1才〜2才

診断まで

 1才半健診のころには歩けるようになり、体の成長は順調と言える範囲でした。
 しかし、指差し、単語を話す、積み木を積むなど内面的な項目では1才半健診のアンケート調査にほとんど丸が出来なかった二人。妻も私も不安を持っていました。私としては言葉や指差しなどは未熟児で生まれてきたこともあり、他の子より遅いこともあるだろうと思っていましたが、視線が合いにくい、呼んでも振り向かない、言葉を全く理解していないなど気になることが多くあり、1才半健診で成長の遅れを指摘され、何かの指示が出ることも仕方ないだろうと思っていました。

 実際の検診では積み木のテストなど全く出来なかった二人。ただし、ふたりとも他の子に混ざって上機嫌でおもちゃで遊んでいました。妻は日ごろの生活の状況、心配ごとを保健婦さんに話しましたが、「未熟児ということもあるので、もう少し様子を見ましょう。3ヶ月後に連絡します。」特別な指示はありませんでした。保健婦さんの言葉はとても優しく、、安心した面はありましたが、成長が他の子とは違うということは事実として残っており、すっきりしないものを感じていました。

2002年9月 2003年1月



 その後、本屋で参考になる本を探しました。育児コーナーでたまたま”中川信子著「健診とことばの相談」”を見つけました。本の中の自閉症の行動特徴が、ゆうた・こうたに見事にあてはまっていました。

 自閉症かもしれない・・・でも笑顔がたくさんあるし、違う気もする。(当時は自閉症のことを、暗く自分の殻に閉じこもった子という誤ったイメージをもっていたので・・・)
インターネットで自閉症に関係するホームページを見て回ったり、本を読んだりしました。その中の自閉症の子の1才台の回顧録がゆうた・こうたと重なります。
ゆうた・こうたは言葉の遅れ、視線が合わない、クレーン現象(欲しいものへ人の手をもっていく行動)、つま先立ち、外で遊ぶときの脱走癖、偏食、睡眠障害など自閉症児によく見られる行動がありました。
 そして、自閉症児にもいろいろなタイプがあることを知りました。きっと、ゆうたとこうたも自閉症と呼ばれるグループの中にいるんだろうな、と思うようになりました。
我が子に障害があることを疑い始めた時期から、それを認めるまでの時期は辛いものでした。障害があることを認めたくない思いの中で、目の前で自閉症的な行動をとる子供を見て悲しい気持ちになることもありました。

 しかし、私が比較的スムーズに受け入れることができたのは、医師の告知より先に、実際に自閉症のお子さんを育てている親御さんの声をインターネットや本を通して聞けたことが大きいと思います。それまで知らなかった自閉症の世界は意外な可能性や喜びがあることを知りました。妻は参加している双子のメーリングリストでさまざまなアドバイスを頂いてたようです。私たちは時間をかけてゆっくりと気持ちを整理していきました。

 「健診とことばの相談」を読んで自閉症かもしれないと思った後、区役所に相談に行き、療育センターを紹介して頂きました。それから療育センターで毎月1回、保育士さんと遊びながら発達を見てもらっていました。そして、2003年の9月(修正月齢で2歳になったタイミングで)発育テストを受け、その結果から自閉傾向がある知的発達障害と告げられました。自閉症かもしれないと思った後、診断まで7ヶ月が経っていました。この7ヶ月間は私たちの気持ちを整える大切な期間でした。

 以上、診断までを振り返って見ましたが、きれいに書き過ぎたかなあ、という感があります。自閉症を受け入れる気持ちの整理が出来たからといってすべての不安がクリアになるわけではありませんし、子育ての大変さは変わりません。また、妻の立場からは違った見方になると思います。

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