食べた!


 10日前のことが、遠い昔のことのように思えます。
 10日前の日曜日の夜。選挙速報の冒頭を見た私たち夫婦は、呆然となりました。
 自民圧勝との予測はあったけど、ここまでとは・・・
 子供を寝かしつけながら、とってもブルーになってしまいました。
 別に、自民が政権を握ることに、不服があるわけではありません。ただ、あまりの大きな流れに、不安になったのです。
 もっと、いろんな考え、立場の人が票をとってもいいんじゃないか。誰かが「待った」をかけなければいけないこともあるのじゃないか。みんなが同じ考えで「行け、行け」になったら恐いなあ、と思ったのです。

 今は、郵政民営化ばかりが表沙汰になっているけど、その裏で自民が、国が、推し進めようとしていること(障害者自立支援法ばかりでなく、税制、年金問題、憲法改正など)が、みんな見えているのかなあ?
 それを承知で、この選挙結果OKということが「民意」であるなら、私も納得するのだけど。

 ま、この先、どんどん日本が変な方向に進んで、軍隊持ったり、交戦権を持ったりするようになって、万が一、戦争に巻き込まれるようになって、万が一、徴兵制なんてものが復活するようになったとしても・・・悠太、光太、あんたたちおバカちゃんは、戦争にとられることはないもんね。よかった、よかった。

 選挙翌日も、なんだか気持ちがざわついて、ついつい、秋物の子供服を衝動買いしてしまいました(笑)。いや〜、トイザラスで、安くてかわいいのを見つけちゃって。って、言い訳にもなってないですね。


 さて、先週の一番びっくり!だった出来事。
 なんと、悠太が、K学園でお昼ご飯を食べたのです!それも、母の介助ではなく、単独通園の日に、先生の介助で!
 もちろん、園で出された給食は今の悠太にとって「食べ物ではない」ので、母お手製のクリームシチューを持って行き、温めてもらって、ごはんにかけたもの。
 そこまでしても、悠太にとっては、園で、母以外の人の介助で食べることは、ハードルが高いのです。
 温度の難しさもあります。あと、思い当たるのはご飯の固さかな?ご飯の食感がちょっと家のものより固めだったり。きっとそんな、普通の子ならなんでもないことが、悠太には耐え難いことだったりします。

 あとは、本人の気持ちかな。「食べてみよう」と思ってくれないと、どうにもなりません。どうも、この日は朝から機嫌も良かったらしく、いろんなタイミングが合って、「食べる」につながったようです。

 園バスから降りて、子供を車に乗せると、まず最初に連絡帳に目を通します。何をして遊んだのかな?楽しく遊べたのかな?ご飯は食べられたのかな?
 悠太の連絡帳を読むのは恐いので(笑)、光太の方から読みます。ふむふむ、ご機嫌だったよう。ご飯もよく食べたね。そして、悠太の連絡帳を開いて・・・驚きで飛び上がりそうになりました。
「クリームシチューかけごはんを1杯、時間をかけて食べました」
 食べた。食べたんだー!
 思わず、悠太の顔を見ます。もちろん、悠太はそ知らぬ顔。車の中で、悠太を抱きしめたい気持ちでいっぱいになりました。
 えらかったね、悠太。頑張ったね、悠太。
 面倒くさい悠太に、じっくり付き合ってくれた先生にも感謝!
 帰りの車を運転しながら、思わず目頭が熱くなりました。

 けど、この日食べたからといって、また次に食べられるとは限らない。案の定、次の単独通園の日は食べませんでした。
 それでもまたいつの日か、悠太が食べたい気持ちになったときに食べられるように、懲りずに、悠太が食べられそうなおかずを持たせます。
 いつか、きっと、園でも食べられることを信じて。


 この週末は暑かった!9月も半ば過ぎたというのに、どうして真夏日なの〜?
 遊びに行く場所に困ります。いくら暑いといっても、川で水遊びをするほどではない。体温調節が難しく、すぐ熱が体内にこもってしまう悠太・光太は、この炎天下に、外遊びは危険です。まあ、親がばててしまうということもあるけれど・・・
 結局、しばらくインドアが続いていました。

 先週は、海沿いの大きな家具屋さんの中の、子供の遊び場コーナーで遊ばせました。ちょっと散歩しようと、海の見えるテラスに出たところ、子供は「海を見る」だけでは飽き足らず、柵を乗り越え、入水しようと試みて、止められては「キーッ!」と怒っちゃうし、早々に引き上げました。
 
