GW 2006


 今年の我が家のゴールデンウィークは、4月29日に行われた子供の通うK学園の運動会で幕を開けました。
 去年の運動会は、家族揃って嘔吐下痢症でダウンしてやむなく欠席だったため、今回が正真正銘、初めての運動会です。
 この運動会は、K学園を運営する社会福祉法人の法人全体の運動会とあって、お子ちゃまたちだけでなく、通所施設や入所施設、グループホームの大人の方たちも一緒の大掛かりなもの。会場は園の近くの小学校の運動場。
 初めての場所に、たくさんの人、大きな音。
 これだけ悠太・光太の苦手要素が集まっての運動会ですから、まあ、二人の反応は想像するに難しくはなかったのですが・・・とほほ。
 結論から言うと、子供たちの参加は午前中だけだったのですが、その半日ほとんどの間、私と夫は子供たちをおんぶに抱っこでした(涙)。

 光太は、会場の小学校に入る前から、普段通らない道にブーイング。小学校に入ると不安は頂点に。もー、お父さんの背中にしがみつき、目をぎゅっとつむり、現実逃避です。
 一方悠太は、最初は割とごきげん。意気揚々と車から降り、ニコニコです。馴染みの先生にニッコリ、校庭にはためく万国旗にニッコリ。しかし・・・
 「やっぱり恐いよ〜!」とおんぶ。
 校庭の遊具で元気いっぱいで遊ぶ子供たちを尻目に、親の背中にしがみつく二人。
 とほほ・・・

 入場行進ももちろんおんぶ。開会式(長いっ!)の間中も、ずっとおんぶ。
 うー、重たい(ちなみに、そのとき私がおんぶしていたのは悠太)。暑い。しんどい。疲れた。母がへたれると、すぐさまそばにいる先生に「おんぶ〜」とおねだり。
 でも、準備体操のラジオ体操は、訳も分からないままやらされてました(笑)。

ラジオ体操をやらされる光太(左)、悠太(右)


 子供の種目の1番目はかけっこ。ゴールで待つお母さん(またはお父さん)めがけて走る!というものなのですが・・・
 光太、スタート地点から何が何でもお父さんにしがみついて離れようとせず、結局そのままおんぶでゴール。
 悠太、1歩進んで立ちすくみ、2歩進んで立ちすくみ。私が悠太から1メートルほど離れたところから誘導して、なんとかゴール。はー。

大きな音イヤだよー どうにかゴール


 次は親子競技(内容は省略)。最後、ゴールにいるアンパンマンにご褒美のお菓子をもらいます。しかし・・・
 待ち時間からずっとおんぶの光太、現実逃避ですでに私の背中でウトウト・・・普段、めったなことがない限りお昼寝もしないのに、なぜこんな午前中の早い時間に寝息をたてているのーっ!
 寝ぼけて何のこっちゃ分かっていない光太とともに、競技に参加。
 ゴールに向かってとぼとぼ歩き、アンパンマンの目の前でうつむき、うなだれる光太。お菓子をアンパンマンからなんとか受け取りますが・・・次の瞬間、ポイッ!捨てちゃった〜!あああ、なんてことするの、光太!
 一方悠太は、お父さんとともに、ニコニコで競技に参加できたようです。

光太、アンパンマンだよ。 お菓子をもらったよ。


 最後は親子でリトミック。
 しかーし!結局ずーっとおんぶだし。体力の限界なんてとっくに越えてるし。本当に泣きそうでした。
こんなに長い間子供をおんぶしていたのなんて、初めてで。いつぞや、光太がおんぶでないと寝なくなったときすら、最長1時間だったもんなあ。この日は、インターバルがありつつも、まるまる3時間。それも、ただでさえ不安がっている子供のご機嫌をとるために、必要以上に跳んだりはねたり、大サービスだったもの。

 運動会って、普通は、親が子供の成長を垣間見ることができるいいチャンスじゃないですか。のんびり観覧席から子供の姿を応援して、かわいい我が子をビデオや写真で撮って・・・
 で、なんで私がこんなに疲れ果てているのー!
 まあ、のんびりちゃんたちの運動会は親子参加が当たり前なのですが、それでも、他の人はお母さんと子供が競技に参加して、お父さんがそれをビデオで撮っていたりする。子守をお父さんにまかせて、お母さんは休憩できる。それがすごーくうらやましくて。
 うちは子供が二人。1人に1人つかなければいけない。気が抜けない。もちろん、ビデオ撮影する余裕なんてない。うちだって、へたれな息子で、ふてくされた顔していても、それでも、初めての運動会。ビデオで記録残したかったなあ・・・
 でも、夫はそんな中でもちょっとしたチャンスがあるたびに、子供ひとりを背中に抱えつつ、写真を残してくれました。感謝!

