一番エライのは?


 ちょうど6月の頭からひいた私の風邪は一向に治る気配なく、とうとう3週目に突入。
 最初の頃こそ内科で処方された薬を飲んでいたのですが、その薬がきつすぎてフラフラ、薬を飲んだほうがしんどくなって、薬を飲むのをやめてしまいました。

 考えてみれば、薬というのは飲んだ後安静にすることが大前提。そのため、眠くなる成分も入っている。薬を飲んで、家事をして育児してはいけないのですよ。
 体は薬が入って休みたいのに、実際は休むことは許されず、余計に無理をして体をいためつけて、容態はひどくなる、と。

 「まあ、時間がたてば治るでしょ」、と自分に言い聞かせ続けること半月を超え、「寝て起きたらラクになってるわよ」と思いつつ床に就き、来る日も来る日も失望して朝を迎え・・・
 体が限界にきたようで、3週目に入って3日目に発熱、38度7分。
 とうとう、夫にSOS!
 水曜日と木曜日にはお風呂の時間までに帰ってきてもらって、それでもなかなか熱が引かず、金曜日にはまる1日休みを取ってもらいました。

 夫に助けを求めたからといって、「ああこれでもう大丈夫、休めるわ」とはいかないのが母親。なぜなら、母親は食事を作らなければいけないからです。これだけは、夫には頼れない!

 夫も、いざとなれば料理の一つや二つはできるでしょう。
 「お父さんも、カレーつくれるよ!」と夫は胸を張って言います。
 カレー作れるだけで「オレだって料理できる」と思っている夫。あのー、光太はカレー食べないんですけど、どうするんですかぁ?
 ほら、夫には頼れない。
 
 普通の子なら、いざというときには、コンビニ弁当やパン、出来合いの惣菜なんかで済ませることができるんでしょうけど、悠太・光太はそうはいかないですから。

 しんどい体に鞭打って食事を作りながら、しみじみ思いました。
 一番偉いのは、ゴハンを作る人だと。
 もちろん、食材を買うにはお金がいる、そのお金を稼いでくる人が一番偉いのかもしれないけれど、いくらお金があったとて、ゴハンを作る人がいて、そのゴハンを食べなければ生きていけない。
 やっぱり、ゴハンを作る人が一番偉い。
 やっぱり私が一番エライんだ。私ってすごい、エライ!
・ ・・とでも自分で思わなきゃ、やってられないですよ、実際(涙)。

 夫は倒れたら、会社を休めばいい。それでOK。誰かがフォローしてくれる。
 私が倒れたらどうするの?悠ちゃん・光ちゃんのゴハンはどうするの?
 
 夫がどんなに育児をしようと家事をしようと、料理ができなかったら、結局はどうにもならないんです。
 「教えてよ」と夫は言う。
 クリームシチューの作り方なんて、もう2度は教えたんですがね。メモする気すらない、覚える気がないんですから。「オレ、やった」ってだけで満足してる。
 また1から教えるの?で、また忘れるんだよね。
 いつでも私がいて、教えてくれると思っている。
 その姿勢がすでに終わってるっていうのに。
 熱が出てフラフラ、しんどいときに、夫のそばであれやれ、これやれ指示を出しながら、手際の悪い夫に調理させるくらいなら、最初から自分でやったほうが早いっての!

 私が倒れる前にできるようになってなきゃどうしようもないのに、危機感がない!私が倒れても、私が食事だけは作ってくれるとタカをくくっている。
 それって、すごい甘え。
 夫がそんなんだから、私はしんどくても休めない。熱が出ても休めない。
 
 どんなに夫が家事・育児に協力的な「いいお父さん」に見えても、結局、床に臥せっている妻に「お母さーん、ゴハンはー?」とせがむそこらへんのお父さんと大差ないんだよなあ。

 それに加え、夫の「家事・育児」のいい加減なことといったら!
 この梅雨の季節、ただでさえ洗濯物が乾かず困っているというのに、子どもがちょっとだけはいた、汚れていないズボンをぽんぽん洗濯機に放り込む、乾いたバスタオルの上に濡れたタオルを平気で置く。

子どものお迎えに行かせれば、居間と洗面所の電気をこうこうとつけっぱなしにしたままで出かける。
二階で休んでいた私が、体温計を取りに一階に下りて気付いたからいいようなものの、お迎え行って帰ってくるまで約15分間。
たかが15分かもしれない、けど、電気を気軽につけっぱなしにして平気なくらい、うちって裕福でしたっけ?
日々の私の節電って何?

