よいお年を

 12月半ばから風邪でダウンしていた我が家。たかがハナ風邪、と甘く見ていました。
 子供は15日から園をずーっとお休み。とにかく何も用事ができなくて、参りました。今年は密かに楽しみにしていたのですよ、大掃除をするのを。子供がいると最低限の掃除しかできないので、冬休みに入る前の週は、この日はあれをやって、これをやって・・・と計画を立ててやる気満々!

 んがっ。
 な〜んにもできないじゃーんっ!自分自身も体調悪いし、雪は降るし。
 とうとう、買いだめしていたティッシュペーパーが底をつき、代わりにトイレットペーパーでハナをかむ始末。この情けなさ。
 21日、2学期終わりの前日、どうにもこうにも困って、1日子供を園へ預けました。まだ食欲はイマイチ、体調もまだ不安が残るものの、お願い、1日だけ頑張ってー!と。
 子供を直接園へ送り届け、そのまま担任の先生と懇談を済ませ、家の近所まで戻ってくるともうお昼前。家には戻らず、その足で買い物をあれこれして、用事を済ませて・・・
 ああ、もう1時、腹へった、とカバンの中の携帯電話を見ると、着信・伝言が。
 イヤな予感。
 「悠太くんが、37度8分お熱があります〜」
 ひーっ、やっぱりダメだったかー!
 あー、かわいそうなことしちゃったなあ。
 自分の都合で、体調の万全でない悠太にムリをさせてしまった。罪悪感がひしひし。

 そのまま園へお迎えに。用事も半分くらいしかできなかったし、うう、お昼ご飯抜きだわー。一刻も早く迎えに行ってあげたい、でもガソリンもないし、道路はどこもかしこも混んでるし。
 園にやっとのことで到着したのが、2時。
 悠太は、先生におんぶされてぐったり。しんどそう。ごめんね、悠太。
 一方、同じく体調は万全でなかったはずの光太は、ハナ水垂らしながらも元気いっぱいで、ご機嫌。給食も、鯖の味噌煮を二切れに、おすましも飲んだとか。あらあら。
 光太は、久しぶりの園によほどうれしかったのか、帰りの車の中でも「あっあ〜うっう〜」と鼻歌交じりで、キラキラのお顔。
 悠太には悪いことしたけど、光太だけでも楽しんでくれたら、まあ、いいか。
 ちょっと、ほっとしたりして。

 翌日・2学期の最終日は、これまたすごい積雪。園バスも運行できず、自主登園。
 悠太の体調も悪いし、雪で身動きもとれず、欠席。
 12月、結局、半分しか登園できませんでした。冬休みが前倒しになっちゃった。


 私の体調に異変が起きたのは、23日の夜。
 いきなり、左耳に激痛が襲いました。今までにない痛さ。最初は、「寝ればおさまるさ」と自分をだましていたのですが、どうにもこうにも痛い。眠れない。明らかにおかしい。
 翌朝一番に、耳鼻科へかけこみました。
 どうでもいいことなのですが、広島市は(うちの近辺は)、耳鼻科が少ない!歯科は半径1キロ以内あっちこっちで見かけるのに、耳鼻科はとんと見かけません。
 その耳鼻科の少なさゆえか?前日が祝日だったということもあり、クリスマス・イブの耳鼻科は、人であふれかえっておりました。診療時間が始まったばかりなのに、もう1時間半待ちとは!
 それにしても、最近の耳鼻科ってハイテクなんですねえ。
 歯医者さんにあるような、しっかりした診察台にまずびっくり。先生に耳を見せるために横を向けば、自分の真正面にはモニターがあって、自分の耳の中や、先生の治療行為すべてが見えるのです(それはそれで恐かったのですが・・・)。
 で、結局、診断の結果は中耳炎。
 中耳炎なんて、子供の頃、水泳の授業があると決まって、「中耳炎だから」とプールサイドで見学していた子がいたっけなあ、くらいの認識しかありませんでした。まさか自分がその中耳炎になるなんて。かなりしんどいです。耳の聞こえも悪いし、頭痛もするし、歯もうずく。
 たかがハナ風邪、薬も飲まず、4、5日もすれば治るわ〜とたかをくくっていた結果が、これです。
 反省。子供は大丈夫だったのかしら?と今更ながら(子供はもうすっかり元気なんですけどね)。どうせ薬も飲めないから、と病院にも連れて行かなかったのですが・・・ 
 中耳炎自体は、放っておいても鼻水が止まれば自然に治ると言われたのですが、それにしても、もしかしたら子供もハナ風邪以上に辛い思いをしていたかも。だとしら、悪いことしたなあ・・・

 さて、クリスマス・イブですよ。中耳炎なんかに負けていられません。
 この日、我が家初の試み。みんなでクッキング!クリスマスケーキをつくろう!とはりきっていたのです。ケーキをつくるといっても、市販のスポンジに、生クリームとフルーツをデコレーションするだけなのですが。
 悠太・光太、二人とも、園のお誕生会で出されるケーキに興味を示し、スポンジの部分は口にするとのこと。それなら、家でもケーキに興味を持ってくれるかもしれない!

