残暑お見舞い申し上げます



 8月22日から子供は2学期が始まりました。久々に子供から離れる時間を持てて、ほっとしているところです。
 お休みは2週間ほどでしたが、1日中子供と過ごす時間が続いて疲れたのなんの。
 2週間でこんなに大変なんて、学童期になったらどうなることやら。今から思いやられます。


 さて、かなり時間はさかのぼりますが、夏休み後半の悠太・光太。
 あの悪夢の旅行以来、親子して、すっかりだるだるの日々をすごしていました。どうも、疲れが抜けない。外は暑いし、子供も「お外へ行こう」とねだることはないし、1日中家から一歩も出ない日もありました。

 さすがに「このままじゃいかん!このままだと、お休みが終わってしまう!」と、とりあえず、まだやっていなかったおたふく風邪の予防接種に子供を連れて行くことに。
 なんだよ、遊びに行くんじゃないのかよ〜、と子供からのブーイングが聞こえてきそうですが、予防接種ひとつをとっても、夫の手が必要なのだからしようがない。

 小児科に着くと、「なんでここなの〜?」とばかりに少々泣きが入りましたが、いったん予防接種専用の待合室に入ると、普通の表情に。予防接種のときにしか来ない小児科で、今から何をするか分かっているはずなのですが、なぜかいつも落ち着いて待つことができます。あまり深く考えないのかなあ?私のほうが、今から痛い思いをさせることがかわいそうで、緊張します。

 一番手は悠太。子供を膝に抱えるのは夫の役目です。先生の前に座り、「もしもしするよ〜」と聴診器を当てられても、悠太は大人しく泣かずに頑張っています。
すると先生が、「すごく緊張しているみたいですね」と含み笑いをしながら言いました。どうやら、聴診器をあてた悠太の心臓は、緊張のあまり早鐘を打っているようです。  
緊張に無言のまま耐えている悠太、いじらしくて、笑ってしまいました。
「お口、あ〜んして」
言葉は分からない悠太ですが、雰囲気を察知したのか、口をあけています。けど、頑張って「あ〜ん」するものの、どうしても一緒に舌が出てしまいます。
「舌は出さなくていいからね」と繰り返し言われるのですが、もちろん悠太には分かりません。なかなか舌をひっこめようとしない悠太。思わぬところで時間がかかり、悠太が涙声をもらしました。
すみません、この子、言葉が分からないんです、と喉から声が出そうになったとき、「まあ、いいでしょう」と先生。
こら、父さん!ちゃんとああいうときは説明しなきゃだめでしょ!

結局、注射が終わるまで泣きもせず、じっと我慢した悠太。えらい!
一方光太は、先生の前に座るやいなや、身体をのけぞらせて抵抗して大泣きでした。
ま、これはお約束ってことで・・・。まったく、兄弟でなんでこんなに違うかな。


去年の夏は、何もすることがなければ、福祉センターの屋内プールに行っていましたが、今年はアウトドアで川遊びによく行きました。
広島市といっても、どちらかといえば北部に位置する我が家。車で10分も走れば、山あいに入ります。そこには、清流とは呼べないまでも、川遊びが十分にできる川が流れているのです。
場所を選べば、人はほとんどおらず、悠太・光太にとってはまさに天国!
かなり冷たい川の水をものともせず、まるでかわうそのように、すいすいと水の中を歩いて遊びます。
まさに、天然の涼。山の緑もきれいで、自然を満喫した夏でした。
このアウトドアのおかげで、今年は私も水着のラインが肌にくっきり・・・(涙)

自然がいっぱい、気持ちいいね。 水は冷たいかな?


