- 見越山からの下りは一部夏道が見えていた。見越山と奈良岳の鞍部に先行の単独行者のテントのあとがあった。今まではっきりしていた昨日の足跡が、ここからは今朝の寒い時間帯の足跡になり、かすかなものになった。奈良岳まではアイゼンをきかして軽快に登った。
- 奈良岳山頂は広かった。奥三方山方面からのはっきりした足跡があった。大笠山方面に向かっていた。
- 奈良岳からの下りは広い斜面だった。雪がゆるみ、ところどころザラメ状になっていた。滑ってころび1m位落ち、あわててピッケルで止めた。こんなところで滑落停止をするとは思わなかった。
- 奈良岳から大笠山にかけては、雪庇が多かった。気温が上がり、雪がやわらかくなってきた。雪庇が崩れているところでは、念のため一人一人間をあけて通った。
- 地形図の1668mピークの手前の約1660mの小ピークにかかるところで足跡は引き返していた。雪がゆるんでいるので1660mピークを巻くのは危険なため、直登した。登りの途中で昨日からの単独行者のかすかな足跡を見つけ、少しほっとした。
- 大笠山への登りを下から見ると、こんな急なところが登れるのかという感じがした。実は雪がとけてザラメ状になっているところが黒くなり逆層の段があるように見えたのだった。キックステップを使って普通に登ることができた。
- 大笠山山頂は広かった。東尾根を下山する単独行者とすれ違った。この山行で初めて人だった。曇ってきて少し寒くなってきた。これから向かう笈ガ岳は、まだだいぶ先に見えた。