 スポンジを2枚にスライスして、カットしたフルーツをはさみ、表面に泡立てた生クリームを塗った状態で、スタンバイOK。しぼりだし袋に入れた生クリームと、上に乗せるフルーツを持って、テーブルの上へ。
「悠ちゃん、光ちゃん、ケーキだよ〜!」
 ん?なになに?何か面白そうなものがあるぞ、と二人がわらわら寄ってきます。おおっ。つかみはバッチリ。
 二人の目の前で、搾り出し袋からうにょ〜っと生クリームを絞り、まずはかわいくデコレーションの見本を・・・と思ったところに、悠太が手をパーにした状態で、ケーキをぐわしっ!
 ギャーーーーッ!
 手についた生クリームは気に入らず、服やテーブルやそこいらじゅうになすりつけ、再び、ケーキめがけて手のひらを振り下ろす悠太。
 「うわーっ!ダメだ、悠ちゃん。ダメだっ!」
 撤収、撤収―!
 急いで、ケーキを台所へ引き上げると、悠太は激怒。「まんまんまんまんまーっ!(オレのケーキ返せーっ!)」
 悠太の自由にさせる一切れぶんを持っていくと、「こんな小さいのイヤだー!」と納得しません。仕方なく、親が食べるぶんだけを取り分け、あとの残りを悠太の前へ持っていくと、ようやくにっこり。
 もうそこからは。文字にするのも泣けてくる。最後にはスポンジはまるで粘土のようになってしまいました。悠太、別の意味で興味持ちすぎ。
 悠太にとっては、まだケーキは食べ物ではなく、いいおもちゃだったようです。悠太がスポンジをこねるその側で、光太が必死にそのスポンジのかけらを口に運んでいたのが、せめてもの救いかしら。
 ああ、高いお店のケーキでなくてよかった。

 しかし、いくら市販のスポンジとはいえ、生クリームにフルーツを買うと、結構な値段になるものですねえ。でも、泡立てたばかりの生クリームのケーキは、非常においしかったです♪
 そして、悠太がこねまくったスポンジは捨てるにはしのびなく、小さなガラスの器に小分けして入れ、生クリームとフルーツを飾り、トライフルとして無事に生まれ変わりました。

 クリスマス・イブ特別企画第二弾は、クリスマスメニューのディナー。って、普通のことじゃない?と思われるかもしれません。
 けど我が家では、子供たちの食事は、誕生日だろうがクリスマスだろうがお正月だろうが、いつもと同じメニュー。ご飯の上にかけて食べられるもの、カレーやハヤシライス、○○丼などばかりです。私だって、特別なときにはお子様ランチみたいな、夢のあるかわいい料理をつくりたい。ケチャップライスに旗をたてたりしたい。
 けどうちの子は、そんなすぐに冷めてしまうもの、食べるわけがないじゃないですか。
そんなこんなで、今まで特別な食事はつくったことがありませんでした。

 けど今年は。
 園に通うようになって、光太は食べられるものが広がってきました。少々冷めたものでも口にできるようになりました。悠太も、まだまだ食べ物がおもちゃの段階ですが、それでも触ってみたり、口に入れてみたり(食べずにすぐに出しちゃうけど)、興味を持つようになってくれました。
 じゃあ、食べられるとは思わないけれど、見るだけでもいいじゃないか。いつもとは違う、ちょっと楽しい雰囲気を食事から感じてくれればいいじゃないか。
 そんな気持ちで、初めて子供にもクリスマスの特別メニューを用意しました。

 あわてて、子供用のランチプレートのお皿を買って(お皿が、3つくらいのしきりで分かれたやつです)。いつも使うのは深いグラタン皿で、今まで我が家には子供用の平皿すらなかったのです。
 メニューはフライドチキンに、小さなメンチカツ、ナポリタンスパゲティにフライドポテト、ブロッコリー(スパゲティとブロッコリー以外はすべて出来合いのものですが・笑)。どれもこれも、悠太・光太が「触るのが」大好きな食べ物です。揚げ物の衣の匂いや、感触が大好き。
いつもは、親のお皿のものを触って、遊んでは怒られてしまうけど、今日は好き放題していいからね。
もちろん、ちゃんといつものメニュー、カレーと二人の大好物・マッシュポテトのグラタンも用意しています。

