- 温井集落から車で林道を登っていくと雪が現れてきた。田茂木池まで登ると一面の雪景色になった。除雪終点の手前、標高840m付近の車数台の空きスペースに駐車した。雨の中、レインウェアを着て出発した。今回は8人の大人数だった。車道の両側の雪壁は、場所によっては3m近くあった。
- 除雪終点から雪の斜面を登り始めた。浅い谷を黒倉山との鞍部へと登っていった。周囲のブナ林は、雨で新緑が霞み、幻想的な感じがした。どうやら昨年はブナの実が豊作だったようで、足元にはブナの実がたくさん落ちていた。
- 谷は次第に浅くなり、斜面もだんたん急になっていった。最後は斜面を右に少しトラバースして黒倉山との鞍部に着いた。鞍部付近のブナの根元の穴は、まだ人間の身長より深く、2m近い積雪があった。
- 鞍部からの一登りで山頂に着いた。広々とした雪面になっていて一角だけ土が出ていて三角点が見えていた。テントを4張り張った。山頂付近の灌木は、まだ葉が出ておらず、新緑はこれからだった。雨は相変わらず降り続いていた。2-3人用テントに8人入っての鍋の夕食は窮屈だった。風が強く、夕食中にテントが1張り飛ばされて、あわてて追いかけ、テントの紐を灌木に縛り付けて張り直した。
- 翌朝、朝の霧はどんどん晴れ上がり、青空が広がった。紅茶を飲み、くつろぎながら朝食を食べた。出発までのひととき、展望をゆっくりと楽しんだ。
- 下りは東側の尾根に向かった。少し下るとブナの森になり新緑があざやかだった。尾根が急坂に変わるところは、まっすぐ下ると「巨木の谷」との事だった。安全を見て左側の尾根に迂回し、緩いところを通って巨木の谷に降りた。谷の中央付近に森太郎と呼ばれる巨木が有った。この木は「ブナの山旅」(坪田和人著)によれば、ブナの巨木ベストテンに入るそうだ。見上げると、幹の別れるところにヤマザクラ寄生していて花が咲いていた。少し下った所には森姫と呼ばれる一回り小さい巨木があった。こちらの方は枯れた枝が多く、新緑も少な目で、やや勢いが無かった。
- 巨木に別れを告げ、尾根を越えて車の所に向かった。ガイドに連れられた10人ほどの登山者や、スキーをかついだ5-6人のパーティとすれ違った。
- 帰りは千曲川沿いの温泉で一浴した。