びっくり箱なふたり・悠太編

 2月の悠太のヨーグルト事件に続き、また、今月も悠太がやってくれました!

 悠太の食べ物の温度のこだわりは以前書いたとおり、温かくない食べ物・飲み物・お菓子類はいっさい口にすることはありません。いや、ないはずでした。
 先日の夕方のこと。台所にふらふらとやってきた悠太が、何を思ったか、ずっと手にしていたお気に入りの車のおもちゃを置き、目の前にあったバナナをふた房、持っていってしまいました。
「もう、何やってんのかなー」と思いながらもさして気に留めず、私は夕食の準備を続けていました。

 すると、光太がやってきて私の手を引っ張ります。
「どうしたの?」と引っ張られるまま光太についていくと、そこには!
 偶然に皮がめくれたバナナを頭からかじっている悠太がいたのです。
「うわーーーっ!」もう、驚きで目がテンです。悠太がバナナを食べてる!!

 この驚き、なかなか伝わりにくいかもしれませんが、言葉をまったく話せないうちの子が、いきなり2語文で喋りだしたのと同じぐらいの衝撃です。そんなことありえないですよね。そのありえないことが目の前で起こっている、そんな衝撃だったのです。

 食べやすいように皮をむいてやると、にっこにこ、満足げに少しずつバナナを味わっています。おいしかったんでしょう、そのうれしそうな顔といったら。
 私の叫び声に驚いて、あわてて風呂掃除を終えて出てきた夫。
「どうしたの?」
「いいから、これ見て、これ!」と夫の背中をぐいぐい押して、悠太の前へ。
 バナナをかじる悠太の姿を目にしたとたん、
「うわーーーーっ!」
 夫も文字通り、腰を抜かして驚いていました。もう、夫婦そろって大興奮。携帯電話のカメラでバナナを食べる悠太を激写しまくりました。その数、夫20枚、動画も3本。
(バカな親ですねえ・・・)

無心で食べる悠太 おいしー! まったり悠太


 光太が私を引っ張ってきたのは、どうも、悠太だけがバナナを食べているので自分も食べたい。「ボクもちょうだい」ということだったようです。
 夕食前でしたが、そんなこともうどうでもいい。「食べんちゃい、食べんちゃい!」

 このバナナ事件でもうひとつ驚いたのは、悠太が、丸ごと一本のバナナを「前歯でかじる」動作をしたこと。
 実は、今までこうやって「大きなものを適当な大きさに前歯でかじって食べる」ということができなかったのです。とにかく、ある程度大きなものでも全部口の中に無理やり押し込んで食べようとします。光太もそうです。なので(主にお菓子を食べるのは光太ですが)、おせんべいにしろ、ビスケットや菓子パンにしろ、すべて一口大にしてあげていたのです。
どうして前歯でかじることをしないのだろう、なぜその発想ができないんだろう?
どうやたら分かってもらえるんだろう?この心配はずっと重くのしかかっていました。
「こうすればいいんだよ」と言葉で教えても分からない悠太と光太に、「前歯でかじってごらん、食べやすいよ」と伝えるすべはありませんでした。

 けど不思議なことに、自然とできるようになるものなんですね。
2月に行った発達相談のカウンセリングの先生が、「食の問題は、そのほかの発達と切り離して考えることはできない」とおっしゃっていたのを思い出し、納得です。
 今成長著しい悠太ですが、全体的にいろいろと発達すればおのずから食に関しても発達するんですね。

 毎度毎度、びっくり箱な悠太。自分の力でどんどん壁を乗り越えていっています。
その成長や変化が大きな驚き、喜び、幸せを父・母にもたらします。

 ゆうくん、次はどんなプレゼントをくれるのかな?




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