第8回 話法の助動詞の意味




今回は、話法の助動詞について、ちょっと細かく見てみます。
以前に、話法の助動詞について通りいっぺん触れたのですけど、あの、英語の can とかでも、「〜することができる」という他に、「〜なはずである」という意味もありましたよね? must の「〜に違いない」とか。

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ドイツ語の話法の助動詞でも、このような解釈の仕方がありまして、それについてやっていこう、というわけです(・_・)/

まず、können から見てみましょう。 これは、Er kann Deutsch sprechen. という可能を表わす他に、やはり英語と同じように、「〜なはずである」という意味があります。

Mann kann das nie wissen.  そんなことが分かるはずがない。 


その他に、「〜かも知れない」と推定を表わしたり、また、許可の意味になったりすることもあります。

Das kann sein.  そうかも知れない。 
Kann ich hier sitzen?  ここに座ってもいいですか? 


(dürfen を使って許可を求めるよりも、やや気楽な感じになるようです)

(え〜と〜、教科書とかにはあまり解説はないんですが、しかしその教科書付属の練習問題とかには、けっこう、この手の用法が出題されているように思えるのは、気のせいなのだろうか(^_^;))

それから、müssen です。
これもやはり、「〜しなければならない」という他に、「〜に違いない」という意味になります。

Er muss krank sein.  彼は病気に違いない。 


それから今度は sollen です。
sollen は、「〜すべきである」という意味に加え、「〜という噂である」という意味にもなります。

Er soll sehr reich sein.  彼は金持ちだと言われている。 


多少、疑わしいわけですね(笑)

その他、第三者の意志、つまり命令や依頼を表わすこともあります。

Der Kranke soll noch nicht aufstehen.  患者はまだ床を離れてはいけないと(医者に)指示されている。 
Er sagte zu ihr, sie solle sofort nach Hause gehen.  彼は彼女にすぐ家に帰るように言った。 


(2番目の例は、間接話法の言い方と関わってきます → Er sagte zu ihr: "Geh sofort nach Hause!")

そして、wollen です。
この wollen は、「〜するつもりである」の他に、「〜と主張している」という意味になることがあります。

Er will Schauspieler sein.  彼は俳優だと言い張っている。 


かなりあやしい訳です(笑)

あとは、以前にも触れたのですけど、「許可」を表わすdürfen は、否定の言葉と一緒に使われたら、「禁止」の意味になります。それから、「推量」を表わす mögen も、「好み」を表わすこともあります。

Hier darf man nicht parken.  ここに駐車してはならない。 
Ich mag nicht nach Hause gehen.  私は家に帰りたくない。 


mögen の場合も、否定の意味で使われます。肯定的に使う場合は、möchte になります。

(mögen が本動詞として使われて「〜が好きだ」となる場合も、前に挙げましたよね(^_^))

話法の助動詞の使い方については、これにさらに接続法も絡んでくるときもあって、なかなか難しいのですが(^^ゞ
とりあえず、今言ったように使われることもある、ということを頭の片隅にでも留めておいてください(笑)