仲良し兄弟?


 この1月の何日からだったか、広島市内を走る路面電車の運賃が、障害者とその介助者も無料になったそうです(今までは介助者は半額)。幼児の運賃も、1人の大人と同乗する幼児3人まで無料(今までは1人目だけ無料)となりました。
子供連れの人や障害者が気軽に街へ、社会へ出られるように・・・という意味が込められているそうです。
 この市内電車は広島市中心部とその界隈にしか走っていないので、市北部に住む我が家はほとんど利用することがないのですが、それでも、こういった子供や障害者に優しい制度ができるというのは、とてもうれしいことです。気持ちが温かくなる、励みになりますよね!
 この先、悠太・光太も、ヘルパーさんを利用して市内電車の旅・・・なんてこともできるようになるかな?

 な〜んて思っていたところへ、27日・金曜日の新聞を見て、ショック。
 某ビジネスホテルチェーンが、条例で義務づけられている身体障害者用設備や駐車場を、検査直後に撤去・改造していた・・・というニュースが。
 なんじゃ、それ。
 そしてまた、このホテルの社長の会見の様子をテレビのニュースで見て、夫も私も、呆然・唖然。なんという、慇懃な態度!
 「時速60キロ制限の道を、67、68キロで走ってもまあいいか、と思っていた」
 まあいいか!?
 障害者排除、高齢者排除がまあいいか、なんですか?みんなやってることだから?

 確かにビジネスホテル、出張の際にサラリーマンが利用することがほとんどかもしれません。利益やホテルの稼働率を考えると、身体障害者用の設備や部屋は場所もとるし、理にかなっていないのかもしれません。
 けど、だからといって。
そのやり方はあまりにも悪質で計画的です。

今この瞬間健康な人も、いつなんどき、事故や病に倒れ、車椅子のお世話になるか分かりません。車椅子で街を行くその人は、一ヵ月後の自分の姿かもしれません。
障害を抱えるということは、自分と無関係なことではないのです。

 このホテルの社長さん、例え話ですが、この騒動のせいで脳梗塞で倒れて半身不随になって、車椅子のお世話になるようになってしまったとしたら・・・どんな顔するんでしょうね。

 最近の事件・ニュースを見るにつけ、利益至上主義のゆがみをとても感じます。
 一つの会社として、利益をあげないことにはどうにもなりません。けど、利益だけがすべてじゃない。人の心を無視した経営をする会社は、遅かれ早かれ淘汰されます。
 利益だのお金だの見返りだの関係ないところで、あのホテルの社長の意味するところの「排除されて当たり前」の障害を抱える子供を愛情深く育て、障害を抱える人や高齢者の世話を懸命にしている人は、この日本中にた〜くさんいるんですけどね。
 利益だの、経済性だのとは(この先、大人になってもきっと)かけ離れた存在の悠太・光太を見ていると、この子たちの存在がいかに純粋で大切なものか、実感します。


 さて、悠太・光太です。
 なんというか、よく・・・意識しあっています。牽制しあっているというか(笑)。
1人がうれしくなったら、なんとなくもう1人もうれしくなっちゃって、訳わかんないまま二人が大笑いして部屋の中走り回っていたり。そんな二人を見ているのは幸せです。
 二人して機嫌の悪いときは、お互いにガブッと噛みあったり、つねったりしていますが・・

 ボスは悠太。光太は悠太を尊敬(?)しているらしく、妙なところで悠太の真似をしています。
 二人とも絵本や雑誌をぱらぱらめくるのが好きなのですが、もともとこれは悠太だけがやっていたこと。悠太が絵本をぱらぱらめくっているのを、光太は「悠ちゃん、すごいね!」という顔でほ〜っと最初の頃は眺めているだけだったのですが、いつの間にやら同じことを光太もやるようになっていました。
 お外で悠太が砂遊び。砂をつかんでは上からぱらぱら落としているのを、ハッと気付いた光太が、すかさず悠太の目の前に座り、同じように砂をぱらぱら・・・
 そんなこと、真似せんでもええがな。

 ボス・悠太に逆らえない光太は、せっかく自分が見つけてきた、ぱらぱらめくるのに面白そうな雑誌も、悠太にすぐ横取りされてしまいます。光太はそれをじ〜っと恨めしげに見るのですが、ぐっと我慢しちゃうのです。で、悠太がそれに飽きて手放した瞬間、すかさず抱え、逃げる!(笑)
 光太、平和主義?
 もっと自己主張して、悠太とやりあってもいいとは思うんですが・・・

 悠太が妙なハイテンションだったり、急な動きをするときも、光太は敏感です。そういうときって、いきなり噛み付かれたりするんですね。なので、悠太が急に飛び跳ねて笑い出したりすると、光太はビクッとして身を縮こまらせます。
 なんか、光太がかわいそうで・・・家の中でまで緊張しているんですよ。光太の安住の地はどこなのでしょう?
 って、悠太・光太がいかに最近仲良しかを書くつもりが、違う方向へ行ってしまいました。
 でも、そんなこんなも、やっぱり兄弟がいてこそ、ですよね!(と無理やりまとめる)


