お疲れさま


 春のクラス遠足がありました。
 悠太と光太は別々のクラスですから、遠足も別々です。19日は光太のクラス、20日は悠太のクラス。
 お昼までの半日遠足で、子どもたちは園へ帰ってから給食。母親の負担は随分軽いものだったのですが・・・2日連続はさすがにハードでございました。

 まずは光太のクラス。
 光太は、秋のクラス遠足が雨で中止だったため、園外遠足は初めて。「今(園に)来たばかりなのに、なんでまたすぐバスに乗らなきゃいけないのー!?」うわーんっ、と大暴れ。「イヤだ、ボク、乗らない。乗りたくないっ。園庭で遊ぶのっ」
そりゃ、理解できんわなあ。でも、バスに乗るんですっ。あんたは一人留守番するつもりか!みんな、抵抗なくバスに乗っているというのに・・・
はー。しょっぱなから、ぐったり。

バスに乗ってしばらくすると、落ち着いた様子。しかし、行き先は初めての場所。大丈夫なんだろうか・・・
10分もしないうちに、目的地の公園に到着。
母の不安をよそに、「おっ。なんだ、ここは。ここで遊ぶんだね!」と光太はにっこり、ダッシュ!
タコの形の滑り台があり、光太はニコニコ、長い間夢中で遊びました。
楽しく遊べて良かった!母もほっとしました。

再びバスに乗って園へ戻ると・・・
今度は、バスでおうちへ帰るものだと思い込んでいたらしい光太、「なんで園に帰ってくるんじゃー!」と大暴れ。
いつもは「おなかすいた〜。給食まだですか?」とやる気満々で席に着く光太が、給食を見てもお部屋へ入ろうとしません。これは相当、混乱しているか。
こうなったら、情けないながらも、母はギブアップ。先生、まかせた。じゃあね、光ちゃん!
結局、しばらくすると落ち着いて(あきらめて?)、ごはんもちゃんと食べたようです。

滑り台を楽しむ光太 はしごを登りながらニッコリ。

翌日は悠太のクラス。
悠太のクラスは、秋の遠足に続いて、園外遠足は2度目。2度目とあってか、事前に「バスに乗るよ!」とバスの写真カードをしっかり見たせいか、悠太は納得した顔でバスに乗り込みました。
さすが、2度目!経験ってすごい。最初は、前日の光太のようにバスに乗るのに大抵抗だったもんなあ。

と感心したのもつかの間。
目的地の公園に到着して、バスからおりるや「抱っこ〜!」
あんた、秋の遠足のときには歩いたじゃん!「初めての場所なのに、よく歩けたね。頑張ったね」って褒めたのに・・・なぜ、2度目ができんのじゃ。
「ほら、歩けっ!置いていくぞ!」
「いやだーっ。抱っこー!」泣きながら座り込む5歳児、112センチ・17キロ。
わかったわよっ。おんぶしてやるからっ。くうううっ。

そして・・・どこに行っても、あんたの遊びは同じなのね。おもしろそうな遊具には目もくれず、黙々とひたすら砂遊び。いいんだけどさ。写真とれないじゃん。写真撮ってもおもしろくないし。もちっと笑えや、コラ。
ということで、この日の悠太の写真は無し。張り切ってデジタル一眼持って行ったのに〜。


このクラス遠足をもって、今年度のクラス行事はおしまい。年長さんのお母さんとはこれでお別れでした。
二人が別々のクラスで、クラス行事も2倍、ちょっとしんどいなと思うこともあるけれど、2倍のお母さんたちと知り合えるのは、すごーくラッキーです。

ある年長さんお母さんの、印象に残っている言葉。
「こういう(ハンディのある)子どもがいると、どんどん卑屈になっちゃうよねー」
後ろ向きともとれる発言。それを、「あっはっは〜」と笑いながら、あっけらかんと言っちゃう。堂に入っている、突き抜けているのですよ。

