- 冬の積雪が多かったせいで、車は広蔵橋の一つ下流の橋までしか入れなかった。5人組パーティと単独行が出発の準備をしていた。
- 倉谷林道をU字にカーブしているところまで進んだ。5人組はここで幕営との事だった。先行単独行の足跡に従い雪面を登り始めた。回りはブナの新緑で、雪の上には茶色い芽吹きのぬけがらがたくさん落ちていた。
- 標高500mから600mにかけての尾根はヤブが出ていた。踏み跡はしっかりしていた。イワウチワがたくさん咲いていた。600mからは急な雪面でピッケルを使って登った。854mの尾根は左側から巻いて登った。
- 950mの平らな雪面にテントを張った。正面には魚止山、振り返ると御神楽岳が見えていた。
- 翌朝はアイゼンを着けて出発した。魚止山と1120m峰との間の鞍部に先行単独行のテントが有った。出発の準備中だった。1055m峰からはヤブが続いていたのでアイゼンを外した。木はうるさかったが踏み跡はしっかりしていた。三川分水峰の南側の広い台地にテントを張り、余分な荷物を置いた。準備をしているうちに5人組に追いつかれた。
- 三川分水峰からは雪面になったりヤブになったりで、いくぶん歩きやすくなった。鞍部のところは青い一枚岩が露出していた。尾根が南北方向に変わると、ようやく雪面が連続し快適になった。
- 前矢筈岳へは急な雪面の登りだった。前矢筈岳で別の5人組に追いつかれた。日帰りの予定との事だった。
- 矢筈岳までは一部ヤブがあるものの、おおむね快適に雪上を歩くことができた。最後の緩い雪面を登ると山頂に着いた。標識のところは笹が出ていた。青里山方面からの単独行も加え、15人のにぎやかな山頂だった。やがて5人組2パーティが出発して行ったので、そよ風だけが吹く静かな山頂になった。
- 帰りはすっかりゆるんだ雪上を軽快に下った。三川分水峰に戻ると翌日登るという単独行がテントを張っていた。我々のテントは、回りが雪解けで10cm近く低くなっていた。
- 翌日、1220m峰と魚止山の鞍部まで来ると、単独行のテントがまだあった。昼寝をしていた。854mからの下りは尾根を直進したため、登りとは違うルートになった。方角を右に振ったが、下り過ぎて標高600m地点に出るために30mほど登り返した。5人組パーティのどちらかも間違えたらしく、登り返した足跡が有った。600mからは見覚えのある場所を下り、無事林道に下りた。結局、この日は登山者とはすれ違わなかった。
- 御神楽温泉に寄って3日間の汗を流してから解散した。