 さあて、どこへ行こう。交通科学館は行き飽きたしなあ。特別企画だったミニSLはもうやっていないし。
 そろそろアウトドアしたいなあ。けど、暑いし・・・
 電車に乗せるか。それもなあ、いまいち気が乗らないなあ。
 と思っていたところ、ひらめいた。動物園へ行こう!
 我が家から車で約20分の安佐動物公園は、水遊びできるところもあったはず。動物園まで行って水遊びかー。それもまた、我が家らしくて、よし、でしょう。

 前回動物園へ行ったのは、悠太・光太が1歳8ヶ月の頃。まだ障害があることもはっきりしていなくて、「動物と触れ合おう!子供も喜ぶはず!」と勢いいさんで行ったのですが・・・
 動物なんて興味がない、というよりも見えていない。直接、ブタやヤギを触ることの出来るふれあいコーナーでは、恐怖のあまり固まる子供。それでも無理やり、ヤギをなでさせたりして、今思えばかわいそうなことをしてしまいました。
 でも、今回の目的は一つ。水遊び!それだけです。

 いくら一度行ったことがあるとはいえ、子供たちは覚えていないはず。見知らぬ場所には警戒心を抱くのが常なので、抱っこ、おんぶ、覚悟のうえでした。
 けど・・・なぜかやる気まんまんの光太。駐車場から出ると、「早く行こう、早く〜!」と私の手をぐいぐい引っ張って走ります。ちなみに、悠太はお父さん抱っこ。

 入り口入って正面にはヒヒ山。柵にかじりついて見ています。ヒヒを見ているというより、ヒヒ山に流れる滝を見ていたんだろうな、多分。
 そのままずっと、ヒヒ山から動く気配がなかったので、目的地に向かって強制撤去。暑さを心配していましたが、園内にはたくさんの木が植えられているため、ほどよく木陰があって、暑さもさほど気になりません。

 光太は順調に歩いています。時折、柵の中をじーっと見ていますが、やはり興味の対象は動物ではなく、どうも、自分もその中に入って遊びたいようです。
 悠太は、キリンを「なんだこいつ」という顔をして見ていました。

ヒヒ山の前で。ボクも一緒に遊びたいな。 フラミンゴを見つめる光太。ボクも水遊びしたいな。


 目的地の水遊び場に到着。すでに遊んでいる数人の子供たちを見て、悠太・光太も目がキラ〜ン。急いで靴と靴下、ズボンと紙パンツを脱がせ、布パンツを履かせて、「そら、行けーっ!」

 水はきれいでした。水の深さは、ほんの20センチほど。それでも、子供は大喜びです。
 あまりにいい子で遊んでくれるので、私はソフトクリーム片手に、ベンチでのんびり。
 子供って、普通の子供も、本当にお水遊びが好きなんですよね。無心で遊ぶ子供たちに混じって、悠太も光太もまったく浮いて見えません。
 ま、遊び方がマニアックなので、見る人が見たら「あら、自閉ちゃんかしら」と分かるかもしれませんが。

お水でくつろぐ二人。


 1時間ほど、た〜っぷり水遊びしました。なかなか「おしまい」にできそうになかったので、ここでも強制撤去。
 子供の体を拭いて、服を着替えさせていると、後ろから「悠太くんと光太くんですか〜?」と声をかけられました。
 「はい」と振り向くと・・・あれ?面識のない若いママさん。えっと、うーんと・・・知っている人、かな?ちょっと戸惑っていると、「ホームページ見てます〜」
 聞くと、この3月まで参加していた双子サークルで一緒だったママさんのお友達だということ。そのママさんづてに、我が家のホームページのことを知って、見てくださっているようです。たまにアップしてある写真で、悠太・光太の顔を覚えていてくださったんですね。
 こんなことってあるんですね。すごくうれしかったです。
なんか、妙にドキドキしちゃって、気の利いたことも言えなかったんですが、もし、これを読んでいてくださったら、改めてありがとうございました。

さて、目的の水遊びも済んだし、帰るとするか。
さすがに疲れた光太は、「おんぶ〜」とおねだり。悠太はなぜか、ハイテンションで帰りはしっかり歩いてくれました。
お土産に、子供に風ぐるまを買いました。喜んでいたのは最初の日だけ。この風ぐるま、2つとも、3日で破壊されてしまいました(涙)。軸を折るわ、噛みちぎるわ。野蛮なお子様じゃ。

何をしたというわけでもない、本当に水遊びしただけ、親はそれを見ていただけ。そりゃあ、動物もちょっとは見たけれど。入園料大人二人で1000円、駐車場代440円払って、水遊びって、どうよ。
それでも、久しぶりのレジャーらしいレジャーで、とっても楽しかったです。

次は遊園地に行きたいなあ。うー、早く涼しくならないかなあ。
 秋よ、早く来い、来い!



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