでる!もうこの一瞬で十分、連れてきた甲斐があったというものです。
 一方悠太はというと、光って回転するおもちゃを回転させてうっとりしつつ、時折ステージを見てニコッ。これもOKでしょう。

開演前、おもちゃで遊ぶ悠太


 ショーは、大人が見ても十分楽しかったです。
 アラジン、白雪姫、美女と野獣、人魚姫、ムーランルージュ、眠れる森の美女、シンデレラのお話とお姫様が次々と出てきます。
 途中で何度かミッキーマウスとミニーマウスが出てきたのですが、ミッキーとミニーが出てくると会場がうわあああっ!ってなるんですね。なんというか、突然、超有名芸能人が現れた、って感じ。

 「きゃあああああ、ミッキー!ミニー!」
 と私も思わず興奮して、手を振っちゃいました。
 私、別にミッキーもミニーも好きってわけじゃないんだけどなあ(笑)。
 っていうか、この日出てきたお姫様のお話、「ムーランルージュ」以外は全部本で読んで知っているけれど、ディズニーアニメとしては1本も見たことないです。「美女と野獣」なんて、結構流行っていたはずなんだけど、興味がなくて。

 ディズニーランドさえ1度も行ったことがないしなあ。
 もちろん、行ってみたい気持ちはやまやまです。でも、遠いしなあ、お金もかかるしなあ・・・と二の足を踏んで25年。それに今となっては悠太と光太もいて不可能だもん!
 けど、本当に好きな人は、広島からだろうが、多動の自閉っ子連れだろうが、年に何度も行ってるんですよねえ・・・

 結局、ディズニーに対する私の情熱はそんなもん、なんです。
 そんな私でさえも、目の前に現れるだけで熱狂させてしまうミッキーとミニー。さすが、グローバル・キャラクター、世界の人気者!

 夫は、7人のこびとが出てきたとき、こびとの着ぐるみの顔が大きいのがイヤだったそうです。
 お話とお話の間に出てくるティンカーベルも、「何のお話に出てくるか知ってる?」と聞くと、「『あたしんち』のみかんちゃんの後ろに、ときどき出てくる妖精さんだよね」「あー、出てくる、出てくる!・・・・って、違うよ。『ピーターパン』でしょっ!」
 こんなもんだよなあ、男のディズニーの知識って。

 悠太・光太も十分楽しめました。
ショーもよく見ていたし、ちょっと見飽きたら光太はお父さんとラブラブしたり、床に寝そべったり。
 基本、小さい子供向けのショーゆえ、会場内の規制も全然堅苦しくなくって、親も気がラクでした。
会場内飲食OKだし、みんな途中退席がんがんにしていたし。そりゃあ、子供の突然の「おなかすいた!」や「おしっこ!」って、我慢できないですもんね。

 あ〜、楽しかった!
 ショーが終わった後は、ちょうどお昼ご飯タイムで、ラーメン屋さんに入りました。光太は大喜び!「おいしいものが出てくる場所」ってもう分かっているんですね。
 悠太はあまり食がすすみませんでしたが、光太は大人1人前以上をぺろり!でした。

 光るティンカーベルの回転おもちゃは、二人ともえらく気に入ってしまい、取り合いになっています(まあ、近いうちに飽きると思うのですが・・・)。
 一人がおもちゃから手を離した瞬間に、すかさずもう一人が拾い上げる。たえず誰かが握り締めている状態です。

 さっき笑っちゃったの。光太が手放したおもちゃを悠太が手にしていると、それが気にくわない光太は、悠太からおもちゃを取り上げて、それをわざわざおもちゃ箱に隠していました。悠太、しょんぼりです。
 あんた、今使わないんだから、悠太が使っていてもいいでしょうに・・・
 究極に原始的な脳ミソで、いろいろ考えて隠したんでしょうねえ(笑)。「んっ。よしっ。これでカンペキ!悠ちゃん、使えないぞ。うふふ〜」って。

 こんな意地悪をするようになったんですねえ。
 何かしら、毎日笑わせてもらっています。

二人に大人気のおもちゃ。ティンカーベルの人形は折れてしまいました。


 来年のディズニー・オン・アイスは、「ディズニーランド・アドベンチャー」。すでに来年も、行く気まんまんです。私。
 「来年も行きたいなあ・・・」と言うと、夫、微笑みつつ「うーん・・・行けたらいいねえ」
 あ、やっぱ23,200円はイタかったのか(笑)。


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