シーズン到来


 凹むなあ。
 何が凹むって、子供たちが持って帰ってきた一枚のプリント。10月の終わりにあった内科検診の結果のプリントです。検診の結果は異常なしで、それはよかったのですが、そのプリントには身体発育曲線の表があったのです。
 うっわー、身体発育曲線なんて久しぶりに見た。
 小さいお子さんをお持ちのかたなら、母子手帳などで見たことがあると思うのですが、身長に対する体重の標準値があって、そのプラスマイナス15パーセントの帯が標準枠。
 悠太はその標準枠内(それでも標準値以下)にいるのですが、光太。この標準枠の下限ラインすれすれ、っていうか、すでに標準枠外かも。はー。

 身体発育曲線を最後に気にして見たのは、2歳の頃かなあ。
 超未熟児で生まれた二人がどんどん大きくなって、曲線の枠内に食い込んだときの喜びといったら。生後4ヶ月で悠太は枠内に、光太は生後6ヶ月でようやくでした。
以後、悠太は安定して標準枠内をキープ、光太はいつも下限ラインすれすれで心配したものでした。
けどその心配も2歳まで。順調に大きくなってくれている二人に、少々痩せていても何を心配することがあろうかと。というより、その頃は障害の心配のほうが大きくて。

しかし。こうして久々に身体発育曲線を突きつけられてみて。
はー。光太、あんたは相変わらず痩せっぽちじゃのう。
去年11月、光太が入園当時の体重が14キロ。その後、冬場に体調を崩しまくって13キロまで落ちた体重がようやく春以降戻り始めて、よしよしその調子!とうほうほしていた矢先、みごとな足踏み状態に。8、9、10月と3ヶ月連続14.6キロと微動だにせず。100グラムも増えないってどういうことですかー!?
給食もよく食べて、夜なんかコメ1合ぶんのごはんをぺろり、180グラムのハンバーグをぺろり。あんなに食べているのに・・・
11月になってやっと14.7キロ。
やれやれ。1年たって結局増えたのは700グラムぽっちかい。ちなみにこの体重、3歳の女の子の平均体重だそうです。光太、君は5歳の男の子。

分かっちゃいるんです。標準値なんてどうでもいいこと。元気で健康。何よりじゃないですか。痩せているのは体質。父ちゃんがあれだもん。夫、会社の健康診断では必ず「痩せすぎ」で引っかかる人ですから。
でもやっぱり、「標準」って言われると安心するし、標準から外れているとがっかりしちゃうんだなあ。
あんたたち、オツムは思いっきり標準外、規格外なんだから〜。
子供が「大きくなる」って、本当に大仕事なんですよね。


そんなこんなで、日々「大きくなーれー」と念じ続けているのですが。
 来たよ。来ましたよ。今年も、早くも風邪のシーズン到来です。昨シーズンの地獄の苦しみの記憶もさめやらぬというのに。
 インフルエンザの予防接種も無事済ませた矢先。
 その予防接種を打った、滞在時間たった10分の内科でウィルスをもらったのか、夫、月曜日の早朝から嘔吐下痢症を発症です。
 今までは子供が最初にかかって、その世話をするうちに夫にもうつってしまう、というパターンだったのですが・・・大人が一番先にかかってどうするよ。夫も、自分が一番にダウンしたのが結構ショックだったらしく。
 子供にうつったら大変!と夫を急いで2階の部屋へ隔離したものの、光太、夫を見つけてにっこり。夫と一緒の布団に入ってべったり〜。あーあ。「お父さんのそばに行かないよ、うつっちゃうよ」なんて分からないもんなあ。

 夫のがうつったのか、はたまた夫と同じときにウィルスをもらっていたのか。
 光太も翌日、火曜日の夕方から嘔吐が始まり、ダウン。悠太も深夜から嘔吐が始まってしまいました。
 今回のはかなりきついらしく、夫いわく、「これ、おじいちゃんになって抵抗力が落ちたときにかかったら、死んじゃう」そうです。

 子供も、下痢もさることながら嘔吐がひどい。光太はだいたい1日で嘔吐がおさまったのですが、悠太はまる2日吐き続けました。のどがかわくらしく、ミルクやお茶、お風呂のお湯を大量に飲んでは吐いてしまいます。
 もー、悠太がね、涙をぽろぽろこぼしながら、顔を苦痛にゆがませて、気持ち悪さを耐えているのです。で、私の手をずっと握っているのですよ。まるで、「お母さん、助けて。そばにいて」と言っているかのよう。
 背中をさすってやると、気がまぎれるのか、少し落ち着いて泣き止みます。
 光太はこういうとき、「あっち行け!さわんないで!」の人なのですが・・・

 嘔吐がおさまった金曜日には、ようやくにっこり。まだ下痢は続くものの、食欲も出て落ち着いてきました。
 はー。お外はいい天気。
 予定ではこの日、夫も会社を休んで七五三参りに行くはずだったのですが、当然キャンセルです。

 それにしても、なぜ私はこんなに、子供のゲロやうんちにまみれていて無事なのでしょう?ゲロもうんちも、結局素手で処分ですよ。もう、手につくとか、そんなこと言っていられません。
 さすがに、食欲なくなったり倦怠感はありましたが、それだけ。
 まあ、無事で何より、私まで倒れたらどうにもならないもんなあ。
 それにしても、今シーズン第一発目が嘔吐下痢症なんて・・・これから先が思いやられます。どうかどうか、なるべく元気で過ごせますように。


 土曜日になると、すっかり元気でごきげん。光太はもちろん、まだ下痢の続く悠太も治ったつもりになって、朝から靴下を手に「お外行きます!」
 えー、だめだよー。まだおなかぴーぴーじゃん。
 と言いながら・・・うーん。悠太も光太も気力十分!といった感じ。昨日行けなかった七五三参りも気になるところ。夫ももう、平日にお休みはとれないと言うし。
見切り発車というより暴挙に近いかもしれないけれど・・・よーし、行っちゃえ!