さて、夕食の時間。
初めての試みに、子供がどんな反応をするか、私もドキドキで見守ります。
お風呂から上がってきた悠太・光太、普段とは違うランチョンマットに「あれ?」という顔。そして、目の前に出されたクリスマス・メニューのお皿に、「おおっ」。
キラ~ンと目が輝いたのは、悠太。「これ、ボクの?ボクの?いいの?」
メインのカレーとポテトグラタンを食べながらも、悠太はフライドチキンをかじったり、スパゲティを口に含んだり、握っては頭に乗せてみたり(笑)。
 いつもはそんなことすると、「ダメっ!」とすぐに怒られるのに、なんでだろう、今日はお父さんもお母さんも、そんなボクを見てニコニコしてるよ。
 悠太は時折、満面の笑みで父・母の顔を見ます。
 まあ、そのうれしそうな顔ったら。
 その悠太の顔を見ただけで、私も夫も大満足!
 カレーを食べ終わってもなお、悠太は椅子に大人しく座り、一心不乱に目の前の特別メニューのお皿と格闘(?)しています。すごい集中力!
 最後には、チキンはボロボロ。悠太の胃の中に入ったのか、量も随分減っていました。そして、悠太の頭はナポリタンくさ〜い!髪の毛は油でべとべとになってしまいました。
 まあ、それもご愛嬌ってことで。
 光太は、まだ体調が万全ではないためか、特別メニューには目もくれませんでした。チキンやポテト、食べるとしたら光太だと思っていたんですが・・・
 でも、たまにはこんなお楽しみもいいですね。

 子供たちへのクリスマスプレゼントは、アンパンマンのキーボードとトミカのパーキング。いろんなボタンを押さえて音がするおもちゃが好きな悠太と、園でトミカで遊ぶことがあるという光太のツボにはまると、自信満々だったのですが・・・
 確かに、喜びました。開封してしばらくまでは。
 しばらく遊ぶと、キーボードは、「ふ〜ん、こんなもんか」と。そして、トミカのパーキングは、悠太・光太には操作がちょっと高度だったようで、「できなーい!うわーん!」と・・・
 で、結局いつものように、絵本や雑誌をソファの上でぱらぱらめくって遊ぶ二人なのでした。あーあ。こいつらの喜ぶおもちゃ選びは、難しいです。
 
 なんというか、ミニカーを走らせて喜ぶ、というロマンがない!
 トミカのパーキングと一緒に、いろんなトミカのミニカーもセットで買ったのですが、悠太は、そのありったけをつかみ、上から落として遊ぶ。君は、重力の研究をしているのか!?
とにかく、砂だろうが豆だろうがお菓子だろうが、型はめパズルのピースだろうが、つかんでは上から落とすことを延々繰り返すのです。トミカのミニカーにまでそれが及んだときは、正直ため息が出ました。
2歳ごろ、悠太は車のナンバープレートや車種のマークに興味をもったことがありました。そのときはてっきり、このまま車マニアになるのだろうと楽しみにしていたのですがねえ・・・

 24日張り切りすぎたおかげで、25日、私は再びダウン。おかげで、東芝日曜劇場のドラマの最終回の録画を忘れてしまいました。今まで忘れずに予約録画していたのに、なんでよりによって最終回を見逃すかな。その録画を忘れたことに気付いたのは、火曜日になってからだし。
 もし、東芝日曜劇場の最終回を見た方がいらっしゃれば、お話の結末がどうなったかぜひ教えてくださ〜い!

 27日、今年最後のプールに連れて行きました。
 ニコニコで喜んでプールに入ったのもつかの間、悠太が「もう帰るー!」とギャーッ!
 遊んだ時間、ものの10分。ちなみに、往復1時間でございます。もう、イヤ。

 29日、ようやく夫も冬休みに入りました。
 先日オープンしたばかりのスーパーに、充実したキッズコーナーがあるとのことで、遊びに行ってみました。
 が。
 ゲームコーナーの奥にあるスペース、もともとの周りの大きな音に加え、そのキッズコーナーには、「おかあさんといっしょ」の音楽CDがこれまた大音量で流れていたのです。
 これに、光太が大パニックになってしまいました。
 もともと、家でも「おかあさんといっしょ」を見るとパニックを起こすようになってしまった光太。聞いたことのあるお兄さん、お姉さんの歌声、聞いたことのある歌がなぜここで聞こえるの?
 光太の顔面は恐怖に引きつっています。
 これはいかん。音楽が流れているのは予想外でした。
 これまた、撤収―!

 たくさん室内遊具があって、きっと普通の子供なら大喜び。楽しい音楽も普通の子供にはうれしいはず。音にさほどこだわらない悠太も、ニコニコで遊んでいました。
 でも、光太にはしんどかったなあ。悪いことしちゃったね。
 車に乗ると、ようやくほっとした顔を見せてくれた光太でした。


 2005年ももうすぐ終わり。
 今年の我が家のトップニュースは、なんといっても悠太・光太の初めての集団生活。
しんどい思い、辛い思いもしましたが、悠太・光太の予想をはるかに超えた成長は、大きな喜びとなりました。
 入園前の一番の心配は、食事のことでした。温度のこだわりもさることながら、私の全介助でしか食べたことのなかった二人が、気がつけば自力でちゃんと食べているなんて!
 子供って、不思議。

 来年は、悠太・光太はどんな成長を見せてくれるんでしょうか。どんな表情を見せてくれるんでしょうか。いっぱいいろんな経験をして、いろんなことを感じて欲しいと思います。

 今年1年間、「ゆうた・こうた通信」を見ていただいて、ありがとうございました。
 ぜひ2006年も、悠太・光太の成長を一緒に見守ってやってくださいね。
 それでは、よいお年を・・・


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