16日の月曜日には、今年最初で最後の海水浴に行きました。
川の水と違って、海の水はまろやか。気持ちいい!子供も大喜びでした。
夫はここぞとばかりに、防水機能のついたデジカメを首からぶらさげ、写真をとりまくっていました。
撮った写真を見てみると・・・思わず笑ってしまった。どれもこれも、みーんな同じ顔、笑顔ばかりの写真だったのでした。

みんな笑顔! 悠太
光太 海にほえる悠太

17日から、夫は泣く泣く職場へ。私と子供、3人の生活が始まりました。
17日から20日までの4日間、私一人で子守しなければいけません。
さ〜て、何しようかな〜っと。できれば、外には出たくないなあ。外は暑いし、あんたら、危ないし。
ということで、結局、ビニールプールをお風呂に出し、子供はお水遊び、私は高校野球中継&読書三昧。二人が交互にお風呂場で遊ぶので、ほぼ1日中蛇口から水が出っぱなし(二人で一緒には遊びません。それぞれが蛇口を独占したいので、一人が風呂から出てくると、それを見たもう一人がお風呂場へ行きます。争いは避ける。なんとも賢いというか、寂しいというか・・・)。おかげで水道代はさらにはねあがり、さすがに、水道の検針に来た人に、「どこか水道のもとがゆるんでいませんか?しっかり閉めてくださいね」と忠告されてしまいました。
そりゃそうだよなあ。水道代、今まで高くて3千円代だった家が、1万円を越えていたのだから、検針員さんも驚くぞ。
いやあ、きっちりその水道代分、お水使ってますから・・・と心の中でつぶやきつつ。
確かにこの水道代はイタいけど、悠太・光太が落ち着いて、快適に暮らすためには必要不可欠な出費。エアコンの電気代が夏にかかるのと同じ感覚で、「仕方ないなあ」とそれほど気にしていない夫と私なのです。
ま、さすがに真冬にはやらないでしょ。(と、願う・・・)

家におこもり1日目はクリア。
けどあまりにも暇で、かえってしんどい。よ〜し、思い切って明日はプールに連れて行ってみるか!
・・・と思っていたのに、悠太はえらく朝寝坊するわ、光太は午後からお昼寝して爆睡だわ、どうにもかみあわない2日目。
さすがに家の中に飽きてきた悠太が、「お外行こうよ〜」とアピール。「光ちゃんが寝てるからダメ」と最初はかわしていたものの、あまりにもしつこいおねだりに根負けして、「じゃ、ちょっとだけ行こうか!」
光ちゃん、もう少し寝ててね〜と、悠太と二人でスーパーへ買い物に行きました。

スーパーでは、キョロキョロしながらも、ちゃんと私と手をつないで歩いてくれる悠太。ほ〜らね。いくら多動の分からんちんでも、子供が一人だったら、ちゃんと買い物にも行けるんだよな・・・
自閉ちゃん二人かかえる不自由さが、こんなとき身にしみます。

レジは、多動の子供を抱えるお母さんにとって、ドキドキ・ヒヤヒヤの難関です。
普段は、レジを通した商品は再びかごに入れて、袋詰めはお客様お願いします、なのだけど、そうなると袋詰めの間、どうしても悠太から手が離れてしまいます。そのすきに脱走されたら大変!
今日は悠太連れなので、商品をそのまま袋に詰めてもらうように、あらかじめ頼もうと思っていました。
けど、悠太をおんぶした状態の私を見て、40代後半と見受けられる女性の店員さんは、私が頼む前から、レジを通した商品を、当然のごとく、かごではなく袋に詰め始めました。
確かに、買った商品は数点で、袋に詰める労はそれほどありません。私の次に並ぶお客さんもおらず、店員さんにも余裕があったのでしょう。けど、このちょっとした袋詰めが、私にとってどんなに助かるか!