 ということで、行ってきました七五三参り。男の子5歳、最後の七五三です。広島市でもっとも大きな神社、参拝客も多い護国神社ときばりました。
 だってね、この日のために子供のスーツも2着買って、靴も新調したのです。
 スーツは120センチのもの。カッターシャツの色を悠太はブルー、光太はピンクにしてみました。
悠太の身長はまだ110センチ程度なので大きめではあるのですが、あはは、結構いけてるじゃん。っていうか、はまりすぎ。このまま会社へご出勤?
 悠太、着慣れないカッターシャツや初めてのネクタイ、サスペンダーも抵抗ない様子。
そんなことはどうでもいい、早くお外行きたいの。
光太はカッターシャツに「いやーんっ!」少々てこずりましたが、なんとかなりました。悠太より背も低く、もともと痩せっぽち。そのうえここんとこほとんど食べていない光太、スーツの中で泳いでいます(涙)。
でも、かっこいいよ!

あいにく、この日の天気は今にも雨が落ちそうな曇り空(帰宅の途中から雨が降り出しました)。それでも、神社は七五三参りの参拝客でいっぱい。いい雰囲気です。着物姿の女の子、スーツ姿の男の子、たまに和装の男の子もいます。みんなかわいい!
3歳のときには、悠太・光太のことを思って平日の人気のない神社を選びましたが、こんなふうににぎわう神社もいいものです。こう、みんなと普通の子と同じようにお祝いしている、って感じがいいんだなあ。うれしい。
盛り上がる母にひきかえ、初めての場所に悠太も光太も不安顔。抱っこ・おんぶでしがみつきます。七五三なんて分からない悠太・光太にしてみれば迷惑な話。いつもの公園に行くほうがいいよね。けど、母のため、ちょっと我慢してね。

子供を抱っこ・おんぶしたまま、なんとかお参り。元気で大きくなりますように。
しかし、背中の光太は、神社独特の雰囲気や流れている雅楽にすでに臨界点。光太は夫とともに神社のそばの公園へ避難させます。

表情の硬かった悠太は、一面敷きつめられた砂利を見るなり、目がキラリ〜ン!抱っこからいそいそ下りて、砂利遊びを始めました。ふっ。一張羅を着てもやることは一緒ね。悠太よりも小さな男の子が、そんな悠太を「いけないんだ〜」とじろじろ。私は、今がシャッターチャンス!と夢中でカメラを抱えてパシャパシャ。
その後、悠太はお清めのお水場に気付き、ひゃっほー!大喜びでお水に手をつけては、お水をなめます(笑)。ほかの子は、「お水、冷たいよ〜」と手を洗うのを嫌がっているというのに。ほんと、砂遊びとお水。どこでもやることは一緒なんだから。

砂利で遊ぶ悠太を撮影するお母さん


さすがに手が冷たくなった悠太。「お水おしまいだよ」と誘うと、すんなりお水から離れてくれました。そして、公園の光太と合流。
公園でも、うきうき、ノリノリの悠太。大喜びで走り回ります。3日ぶりのお外、よほどうれしかったんだねえ。
光太はやっぱり、夫にしがみついています。そんな中、なんとか夫も光太の写真をとってくれました。
帰宅の車に乗ると、光太もようやくにっこり。光太、お疲れ様。ありがとね。
その車の中、悠太がうんち。うひゃー、ゆるゆるだー!

悠太、スーツが決まってるね


光太も決まってます お家でリラックス


いつもの二人の笑顔が戻った日曜日。
いつもの甘えん坊光太に、いつもの困ったちゃんの悠太。
悠太はお父さんの肩ぐるまがブームらしく、すきあらばお父さんによじ登り、うひゃひゃ。お父さんの頭をたいこのごとくバシバシ叩いています。
夫は、「もー、悠ちゃん、やめてよー!やめてよー!」とむくれています。
 たまねぎ好きの悠太は、私が台所で料理をしているそばにこそ〜っとやってきては、三角コーナーの中からたまねぎの切れっぱしや白菜の芯を盗んでいきます。
「あ、こら、悠太―!」
 食いしん坊光太は、親の食事が始まるや、「ここがボクの指定席!」とお父さんのひざに座り、親の食事をつまみ食い。悠太も参戦して、から揚げをかじったり、お父さんのお味噌汁のねぎをつまみます。
 もー、ちっとも落ち着いて食べられないじゃないかー!

 でもそれが、いつもの幸せな光景。いつもの我が家。
 元気になってよかったね。



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