いつもトイレの電気をつけっぱなしにするので、子どものうんちの片づけをしていた夫に、「ちゃんと電気を消しておいてよ!」と注意したそばから、トイレの電気を消し忘れる。あきれてものが言えない。
そもそも、なんで電気をつけなくても昼間十分明るいトイレなのに、電気をつけるのか。
「無意識で、癖で・・・」と言い訳する夫。
 無意識で、癖で電気はつけるのに、どうして、無意識で、癖で、消せないのかなあ?
・ ・・・ばっかじゃないのーーーー!?

 子どものランドセル、手提げ袋。
 帰宅後はその荷解きをします。洗濯するものは洗濯機へ。悠太のお弁当箱洗ったり、歯ブラシ・コップを洗ったり、連絡帳やプリントをチェック。
 「ちゃんと、荷ほどきした〜?」と夫にきくと、「したよー」と、当然じゃん、という口ぶりに信用、安心していたのですが・・・

 土曜日は家族参観日。
 子どもが持っていくものの準備をしようと、ランドセルを開けてみてびっくり!
 ループ付きタオルも、濡れたおしぼりの入ったおしぼりケースも、コップも歯ブラシもそのまんま、手付かずでランドセルに入っていたのです。
 おいっ!
 荷解きしたって言うのは、手提げ袋に入っていた着替えを洗濯機に入れただけじゃないか!

 唖然。そして、激怒!
 次の日が日曜日でお休みだったからいいようなものの、もし次の日も学校があったら、おしぼりもループ付きタオルもなくて困っていたところだったんだぞ!
 濡れたおしぼりをずっとケース内に放置して、おしぼりケースも雑菌繁殖し放題、同じくキャップをつけたままの使用済み歯ブラシだって、どうなっているか。
 きいいいいいいっ!!!

 子どもに学校に持たせるもの、その準備は、毎朝夫のいる目の前でやっています。おしぼりや、歯ブラシを持っていくことも夫は知っています。
 ランドセルを開けて連絡帳は出したのに、なぜ、そこに入っているタオルやおしぼりケースや歯ブラシ・コップを出さないのか?
 なぜだ???

 夫の得意文句、「言ってくれればやるよ」。
 君は私が、「ループ付きタオルは洗濯出してね、おしぼりケースからおしぼり出して洗濯出してね、歯ブラシはケースから出して、キャップをはずして、洗って、乾かしておいてね」っていちいち全部言わなければできないのか!?
 幼稚園児じゃないんだから・・・はあぁ。脱力、げんなり。
 ほら、私、安心して休めない。

 私がこう言うと決まって周囲は、「やってくれるだけいいわよ〜、十分じゃない」って言うんです。
 冗談じゃない!なぜ世間は、家事・育児を手伝う夫というものにこうも寛容なのか。
 家事・育児、主婦の、私の、大事な仕事です。
家族ができるだけ家で心地よく過ごせるように、当たり前に家でリラックスできるように、当たり前においしいご飯が食べられるように、心血を注いでいるんです。
 
 たとえば会社で、誤字・脱字だらけ、ミスだらけの重要書類を提出して、「やってくれただけで十分」なんて絶対ありえないですよね。
 それと同じだと思うんだけど。

 そりゃあ、専業主婦歴7年の私と同じことを夫に求めるのは無理があります。
 でもね、私が専業主婦歴7年なら、夫だって家事・育児手伝い歴7年なんですよ。その7年で、彼は進歩したのか?否。
 7年間で、作れる料理のレパートリーは増えたか? 否。

 私は、7年前と同じ要求を夫にしている。「トイレの電気は消して」「洗濯物は裏返しのまま入れないで」等々。
 毎日、毎日、同じことを言わせる夫。
 なぜ君は言われて、気をつけない?直さない?
 それが分からない。
 口うるさいだの、恐妻だのと、失礼な。私を口うるさくさせているのは誰ですか?私をイライラさせているのは誰ですか?
 君だよ、君。

 でも、本当に、私が倒れたらどうするの?



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