ガツーン、です。
子どもに障害があるからって、卑屈になんてなる必要はない。胸を張って、堂々としていればいい。
な〜んて・・・実は卑屈の塊のくせして、前向きなふりをしていた自分が、あっけなく崩れた瞬間。
なんてかっこいいんだろう、この人。
そうよ、いやでも卑屈になるわよ。だって、実際ハンディ背負っているんだもの。それを、そんな自分を笑い飛ばせばいいんだ。否定する理由なんてない。卑屈な自分を受け入れればいいんだ。
痛快でしたねえ。

悠太のクラスも、光太のクラスも、いいクラスでした。もっともっと、お母さんたちとお話したかった。
特に、悠太のクラスのお母さんたちとは、涙、涙のお別れでした。
その涙、お母さんが抱える不安が手に取るようにわかります。
これ以上ないというくらい、至れり尽くせりだった通園生活から、新しい小学校という世界へ我が子を送り出さなければいけない。普通学級、障害児学級、または養護学校と進路は様々ですが、その母親が抱える不安は、何のハードルもなく小学校へ入る健常児の母親の不安とは桁外れのはずです。
1年以上前から、我が子に一番適した環境はどこか悩んで、悩んで。学校見学をしたり、教育委員会との交渉があったり・・・その上で、ベストの選択だと信じて進路を決める。それでも、我が子はその環境になじめるのか・・・怖いです。
それは、まる1年後の自分の姿でもあるのです。

25日に卒園した年長さん。
みんな、どうか、新しい世界で楽しく過ごせますように。


26日、3学期の終了式でした。
二人とも、よく頑張ったね!お疲れ様。いつもより2割増しの笑顔で二人を迎えます。
子どもを車に乗せ、出発。そして、いつものように信号待ちの間、園から持って帰ってきたお手紙を見ようと、お手紙ホルダーを開くと・・・なにやら、園からのお便りが。4月からの給食献立表と・・・なんだ、これ。
もう一枚のプリントを見て、愕然。3月いっぱいで退職される先生が3人も!
おいおい、まじかよ、さっきバスの添乗で「さようなら」したばっかりの先生、本当にさようならだったのー!?
そして、さらにショック。悠太のクラスの担任の先生の名前が。なにこれ。聞いてないよー!
おまけに、この日の終了式の後に離任式もあったらしい。離任式の後にお知らせもらっても、仕方ないじゃんっ。

車のハンドルを握りながら、涙がぶわっと出てきました。
ただでさえ、年長さんのお母さんたちとのお別れで寂しいってのに、なんで先生までいなくなるのー。そりゃないよー。
自分でもびっくりするくらい、動揺してしまって。
園に電話しました。退職される悠太の担任の先生を呼び出して、「先生、どういうことっ!」問い詰めましたとも(普通そこまでしないんだろうけど・笑)。
聞けば、良縁あって他県に嫁がれるとのこと。
うっ・・・そういうことなら仕方ないか(遠恋がキツくてとっとと結婚した私)。
お世話になったお礼を言って、電話を切りました。

その先生に限らず、大好きなのです。K学園の先生みんな。
先生みんなが、悠太・光太を、K学園の子どもたちみんなをかわいがってくれる、大好きでいてくれるのと同じ。
4月からも当然、同じ面々が悠太・光太を「おはよう」って迎えてくれるのだと信じて疑わなかった。

K学園の先生たち、結婚適齢期の方がたくさんいらっしゃるんですが、どうか、結婚されるときは、お相手は近くの方にしてくださいねー。
あ、なんだかんだいったって、来年はうちが卒園か。そんなのいやだーーーっ!


年中さんの1年間が終わってしまいました。
この1年で大きく成長した二人。
年中さんの初めの4月に年間目標をたてていたのですが、終わってみれば、悠太はその目標をほとんどクリアしていました(といっても、その目標が「抱っこやおんぶではなく、目的地まで自分の足で歩く」とかそういうレベルなんですが・笑)。
4月当初、小さい子の動きにビクビク、大きい子におどおどしていた光太は、大好きなお友達をつくり(一方通行の愛ですが)、おもちゃや幼児雑誌の取り合いをして対等に張り合えるほど、強く、たくましくなりました。

4月からはとうとう、年長さんです。
二人がどんな頑張りを見せてくれるのか、楽しみ!
その前に横たわる、短くも長い春休み。
嗚呼。



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