あの店員さん、子育ての先輩なのかな?小さい子を抱えて買い物する大変さを知っているんだろうなあ・・・
「ありがとうございました。袋詰め、助かりました!」
店員さんにお礼を言い、悠太をおんぶしたまま店を出ました。人の親切・優しさにふれ、とってもさわやかな気持ちでした。

家を出て、買い物して、帰宅するまで、所要時間約15分。
家に帰ると、光太が布団の中で目を開けて、ぼーっとしていました。私と悠太が外出していたことは気付かなかった様子。危ない、危ない。


家におこもり3日目。
さすがに子供も家にずっといることが苦痛になったのか、朝から「お外行こう」と猛烈にアピール。よし、プールに行くか!
ベビーカーを使わず、私一人でプールに連れて行くのは初めてです。更衣は、個室の家族更衣室を使うからいいとしても、一人の靴を脱がせる間、履かせる間、どうしても、もう一人がフリーになってしまいます。この一瞬が恐くて、今までプールへ行く二の足を踏んでいました。
さすがに、ベビーカーに乗るにはもう、悠太・光太はでかい。
まあ、二人ともよく知っている場所だし、私一人で難しければ、職員さんに頼めばいい。そう、覚悟を決めての出発でした。

結果的に、なんとかなりました。
靴を脱がせるときには、ニコニコで脱走しようとするもう一人を足ではさみこんだり、上からのしかかって押さえつけたり、そりゃあ、街中ではできない、あられもない格好でしたが。

プールに入ると、真っ先に、いつも悠太・光太をかわいがってくれていた常連のおばちゃんたちが、大きくなった二人を見て目をまん丸にして声をかけ、手を振ってくれました。「大きくなったねえ。背が伸びたねえ!」
おばちゃんたちが悠太・光太を見るのは、実に4ヶ月ぶり。
久しぶりのプールで、職員さんやおじちゃん、おばちゃんたち。この日いったい何人の人に声をかけられたことか。そしてみんな、口をそろえて「大きくなったねえ!」
確かに・・・大きくなったよね、あんたたち。

 おこもり最終日は、おうちでお水遊び&ドライブで乗り切り、日曜日。
 悠太・光太の夏休み最終日は、交通科学館へ行きました。
 夏休み中とあって、家族連れで大盛況。特別展示室では、ミニSLになんと、無料で乗ることができました。これ、ゲームセンターとかだと、100円くらいとるぞ。無料なのに、なぜか人気うすのミニSL。悠太・光太は、ミニSLを見た瞬間、目がキラ〜ン!「ボク、これ乗る!乗る!」と突進していきました。
順番待ちする人もほとんどおらず、無料なのをいいことに、何回も親子して乗ってしまいました。

 小さな車両が4つ、4人乗り。その車両にまたがって、持ち手を持つだけ。柵も何もありません。
 きっと1年くらい前だと、それに乗る意味がわからず、座ることすらできなかったでしょう。座ってもすぐ降りてしまったり。
 けど、4歳の悠太・光太は違う!車両にまたがって、動き出すまでの間、ちゃんと待つことができました。持ち手を持つことは、なかなか理解できませんでしたが、親が後ろから手をまわして持ち手を持たせ、ミニSLが動き出すと、反射的にしっかり持ち手を自分からつかみ、危なげな様子は全くありませんでした。
 それでも私は、いつ子供が動いているSLから降りるか、気が気じゃありませんでしたが・・・


 そんなこんなで、ようやく2週間の夏休みが終わりました。
 よほど家での生活に飽き飽きしていたのか、2学期の最初の1週間、悠太・光太は元気一杯!それはうれしそうに、ニコニコで園に通うことができました。
 特に光太は絶好調!
 早起きして、お風呂でお水遊びをして、ご機嫌。食の細い光太ですが、朝からしっかりご飯を食べ、園でもちゃんとふりかけご飯を食べ、楽しく遊んでいます。

 木曜日、母子通園で私も一緒に園に行ったときのこと。いつも光太が単独通園のときに入るクラスの先生から、「光ちゃん、最近、笑いの神様が降りてきてますよね〜」と言われました。
 聞くと、光太は朝一でクラスのお部屋に入るなり、ゲラゲラ笑いながら走り回るのだそう。楽しくて、楽しくて仕方ない!といった感じなんでしょうねえ。