 結局、親が疲れて終わった運動会。
 でもまあ、悠太・光太も初めてのことで、本当に何も訳が分からなかったはず。それでも、親の背中にしがみつきつつも、頑張って(きっと、すごーーーく頑張って)、泣くこともなく、「帰ろう」と困らせることもなく(車が遠くにあるので、どうやって「帰ろう」をアピールするか分からなかったのだとは思うけど)ちゃんと参加することができました。えらいぞ!

 運動会翌日は、私、長時間おんぶのおかげで全身筋肉痛でございました。はい。


 5月1日は、子供はカレンダーどおりで登園日。夫は9連休でお休み。子供のいない、二人きりの休日です。
 先月22日に結婚5周年を迎え、その記念にと、この日は夫婦二人でデート。豪華ランチクルーズとしゃれこみました。
 広島港から出港する豪華客船「銀河」で瀬戸内をクルーズしつつ、コース料理に舌鼓を打ちます。昼間からワインなんか飲んだりして。ゆっくり食事ができる、それだけで、いつもあわただしく食事をしている私たちには最高の贅沢です。
 食後は操縦室の見学もさせてもらえ、そこで本物の船長さんの服を着て記念写真をパチリ。
 のんびりゆったり、優雅なひとときを過ごすことができました。
 ああ、子供のお迎えがつらいことこのうえない。現実に引き戻される瞬間。

結婚5周年記念です

 2日は運動会の振り替え休日で子供もお休み。けど天気がすぐれず(風が強かった!)、お出かけに最適とはいえず、のんびり家ですごすことに。
 しかし・・・なんだか私の調子がいまひとつ。朝からしんどいな〜と思ってはいたのですが、昼食後、いつまでも胃の中がつかえて気持ち悪い。
何の気なしに体温を測ってみたら、38度2分!ありゃりゃ、熱があるじゃないの〜!
あわてて近所の内科に駆け込み、薬をもらって。
夕方にはどんどん熱が上がり、39度を超すしまつ。撃沈。
ああ、ゴールデンウィークなのに〜(涙)


翌3日には私の熱もあっさり引き、ホッ。な〜んだ、大丈夫じゃないか。
もうこのゴールデンウィークは全滅かと思いました。けど、何だったのだろう、あの熱は・・・

この日は雲ひとつない晴天。私の体調も元通りとあって、お出かけ。呉ポートピアパークへ行ってきました。
ここには水遊びできるコーナーがあり、我が家はもちろん水遊び目当て。お着替え持参で向かったのですが・・・残念!水遊びコーナーには柵がしてあり、入れませんでした。確かにまだ、水遊びには気温が低めだったのですがね。
お水を見たとたん、やる気まんまんの光太。それまではお父さんの背中にしがみついていたのですが、するりとお父さんのおんぶから下りると、お水めがけて突進!
何度止めても、何度お水から引き離しても、納得できずにお水めがけて一直線です。最後にはあきらめたものの、しょんぼり、ブルーになってしました。

気をとりなすため、大きな船の形の遊具のそばにレジャーシートを敷き、のんびりおやつタイム。
レジャーシートがあると、「ここがボクたちの場所だ」ということが見た目に分かるのか、ちょっとふらふら〜っと離れても、ちゃんとおやつ目当てに戻ってきてくれます。  人も多いし、悠太・光太もあまり馴染みでない場所という不安のほうが大きいので、無鉄砲にどこかへ突っ走って行ってしまう・・・ということもありません。
おかげで、親はレジャーシートに座ってのんびり。もちろん、子供から目を離すことはありませんが、どこへ行くか分からない子供の背中を、休む間もなくずっと追いかけていた頃と比べると、嘘みたいです。
こんなに落ち着いているのなら、ずっとムリだと思っていたピクニックも夢ではないかも・・・

