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アーモンドマルセル370です
とてもポピュラーなモールドで、何か370だらけ。
しかも、サイズも顔もまちまちで
出来不出来がとてもある不思議なモールド。
ポリシーは無いのか!。。。と言いたくなります。
例えば、よくブリューは完璧主義者で、
自分の本当に気にいった物しか世に出さなかった。。。
といわれています。芸術家肌。
ですから、極端に数が少ない=お値段高い。
200万はブリューでしたら普通です。
世界中、その価値を認めていますから。

マルセルは、
たぶん一番数が出回っているドールなので、
お手ごろなアンティークドールと言えます。
大量生産と言うか。
しかし、すでに申し上げたように
数が多い=クオリティ-ばらばら、なので
ここのお人形を選ぶにあたって
そこが留意点かも知れません。

さて私のマルセルちゃん。
お約束の、問題あり。。。ちゃんです
お顔はとても可愛い。
サイズもキャビネットサイズで立ち姿は
バランスが取れていてとてもきれいです。
では何が問題なのでしょう?
アメリカのオークションサイトで
マルセルちゃんを初めて見たとき
「まあなんて不機嫌な子でしょう」と思いました。
売り手はマルセルを同時に二つ出品してまして
サイズも同じ、モールドも370と同じでした。
ただこのマルセルちゃんは、
胸の所にCOLUMBIAと言う赤いステッカーが
貼ってありました。コロンビアって何?
そして
何がそんなに嫌なの?と聞きたいほど
眉をひそめたような、深刻な顔の子でした。
実際私が最高入札者に決まったとき
「深刻な顔をした方のマルセルを」
と念を押したぐらいですから。
間違って違う370じゃ困ります
と言うのが本音です。
ですから、実際お顔を見るまで売り手の人
信用してませんでした。ごめんね、リンダ。

2つ比べても断然この子は強い意思を持った
きかんぼちゃんに見えました。
問題は、写真で見ると
このマルセルちゃん、ボディーが
大変なことになっている事でした。
右腕とお腹のあたり
どうもねずみ君に齧られてしまったようなんです。
あいたたた。。。痛いってば!
私ったら、美味しいの?!
マルセルちゃんのボディーは
ショルダーヘッド、キッドボディーといって、
肩から上,肘から下のみがビスクで
あとのボディーは革で出来ています。
中には大鋸屑や、物によっては
馬の毛などが詰められています。
そこがねずみ君には美味しいところなんでしょう。
屋根裏か何処かに忘れ去られたマルセルちゃん、
長いこと日の目も見ず、
耐え忍んでいたわけですね。齧られながら。

これが、お高いジュモー、ブリュー、
ゴーチェクラスともなると
ハイクラスな生活をエンジョイするわけです。
たとえば、
フランスの有る女性がイギリスに嫁ぐとき
3体のジュモーのお人形を連れて行き
最近、屋根裏から当時のまま100年以上経って
見つかりオークションに掛けられ
高額で取引されたそうです。
同じ屋根裏組でも
マルセルちゃんにはそういうチャンス、心配ゼロです。
庶民の味方、ビスク界のリカちゃん人形。
ばらばらのクオリティーも
ま、いっか。。。です
だって庶民だもーん。
さて、
家に着いたとき右腕からは大鋸屑がこぼれてしまって
文字どうり、「皮」しか残っていませんでした。
私が綿を詰めて、シルクの布を貼り
腕と胸を修理しました。外科手術です。
(ケストナーちゃんは脳外科プラス眼科でしたね)

髪の毛無し、洋服無しのナイナイ尽くしの
マルセルちゃんでしたので、
親代わりとしては
アメリカからブロンドヘアーを取り寄せ、
淡いグリーンの総レースのドレスを作り、
納得はしていないが靴を作り、
(参考:ジュモーページ)
靴下、花飾りを作りました。
見たかねずみ、この可愛さ!
見るたびにその均整のとれた小柄な姿に
満足の日々です。もう君はパーフェクトさ!

別のお洋服が考えつかないほど
このドレスがお似合いです。、
あの不機嫌そうだった惨めなマルセルちゃんが
にこにこしてるんで、暫くはこのまま。

HEAD MARK
370
AM 2/0  D.E.P.
Armand Marseille
Made in Germany
18inch (45cm)

さて同じアーモンドマルセルでも
評価が俄然高くなるのがこのグーグリーです。
ただこれが好きな人は、別グループ。。。という
感じがします。
美女、美しさ追及グループと、
可愛さ、愛らしさ追求グループ。
グーグリーは後者でマニアック、
好きな人にはたまらなく魅力的。
まず何しろちっちゃい。
この323は18cmしかありません。

グーグリーの特徴はそのくりくりした大きな目、
それが横向きなっているところなのですが
この子はそのどちらでもない。
さすが問題有りコレクション。
でも、
皆さん一度このグーグリーちゃん見てごらんなさい。
とろけますよー
母はこの子がアメリカから着いたその時に
丁度、立ち会いました。送った人がまた
いい人で、何重にも、何重にもパッキングです。
やっと本体に辿り着いて開け、あまりの小ささに
ほひょひょひょ。。。
赤ちゃんを見てるよう。
力ぬけたでしゅ。
母が、
「この子見てると、こっちまで幸せになるね」
それって最高の誉め言葉です。
イノセント。。。と言う言葉がぴったり。
私グーグリーマニアでは有りませんが
このちびちゃん達、面白いです。

このグーグリーちゃん、珍しくドレスは
購入時のままです。
オリジナルかは不明ですが
とても丁寧な仕事だと思います。
ドレスがオリジナルかどうかの決め手は
ミシン目の細かさだ。。。と言う人がいます。
このグーグリーちゃんのドレス、
いったいどうやって縫ったんだ?
と思うほど細かーい!
アンビリーバボーなんです。
今のミシンじゃ絶対無理な針目。
ミリ単位以下の仕事。
私もスカーフの三つ折端ミシン、
全国大会あったら、賞取る自信有ります。
でもこの子のドレス縫った人には
かないません。脱帽。
グーグリーちゃんはいつも微笑んでいます。
当たり前か。。。。
おててはゴムがちょっと緩いせいで
何かぷらぷらです。
ドレスもボンネットも何かほわほわ頼りない。
しっかり、がっちりの大型ドールとは
まったく違います。
かといって小さなおすましオールビスク ドールとも
違うんです。

全ては母が指摘したように
その笑顔に有るのだと思います。
大人をも思わず微笑ませる
そのお茶目で、無邪気な笑顔に。
うーむ。。。たかだか18cm。
恐るべし、アーモンドマルセルグーグリー!




HEAD MARK
germany
323
A 11/0 M
7inch(18cm)
Kestnerのお部屋へ FY-Nipponのお部屋へ
  (Sep. 18, 2001)


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