単独通園の時の様子は私は見ることがありませんが、その日の様子は、先生が丁寧に連絡帳に書いてくださいます。
24日の連絡帳には、「こうちゃん、よく笑っています。かわいい笑顔をみていると、こっちも癒されちゃいます」とハートマークを二つもつけて、書かれていました。
うれしいですねえ。
この記述を見ただけで、光太がどれだけ園で楽しんでいるか、先生方にかわいがられているかがよく分かります。

園から持ち帰った洗濯物、光太のTシャツや半ズボンには、ご飯粒がたくさんくっついています。時には、ズボンのポケットの中からもご飯粒が出てきます。どういう食べ方したんだ?と思いながらも、光太が手づかみで、懸命にふりかけご飯を食べている様子が目に見えるようです。
泥んこ、ご飯粒、失敗したおしっこパンツ・・・どの汚れ物も、その日1日子供が頑張った証拠、名誉の勲章!
洗濯物を通園かばんから取り出しながら、「今日もよく頑張ったね」と思う母なのです。


もう一つ、笑ってしまった今週の悠太のエピソード。
金曜日、家に帰ってくるなり、悠太がうんちをしました。紙パンツを脱がせると、ほんのひとかけらしか出ていません。「あれ〜、これだけ?ま、いいか」と、うんちと紙パンツを処分して、そのまま私は台所でばたばたしていました。
もうすぐお風呂だし、と悠太はフルチンのまま。

しばらくして、悠太が自分のズボンを手に、おずおずと近づいてきました。悠太がズボンやパンツを手にするときは、「うんちが出るから、紙パンツ履かせて」と言っています。
「あ、悠太、うんち出る?紙パンツはこうか」
私は、台所の洗い物の手を休めて、紙パンツを手にすると、悠太はそのまま、くるっと向きを変えて、居間から続く和室へ行ってしまいました。
和室には、干して取り込んだばかりの敷布団を、熱を逃がすために広げてあります。
紙パンツを手に、悠太を追いかけると・・・干したばかりの敷布団の上に、悠太のほかほかうんちが(しかも、ちょっとゆるめ・涙)!
悠太はなんとも、ばつの悪そうな、複雑な顔をしています。
「うわーっ!ちょっと待って!お母さんが片付けるから!」
慌ててティッシュペーパーとお尻拭きを取りに行き、戻ったそのとき。
自分のうんちを、しかめっつらして見ていた悠太、手に持っていた自分のズボンで、おもむろにうんちを隠したのです。
「うわーっ、ズボンにうんちがついちゃうじゃん!いいから。お母さんがやるから!」

布団カバーにも、もちろんズボンにもうんちがべっとり。それを片付ける私を、ソファの陰から心配そうに見る悠太。その顔を見ると、おかしくて仕方なくなりました。
基本的に、排泄の失敗に関しては寛大な私。特にこのときは、私が悠太に紙パンツを履かせておかなかったのがいけないのですから。
「いいよ、いいよ。えらかったじゃん。ちゃんとお母さんに、うんち出たよ、こっちだよ、って教えてくれたんだよね。恥ずかしくて、隠しちゃったんだよね」

本当に、おかしくておかしくて。
あの小さな頭の中で、何を考えていたんでしょう?
「あ、うんち出る!パンツはかなきゃ。お母さんっ!ああ、間に合わない・・・出ちゃった・・・」
それはそれは、屈辱的(?)だったことでしょう。
そろそろ、うんちは恥ずかしいもの、という感情が芽生えつつあります。「恥ずかしい」という言葉とはちょっと違うのかもしれませんが、漠然と、いや〜な感情は持っているようです。
いやだなあと思って、うんちを隠してみた、と。
一生懸命、頭をつかったんだねえ。
その単純さが笑える、かわいい〜!けど隠すんなら、せめてお母さんの見てないところでしなよ!

これって、たまたま私の気持ちに余裕があったから、笑い事で済んだけど、これが私の虫の居所が悪かったり、疲れていたりしたときだったら・・・我ながら恐い、恐い。
やっぱり気持ちの余裕は大切ですね!



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