おやつを食べ終わっても、たくさんの子供たちが遊ぶ遊具にはあまり興味を示しません。子供たちが遊ぶ様子を時折見上げてはいるものの、積極的に中に入っていこうとしません。表情も、時折笑顔は見せるものの、ちょっと硬いみたい。興味がないというより、うるさいのがイヤなのかな?
そう思って、場所を移動。あまり人のいない、静かな海辺を散歩です。
ここにきて、ようやくいつものキラキラの笑顔になりました。やっとほっとした、という表情に、「あー、やっぱりうるさい場所が不快だったんだなー」と反省。
もう少し早く気付いてあげればよかったね。
光太も、少し冷たい海風を受けながら思う存分走ります。
たくさんの鯉のぼりが、風を含んで泳いでいます。ほんと、気持ちいい!

気持ちよく走っていた光太が、ふとしゃがみこみました。そのポーズは、まさか・・・
パンツをのぞくとビンゴ!気持ちよくて、リラックスして、もよおしちゃったのね。あたりに人影が見えないのをいいことに、その場でパンツを替えようとしました。が。いったんパンツを脱いだ光太、「ボクはもうパンツをはきません!」と新しいパンツをはくことを頑固に拒否!
おいおい、このまま尻丸出し、チンチン丸出しで駐車場まで行かなきゃいかんのか。さすがにそれはできんっ!と、結局、夫と私二人がかりで押さえつけて何とかパンツとズボンをはかせ、「今日はこれにておしまいっ!帰るぞー!」
あーあ。

呉ポートピアパークにて


4日。この日、我が家に新しい冷蔵庫が来ました。一足早い、母の日のプレゼントです。
ずいぶん前から、大きい冷蔵庫が欲しい、欲しい、と熱望していた私。以前の冷蔵庫もそれなりだったのですが、ライフスタイルの変化に、どうにもこうにもその大きさでは対処しきれなくなったのです。
買い物はしょっちゅう行けないので、ある程度食材はキープしていなければいけない。1日中用事で外出しなければいけないとき、朝一番で作った夕食のおかずを、これからの季節、出しっぱなしにはしておけないから、鍋ごと、フライパンごと入れられる大きさが欲しい。

夫とクルージングデートした日に立ち寄ったショッピングセンターで、展示品の現品限り、超お値打ちの冷蔵庫を発見!野菜室と冷凍室が縦型収納であることが絶対条件だったのですが、この条件もクリア、大きさもまさに理想どおり。
これは買うしかない!
 めでたし、めでたしだったのですが・・・

 4日の朝、引き取ってもらう今まで使用していた冷蔵庫から食材を取り出し、最後の掃除、とその冷蔵庫を拭いているうちに、何ともいえない寂しい気持ちになってきました。
 5年前、結婚と同時に専業主婦となり、初めて自分の台所を持ってから、ずっと私とともに働いてきてくれた冷蔵庫。結婚当初に住んでいたのは小さな家で、台所も狭く、冷蔵庫の存在感は圧倒的でした。
 ずっと家族の食を支えてきてくれた冷蔵庫は、いわば、私の同志のようなもの。その同志を、もっと大きいのが欲しいから、と簡単に放出するなんて。
 まだまだ十分働けるはずだった冷蔵庫。もっと私がうまく使いこなしてあげられれば、この大きさでも何とかなったんじゃないか?

 な〜んて・・・
 そんなしんみりした思いも、新しい冷蔵庫の到着とともに吹っ飛んでしまいました。
というのも、新しい冷蔵庫が大型だったため、1階の窓から直接搬入してもらったのですが、その窓は普段決して開けることのない窓。子供の脱走防止のために、網戸はサッシに打ち付けて固定して、ガラスもつっかえ棒をしてあるため、たとえ回転錠を外しても開けられません。
その窓が開いている!
悠太・光太の目が輝きます。自由への逃走を何度も図ろうとする二人を制止するのにいっぱいで、今まで使っていた冷蔵庫との感慨深いお別れをする間もなく、ばたばたしている間に、そこには新しい冷蔵庫が鎮座していたのです。
ま、こんなもんよね・・・


