- 高下岳・和賀岳を経ての縦走の最終日は、暗いうちに小杉山を出発し、白岩岳への道に入った。最初は笹原だった。かなり笹が登山道にかぶっていた。どうなることか不安を覚えたが、樹林帯に入ると道がはっきりしてきた。落ち葉でふかふかで膝に優しかった。あまり夜露は下りておらず靴はあまり濡れかかった。20分ほど歩いたところで懐中電灯が不要になった。ブナ林の黄葉がきれいだった。
- 錫杖の森手前のピークを右から巻くと錫杖の森への登りになった。ストックをザックに付けた。ロープの張られた岩の裂け目を登った。錫杖の森の標識の有る小ピークで休んだ後、次の鞍部へ向かった。鞍部は水平な岩場になっていて両側が切れ落ちていた。蟻の戸渡りのような感じでロープが手すりのように横に張られていた。バランスを取りながら通過した。登りも岩場が連続した。最後のロープは岩場を横にへつるところだった。最後にロープから手を離して木の幹を越えなければならず緊張した。岩場を過ぎて標高1000m付近まで登るとようやく緩い登りになった。
- 兎森までは、黄葉のブナ林の緩い登りだった。錫杖の森での緊張をいやされる感じがした。兎森からも黄葉のブナ林が続いた。途中で白岩岳山頂部が見えた。白岩岳の山頂手前に朽ちた山頂標識の有る広場が有った。
- 樹林に囲まれた白岩岳山頂は早々に出発し、白岩薬師へ向かった。黄葉の潅木帯だった。時々和賀岳が見えた。白岩薬師からは白岩岳山頂部とシルエットになった和賀岳の稜線が見えた。
- 白岩岳山頂に戻ると青森県からの単独行が休憩していた。白岩薬師へ行く事を勧めたが「疲れたのでここまでにする」との事だった。少し話をした後、先に下山し始めた。ブナの黄葉は下るに従い緑になってきた。途中で先程の単独行に抜かれた。シシ小屋跡からは植林帯になった。
- 登山口では、先程の単独行が待っていてくれた。角館駅まで車に乗せてもらい、予定より2時間半早く帰宅できた。感謝。この日出会った登山者は1人だけだった。