ふられた光太


 7月に入りました。
 今年は蒸し暑いながらも気温の低い日が続いたのですが、ようやく悠太・光太の通うK学園でもプールが始まり、光太は大喜び!(悠太のクラスは10日からだそうです)。
 まさに、水を得た魚。やっぱり夏男だねえ。
 今年も二人して真っ黒になるんだろうなあ。楽しみ、楽しみ。

 7日は七夕。
 園でも七夕会があり、イベント好きな私はちょこっと覗きに行ってきました。
 悠太はうれしそうに走り回っていたのですが、光太は先生の背中に張り付いて苦痛の表情。母が声をかけるなり、助けて〜!とばかりにしがみついてきました。
 いつもと違う流れは、やっぱり苦手なんだなあ。
 私はカメラ持参で、すきあらば悠太・光太の写真を撮ろうと思っていたのですが、ずーっと光太をおんぶしていたため、結局カメラの出番はありませんでした。残念。

 七夕会も終わり、ずっとおんぶの光太をそのままクラスのお部屋へ送っていきました。
 お部屋へ帰ると、「助かった〜!」とやっと表情が弛み、母のおんぶから下りて、そそくさと椅子に座ります。そうそう。そうやって待っていたらもうすぐお昼ご飯だもんね。
 母は用無し。
 そのまま少しだけ光太の様子を見ることにしました。

 光太は、隣に座っている年少さんの男の子の髪の毛がとっても気になる様子。短く刈られていて、やわらかくてひよひよの髪の毛。確かに気持ちよさそう。光太の気持ち、分かるなあ・・・ 
光太は自分の頭を触りながら、そのお友達の頭を触って、その触り心地を比べっこ。
でも、お友達は光太に触られるのがイヤで、お気に入りの帽子をかぶって光太の手を懸命に阻止します。
割とあきらめの早い光太なのに、この日の光太はしつこかった!
「触らせてよ〜」
「やめてよーっ!」
嫌がられようが猛烈にアタック。
髪の毛だけが気になるのかと思っていたのですが、どうやらお友達そのものに好意を抱いている様子。光太よりも一まわり、二まわりも小さいお友達を、なんともいえず優しい目で覗き込んで、ご機嫌を伺います。
こんな表情をする光太、初めて見ました。
そして、まるでセクハラ親父のように、イヤがるお友達の体を触ったり、手をつなぎにいったり。光太、めいっぱいの「スキ、スキ」をアピールするのですが・・・
お友達にとってはたいそう迷惑だったらしく(笑)「やめてっていってるでしょ!」と逆襲!
あーあ、光太、ふられちゃったねえ。

ここらへんが、光太が光太である所以。相手の気持ちを想像することができない。嫌がられていることが分からない。
けど、たとえ片道のコミュニケーションでも、一生懸命好意を伝えようとしていた光太、すごい!それも大人ではなく子供に。相方の悠太にさえ、手をつなぎにいったことなんかないのに〜!

たまに園に遊びに行くと、こんなふうに、見たことのない子供の顔が見える。おどおど、びくびくしているだけかと思ったら、家族とは違う集団の中で、頑張って、居場所をつくって、生き生きしている。
きっと、もっともっと私や夫が知らない顔をしているんだろうなあ。そして、その知らない顔はこれからどんどん増えていく。
光太の全部、悠太の全部を知りたいけど・・・知らなくてもいいのかも。親の知らない顔を持つことも、大きくなっていっている証拠だろうから。
でもたまには、覗き見させてね〜

ちなみに、光太は別のお友達の「唇」も目下のところお気に入りらしく、その子を探し当てては、唇を触りに行っているそうです。えらくピンポイントの好意(笑)

お家でリラックス 光太


さて、ある晩の悠太。
寝つきは早かったのですが、11時過ぎに目が覚めてしまいました。むくっと起き上がって、端っこで寝ていた私の側へやってきたのですが・・・「お父さんじゃなーい!」と大ショック。この日、たまたま私は夫がいつも寝ている場所で寝ていたのです。
何度もお父さんじゃないことを確かめては、物言いたげに黙り込みます。
夫は帰宅していたものの、パソコンで遊んでいて寝室にはいません。あまりに悠太が戸惑っているので、夫を呼び、悠太の相手を代わってもらいました。
お父さんの姿に、心底ほっとした顔の悠太。どうやら喉が渇いて、ミルクが欲しかったようなのです。
そんなー、ミルクくらいお母さんだってつくってあげるのに〜!
「時間外」のお願い事はお父さんと決めている、というか分かっているのです。お母さんだったら、「ダメ!」と言われる確率が高いこと。

相変わらず「お父さんラブ」の悠太(もちろん光太も)。甘えるのも体当たりなら、何かがうまくいかなかったり、思うようにならなかったりしたときの八つ当たりも相当なもの。カッと目を見開いて、「キーーーッ!」と叫びながらしがみついて、爪をたてます。おかげで、夫の生傷は絶えません。
もともと荒っぽいほうではないし、クラスのお友達に手を上げることもない。私に対しても、同じように「キーーーッ!」と爪をたてにくることはあっても、実は「ふり」だけで、力を物凄く加減しているらしく、夫のように血を見ることはありません。

子供にとって親とは、自分の全部を理解して欲しい存在なのだそう。言わずとも全部分かっていて当然、と思っているそうです。
うちの子二人にとって、お父さんは、そうやってまるごと自分の全部を受け止めて欲しい存在なんですね。安心してぶつかっていける存在。
それにひきかえ、私は・・・夜中に「ミルクつくって」すら言えない存在かー。
複雑じゃのう・・・

お母さんにチューする光太





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