悠太と手遊び

 普通の子供なら喜ぶ手遊び。だが、悠太と光太は手遊びが嫌いだ。手を取られると行動を制限されると思うのか、手をつなぐことも嫌がる(それでも最近は少しの距離なら手をつないで歩いてくれることもあるが)。
 それでも、手遊びの楽しさを知って欲しい、感じて欲しいと悠太と光太の目の前でいろいろやってみるのだが、まったく興味がない様子で視界にも入れてもらえない有様だ。

 さて、今、悠太はNHKの「おかあさんといっしょ」に最近流れている「かけぶとん、しきぶとん」の歌が大好きだ。「かけぶとん、しきぶとん、いつも2人は仲良し〜」と、かわいらしいメロディにこれまたかわいらしいアニメーションでかけぶとん君としきぶとん君が踊っている。それを見てキャッキャッと喜ぶ悠太。私が歌ってやっても喜んでくれる。
 ふとした思い付きで、その歌に手遊びをやってみた。私の手と悠太の手をパチパチ合わせたり、その合わせた手をゆらゆら揺らしたりと、ごく簡単なものだ。
 けれど、これが悠太に大うけ。
 大好きな歌を歌って欲しいのが先にたったのだろうが、何度も何度も催促するように私の手をパチパチとたたいてくる。そのたびに歌って、手遊びしてにこにこだ。

 はー、なるほど。
 手遊びの苦手な悠太だが、まず最初にその歌を好きになってくれれば、手遊びも喜んでやってくれるんだ。

 1人で遊ぶことを好む悠太だが、手遊びを一緒にやるようになって、私と1対1でじっくり向き合う時間が格段に増えた。悠太も、「次は何をやってくれるのかな?」と私の手の動きや表情に集中しているし、「今度はこれをやって欲しいな」と要求もたくさん、アイコンタクトもしっかりできている。
 手遊びを通しての親子のコミュニケーション。
 こんな密な時間が、子供はもちろん、親にとってもとても大切なものだとわかった。
 
 けれど、双子の我が家では1対1というのがなかなか難しい。1人と向き合っている間、もう1人のことが気にかかる。淡々と1人で遊んでいたり、黙々と絵本を見ていたり。ちょっと寂しい。
 光太はどうかな?手を取ろうとしても、さっと手を引いてしまう。
うーん、まだいまいち光太は興味がもてないかな。ダイナミックな体を使った遊びのほうを好む光太。いつか、一緒に手遊びで楽しめたらいいね。



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