5日、こどもの日。
母方のじじ・ばば(私の両親)が遊びに来てくれました。
悠太・光太が母方のじじ・ばばに会うのはお正月以来。じじ・ばばが我が家に到着したのがお昼ご飯前とあって、お腹のすいていた悠太・光太はご機嫌ナナメ。
かわいい孫の笑顔見たさにわざわざ来てくれたじじ・ばばに、「おい、ちょっとくらいニコッとしろよ〜」と私は内心ヒヤヒヤしていたのですが、お昼ご飯を食べて満たされると、やっといつもの笑顔が。
おじいちゃんに抱っこされてニコッ。
おばあちゃんのお膝に甘えてニコッ。
しっかり愛嬌をふりまく悠太・光太に、じじ・ばばの目尻も下がりっぱなしです。

それにしても、孫というものは手放しにかわいいものなんですねえ。
ただ、元気で笑っていてくれるだけでいい。
おしゃべりできなかろうが、字がかけなかろうが、そんなことどうでもいい。
そこにいてくれるだけでいい。

そんなふうに、自分たちのことをまるごと愛してくれるじじ・ばば。めったに会うことはないけれど、悠太・光太もそんなじじ・ばばの愛情をちゃんと感じているようです。


6日は、光太の個別療育の日で、みんなでK学園へ行きました。
先生とお父さんとひとしきり遊んで、さあ帰ろうと玄関へ行くも、光太はすたすたと逆戻り。何か、心残りがあるようです。
光太の行き先は2階のホール。お目当てはホールの天井から吊り下がっているスイングのようですが・・・残念ながら、そこには先客が。
同じく個別療育で来ていたお友達がスイングに乗り、お母さんと先生がそのそばに座っています。
それを見た光太、「うわ〜んっ!」
スイングをちらちらと横目で見つつ、泣きながら遠巻きに走り回ります。
「ボク、やりたいのにっ!やりたいのにーっ!」
悔しさを、鏡に映る自分にぶつけています。
そんなんじゃ伝わらないよ、光太・・・そう思いながらも、光太の様子を見守ります。
すると、光太が涙目をこすりつつ、スイングのそばに座っていた先生のそばへとぼとぼと歩いてきて、シュンとうなだれ、なおも目をこすりつつ無言の訴え。まるで泣きまねをしながら、「ボク、やりたいの・・・」と言っているかのよう。
光太、意外と演技派?(笑)
先生も、「嘘泣きちっくだね〜。ここまで来て(泣いているのを)アピールするの?」と笑いながらも、タイミングよくスイングを譲ってもらいました。
むろん、光太は大喜び!
早速スイングに乗り、意気揚々と、そしてダイナミックにスイングをこぎます。その揺れにうっとりする光太(笑)。

あー、本当にやりたかったんだなあ・・・
それにしても、驚いた。
いつもの光太は、たとえ欲しいものややりたいことがあっても、遠巻きに眺めつつ怒って泣くか、人がいなくなった隙を見計らって、お目当ての遊具やおもちゃを手に入れます。
すぐに譲っちゃうし、争いになる前に逃げちゃうし。
そんな小心者・光太が、ちゃんとやりたいことのそばまで行って、消極的ながらアピールしたのです。
そのアピールは親や先生にしか分かってもらえないかもしれないけど、でも、ちゃんと伝わったね!
よかったね。えらいぞ!

けど・・・その後延々、スイングをこぎ続けて20分。おなかすいたよ、早く帰ろうよ〜(母、涙)


7日は家でのんびり。
父方のおばあちゃんが遊びに来てくれました。
悠太・光太はにっこり笑顔でお出迎え、そして、「遊んでくれる人が来た!」と大喜びです。
毎月1度は来てくれるおばあちゃんには悠太・光太もすっかり懐いていて、遠慮がありません。父母や園の先生に甘えたりおねだりするのと同じ感覚で、あれこれアピールします。
おばあちゃんも、だいたい悠太・光太の「言っていること」が分かるので、私は安心して子守をおまかせ。台所仕事に専念です。

夫は、広島市内の知的障害児のお父さんたちの学習会に出席です。
こういう催しは始めて。どんなお話がきけるのかな?


そんなこんなの、我が家の今年のゴールデンウィーク。
ガソリン代の高さに怖気づき、遠出もほとんどしませんでした。
ゆっくり休養、充電できて満足!
また、慌しい日常が戻ってきます。一番しょんぼりしているのは夫。
「あ〜あ、せっかく悠ちゃん・光ちゃんとラブラブだったのに・・・」
私は、「一人の時間」が戻ってくるのが楽しみなんですけどね。



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