おとうさん だいすき


 6月に入る前から、「父の日っていつだったっけ」と何度も繰り返し尋ねていた夫。
(念を押しているわけではなく、すぐ忘れちゃうだけなんですけどね)
念願の父の日を前に、悠太・光太がそれぞれ園で製作した父の日のプレゼントを持って帰ってきました。
悠太は手作りのカード、光太は、粘土におはじきを埋め込んで作った、ペンたて・カードホルダーです。
夫、ご満悦♪


私はちょうど、悠太がカードを作る過程を見ていたのですが・・・
これがまた、やる気がないったら(笑)。「おとうさん」「だ」「い」「す」「き」の文字パーツを台紙に張って欲しいのですが、何かを「やらされる」雰囲気を察してか、ちらっと見てはす〜っと逃げてしまいます。
「ゆうちゃーん、これ、ぺったんしよう」
先生と母が何をやらせようとしているか、なんとなく、悠太も分かっているはずです。
で、あさってのほうを見ながら貼り付けてできたメッセージ。

写真カードを引張るとメッセージが出てきます


これじゃ、なんのこっちゃ分からんがな。
でもこれが、今の悠太のせいいっぱい。悠太らしい(?)作品になりました。

視界のすみっこに入ったか入らないか、半強制的に誘導されて出来上がった作品でも、悠太本人はちゃーんと覚えていて、「おっ、これ、オレがつくったんだよ!」という自負があるんです。
「これ、オレの!」いやいや、これは君からお父さんへのプレゼントだからね。

私からは、夏用のルームウェア上下セットをプレゼント。
夏場になると、家にいるときはTシャツにパンツ一枚。暑いのは分かるけど、下がパンツだけってのはどうよ。どこのお父さんもそんなものなのかしら。
ちょっとあてこすり的ですね。パンツ一枚はやめてね、ということで(笑)。


父の日イブには、療育センター附属の通園施設のお父さんたちの会の親睦会にお誘いいただいて、夫は楽しい時間を過ごしたようです。
悠太・光太は違う園に通っているため、実は部外者なのですが、このHPを見ていただいているお父さんから、住む地域が同じということもあり、お声をかけていただというわけです。私は一も二もなく、「行っておいでー!」

障害を抱える子供を持つ母親同士の集まりは、園に通っていればいくらでもあるけれど、父親の集まりは初めて。
最大の関心ごとである「子供」のことで、愚痴を言ったり相談しあったり・・・そんな母親同士の関係はとっても楽しい!参考にもなるし、励まされたり、いつも他のお母さんたちから元気をもらいます。
そんな時間をぜひ夫にも味わってもらい!

果たして、夫はジョッキ3杯のビールを飲み、子供の話題その他もろもろで盛り上がり、お父さんたちからたくさん刺激を受けたようです。

翌日の父の日当日、夫ダウン。
普段はビールもコップ一杯の夫が、ジョッキ3杯も飲むから〜(笑)「だって、おいしかったんだもん」まあ、そうよねえ。
前日のお酒と、日ごろの疲れが重なってしまったようです。
いつもは風邪ひこうが、インフルエンザにかかろうが、食欲もあり、子守もできる夫が、布団に横になったまま動けないでいるのです。
これには、夫もいたくショックを受けたよう。
そうそう、あなたももうすぐ30歳。体に出てくるのよー。いつまでも20代の体力だと思ったら、大間違いよ〜!

