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「ミッドナイト・スラスト」について

 Bー36爆撃機の活躍した時代について参考になる本に「ミッドナイト・スラスト」があります。

ハロルド・キング著

小梨 直 訳

東京創元社 

1989年 発行

 1953年3月、ジョセフ・スターリンは脳溢血で倒れた。ちょうどそのころ、デンマークの空港にポーランド国籍のミグー15が一機降り立ち、亡命を求めていた。さらに、アメリカ空軍Fー84戦闘機2機がチェコ領空を侵犯し、ミグー15のミサイル攻撃を受けて撃墜されるという事件が発生、東西陣営間の緊張はいやがうえにもたかまった!そのさなか、NATOの合同軍事演習をよそに、アメリカ空軍が極秘裡に遂行した夜間侵入(ミッドナイト・スラスト)作戦とは・・・・?(上巻 ボデイコピーより)

<ミッドナイト・スラスト>作戦、なんとそれはアメリカ本土爆撃演習だった。だがいったい何のために?超低空有視界飛行で大西洋を超え、アメリカ東海岸の防空網を突破すべく、アゾレス諸島の基地を飛び立つBー36、57機。この大演習の件が東側に察知されれば、東西間の緊張は限界を超えてしまうのだが・・・・・。一方、大編隊目がけて超大型台風が北上を続けていた!スターリンの死をめぐる戦慄の4日間を描いた軍事スリラー巨編。(下巻 ボデイコピーより)

以上この文庫本の裏カバーのボデイコピーですが、 医師団陰謀事件を引き起すようなパラノイア絶対権力者スターリンが死んだ後の、敵対国ソビエトの予測のつかない行動の恐怖に、駆り立てられたアメリカ戦略空軍の先制攻撃のひとつが「ミッドナイト・スラスト」でした。これは小説ですがこの当時、このような作戦が実施されたことは充分に考えられます。

 当時、1950年代(フィフテーズ)ですが、この時代は今、日本の若者が想像するようなアメリカン・ドリームの明るい世界だけではなかったのです。もちろんアメリカは世界1のお金持ちでしたし、今の日本人が持っている、日本人が考えるアメリカン・ウエイ・オブ・ライフの多くをアメリカ人は享受していましたけど・・・・。しかし、すでに大スターだった、あのプレスリーも徴兵で軍隊にいきました。「第3次世界大戦ー核戦争の恐怖」はアメリカ国民にとって大変みじかな感覚だったのです。

つづく