 先週は、悠太・光太、それぞれ母子通園日がありました。
 24日・火曜日は、光太のクラスの母子通園日。
 去年11月の初めての母子通園日では、普段と違う雰囲気や人の多さに気圧されてしまった光太ですが、この日はとっても落ち着いていました。
 朝の会で先生が歌ってくれる「ぞうさんのマスク」の歌がお気に入り。「ゾウさんが、マスクした〜、な〜がいな〜がいな〜がいな〜がいマスクした〜♪」の歌です。そのあとの、「コンコンコンコン、クシャンっ!」の、先生の表情がおもしろいんでしょうねえ。にや〜っと笑いながら、期待いっぱいの顔で先生を見つめます。
 この歌、家で私が歌っても光太、バカ受けです。
 歌に耳をふさぎ、音楽を楽しめない(そのせいで「おかあさんといっしょ」も見れなくなった)光太にも、お気に入りの歌ができたことがうれしいです。
(これを書いている今も、テレビの「のど自慢」で出演者が歌っている歌に恐れおののき、パニックになりかけたので、あわててテレビを消したところです)

さて、この日のメインイベントはクッキング。チョコチップクッキーを作りました。前日、先生があらかじめ作ってくださったクッキーのタネを、ちっちゃなお団子に丸めて、つぶして、トースターで焼くというもの。作業はさながら粘土遊びのようです。もちろん、お子様たちは大喜び。ただし、光太をのぞいては・・・

光太、粘土遊びが苦手です。あの、触感がなんともいえずイヤみたい。スライム遊びは大好きなのに、なんででしょうねえ?
他にも、シール遊び(手にくっつくのがイヤ!)、お絵かき(興味なし)なども苦手です。

この日も、光太、どうしてもクッキーのタネに触ることができません。その割には、密かに指先でつまんではタネを食べているんですが(笑)。仕方なく、母のみクッキーづくり。「楽しいよ〜♪」と誘ってみても、光太、我関せず。
最後の最後に、先生と一緒にタネをお団子に丸める作業にチャレンジ!けど・・・もろ、「やらされている」光太は、遠い目をして必死に「今我が身におこっていること」から意識を飛ばして現実逃避。
ボクは今、クッキーのタネになんかさわってないぞ、違うぞ、気のせいだよ。知らないぞ・・・
光太、おもしろすぎ(笑)そしてかわいい。そんなにイヤなのね。でも、頑張りました!
出来上がりのクッキーはおいしそうに食べていました。良かった、良かった。


26日・木曜日は、悠太の母子通園日。
新しいクラスに正式入園になって、初めての母子通園でした。が・・・やっぱり、いつもと違う雰囲気にグズグズ。しきりにおんぶをねだります。
悠太のクラスもクッキング。五平餅をつくりました。ご飯をボウルに入れて、それをめん棒でトントンつぶして、小さなお団子に丸めて、手のひらでつぶして平らにして、醤油を塗ってホットプレートで焼くというもの。(クッキーとあまり手順は変わらないんですね・笑)
五平餅作りは、子供は今月に入ってから何度かやっています。悠太も、何をするか分かっているはず。

ボウルに入ったご飯をめん棒でトントン。これは、悠太、頑張りました。えらいぞ!でも、ここまででいっぱいいっぱいだったようです。人の多さにイライラ、部屋の暑さにイライラでもう、おんぶ、おんぶ。すごーくしんどいらしく、なだめてくれる先生に歯をむき出しにして威嚇!ガブッと噛み付きに行きます。
出来上がった五平餅も食べられず・・・(悠太1人だけ。ううう。他のみんなはおいしそうに食べてるのに・・・涙)いつもは、めん棒についたご飯をつまんだり、五平餅も口に入れたり出したりしつつも、食べているそうなのですが・・・残念です〜。
でもそれだけ、いつもと違うこと、周りの状態が分かっているということで。デリケートなんです、悠太は(光太もね)。そういうことにしておこう。


母子通園日にいつも思うこと。それは、「ほんとうに子供って、どの子もみんなお母さんが大好きなんだなあ」ということです。
いつもはいないお母さんの姿を見つけると、どの子もぱあっと顔が笑顔になります。そして、むしゃぶりつくように抱きつくんです。その姿のかわいいこと、いじらしいことといったら。
悠太・光太も、一応私を見て喜んでくれますよ。でも、お母さんと一緒に楽しくクラス活動するというよりも、逃げ場?依存?特に悠太はもう、「お母さん、おんぶして、抱っこして」で何もできなくなってしまうのです。
それだけ、いつもは1人で緊張して頑張っているということなのでしょうが・・・少々、気持ちは複雑です。
でもまあ、これも経験、慣れですよね。