普段の休日は、夫に「あれやって」「これやって」と当然のごとく仕事を頼みまくり、ちょっとでも手抜きをしようものなら、ぶーぶー文句を言う私ですが、死んだように眠り続ける夫に、さすがにぐっと我慢!(かなりの忍耐を必要としましたが)
父の日は夫の休息日となりました。

夫の日々のストレスは相当なはずです。
なにせ、夫の稼ぎ一つで家族4人生活すべてを支えているのです。これって、実はすごいこと。あれもこれも、夫あっての私たち家族。
私が子供を守らなきゃ、大きくしなきゃ、と感じる責任や重圧、それ以上のものを夫は抱えているはず。
「重荷じゃない?」と尋ねると、「あんまり考えないようにしてる」とニコニコ。

1日中悠太・光太のことを考え、生きているような夫ですが、夫の今の生活における、悠太・光太の割合は7割だそうです。
残り2割が仕事、1割がその他もろもろ(私もこの中。ぶーぶー)。
夫の情熱の2割で、一家4人が食べているというのもすごいことですが(笑)。
もし、悠太・光太に障害がなかったら・・・「子供」の割合は6割、もし子供が双子でなかったら、5割だったかもね、なんて話をしたことがあります。

夫の「2割」の仕事。
仕事のストレスから、夜中、寝言でぼそぼそつぶやいていたり、眠れず深いため息をついていることがあります。
あー、大変なんだなあ、と思いながらも、翌日そのことを指摘すると、恥ずかしそうに「うるちゃいっ!」と笑顔でごまかします。
家族の前では笑顔を絶やさない夫ですが、1人のとき、ふっと素の顔を見せることがあります。疲れて、ちょっと恐い顔。
きっと、そんな顔をしているのは見られたくないんだろうなあ、そっとしておいてほしいんだろうなあ、と思いながらも、意地悪な私はじーっと見つめてしまいます。私の視線に気付くと、照れ隠しにニコッ。

子供にも私にもいいように使われて、それでもいつも家族の前ではニコニコして。家族のために働くことを当然のごとく受け入れて、文句も言わず、自分のことはいつも後回しで。それでも、「おうちが一番」と言ってくれる夫。

そんなおとうさんが、悠太も光太も私も、だいすき!


さて、最近の特筆すべきことは、光太のハイテンションぶり。もー、すごいのなんの。1日中笑っています。起きた瞬間からゲラゲラ笑って、寝るまで笑い続けています。
箸が転んでもおかしい年頃?
何をしていてもおかしいらしく、目が合えば爆笑、悠太が笑えば爆笑、そして今のお気に入りはテレビのサッカー中継の映像。人が動く様子がおもしろいのか、お腹の皮がよじれるほど笑っています。
 まあ、なんというか・・・平和でいいですね。

 そんなんだから、いつまでたっても太れないのよ、と思っていたのですが、はかせようと思った90センチの半ズボンが、太もも、お尻がぱっつんぱっつんでびっくり!
 細い、細いと思っていたのに、ちゃんと大きくなっていたのね。


 先日、園で先生を囲んで保護者学習会がありました。それぞれが子供に関するいろんな質問を先生にぶつけていくのですが、私は光太の聴覚過敏のことを質問しました。
 お店に入れないこと、幼児番組やビデオを恐がって見られないこと・・・
 先生は、「これができたら、光ちゃんじゃなくなってしまう」と笑いながらもばっさり。
 これ以上の答はないですよねー。
 聴覚過敏に色んな方法で対処していくのは、もう少し大きくなってから。
 音が恐くてお店に入れない、ビデオはこわいからキライ。そのまるごとが光太なのだと、光太がもつしんどい部分もまるごと、「光太」という1人の子供をつくる大切な要素、個性なのだと、改めて納得しました。

 光太は、光太だからかわいいのであって、確かに、別人のように、何の問題もない、理想どおりのいい子なんて、つまんないかも。
 もちろん、悠太だって、悠太だからかわいい。どうしてスパゲティを頭に乗せなければいけないのか!?と突っ込みたくなる、ため息をつく、疲れる。けど、そこがかわいい。
 
 どんどん、理屈が必要じゃなくなっていく。
 先生方の術中にまんまとはまっている、とも思うけど、それが痛快でもあり。
 きっと、それでいいんだろうな。

梅雨の一日。豆遊びに夢中の悠太と読書する光太



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