先週は27日・金曜日に家庭訪問もありました。
悠太・光太は新入園児ということで、クラス担任の先生全員に来ていただきました。

午前の部は、悠太のクラス担任4名ご一行様。普段、来客のほとんどない我が家に、突如4人も・・・あら、ボクの先生じゃないですか!
悠太・光太、大喜びの大はしゃぎです。
悠太は、1人ずつじーっと見つめてはニコッ。おんぶや抱っこでひとしきり先生に甘えます。チューの大サービスまで!その後はうれしくて仕方なくて、走り回ります。
光太は光太で、あんたの先生じゃないでしょ!ってのに、抱っこしてもらったり、めいっぱい甘えています。
二人とも、あまりにはしゃぎすぎてヘトヘトに。
1時間後、潮の引くように先生方がいなくなり、きょとんとしていました(笑)。

午後は、光太のクラス担任3名ご一行様。
光太、トレーナーにノーパンというセクシーな格好でお出迎えです。
午前中はしゃぎすぎたため、ちょっと光太のテンションは低めながら、先生の顔を見てにっこり。早速、先生のおひざでリラックスです。
びっくりしたのは、悠太の反応。「誰、これ。ボクの知らない人!」と、ギャーッとなってしまい、お風呂場にこもって水遊びを始めてしまいました。確かに、光太のクラスの先生と悠太は、園でもほとんど接点がありません。先生の顔を覚えていなくても当然なのですが・・・ここまで反応が違うとは。
悠太が新しいクラスに入って2ヶ月足らずですが、その中でちゃんと、自分のクラスの先生を認識して、「ボクの先生、ボクが信頼している先生」の位置づけができていたんですね。午前中の悠太のあの笑顔は、ボクの大好きな先生だからこそ。
誰かれかまわず(?)懐く光太もかわいいけれど、大好きな人にだけ笑顔を向けてくれる悠太もまた、かわいいです。マニアックなかわいさだったりしますが。

さて、風呂場にこもった悠太は放っておいて。
光太のクラスでのいろんなエピソードを聞かせてもらいました。
光太は、クラスのM先生が大好き!(残念ながら家庭訪問には来られなかったのですが。)抱っこしてもらうのも、とにかくM先生。M先生がいると、他の先生には抱っこを求めに行かないそうです。
パンツ・ズボンを履きたくない光太、大嫌いなお着替えも、他の先生にはされるがままになっているそうですが(イヤと言えない)、M先生には抵抗するそうです。M先生にはイヤなものはイヤと言えるんですね。
何か腹の立つことがあっても、M先生に八つ当たり。M先生のところまで行ってガブッ!と怒りをぶつけるそうです。M先生は何もしていないのに〜!(今度お会いしたらよくお礼を言っておこう・汗)
心から甘えられる、素直に感情をぶつけられる、関係ができているんですね。

最近こんなことも。
おしっこの失敗をした光太、パンツとズボンがぬれてしまいました。それを自分でなんとかしようとしたらしく、自分でパンツとズボンを脱いで、自分のカバンを持ってきてカバンを開け、中から新しいパンツを出した・・・・そうです。
え〜っ!?ほんと〜?マユツバ、マユツバ。
自分でパンツとズボンを脱いだのは本当だと思います。自分のカバンを持ってきた、ってのなんとなく信じられる。どうにかしたいんだろうなあ、と。
けど、カバンを開けて新しいパンツを取り出したというのは・・・
光太がファスナーの開閉をしたところ、見たことないんですよ(悠太はやりますが)。自分でやるよりも、誰かに頼んでしまう。そのほうが早い。さらに、新しいパンツを出すというのも・・・そこまで光太の頭が回るのか!?いやー、それはちょっと(笑)。
でもね、他の誰も、光太のパンツを出していない。やっていない、知らないんだそうです。だから、これは光太が自分でやったのだろう!ということなんですが・・・
うーむ、光太の怪。
実は密かに、光太も考えて、やるときはやっているのかもしれませんね。

さて、先生方が帰られる頃になって、ようやく水遊びに満足した悠太がニコニコでやってきました。うーんと、と先生の顔を見回して照れ笑い?よく知らない人たちだけど、ボクの敵ではないみたい。もじもじしながらも、唯一の男性の先生の背中に張り付き、おんぶしてもらいました。(男の人大好き!だって、おんぶしてもらうと高いところから見えるんだもん!)おんぶしてもらって、揺らしてもらってご機嫌です。

悠太もやっとなれたところで、先生たちとさよなら。再び、潮が引くように先生方が消えてしまいました。
光太は名残惜しそうに(?)窓から外を覗いてお見送りしていました。

3学期もあと2ヶ月。早いですね〜。体調を大きく崩すことなく、無事に通ってくれたらそれだけでよし、ですね!
(じゃないとさ〜、お母さん遊べないんだよね。見たい映画もあるしさ〜。1日中あんたたちの顔を見て過ごすなんて冗談じゃないわ=本音)



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