- 豊後中村駅で雨が降り出したのでレインウェアを着てバスに乗り込んだ。長者原のくじゅう登山口に着いた時は霧雨だった。湿原の木道を歩き出した。遠くからカッコーの鳴き声が聞こえてきた。
- 山道に入り樹林帯を登って行った。風が吹くたびに雫が落ちてきた。雨ヶ池が近づくとミヤマキリシマが咲いていた。雨ヶ池手前のベンチで休んでいるとテント装備の夫婦が追い抜いていった。雨ヶ池付近からはぬかるみがひどくなった。
- 坊ガツルには30張り以上のテントが有った。水はけの良さそうな草地にテントを張っていると、途中で抜いていった夫婦に「着きましたね」と声をかけられた。夕食を食べ終わると9時近くになった。雨のせいか周囲は静まりかえっていた。
- 翌朝、雨はやんでいた。早朝に見えていた周囲の山々は、日が差してくると再び雲の中に入ってしまった。前日が遅めの到着だったため、出発を遅めにした。
- 最初は暗い樹林帯の登りだった。鳥のさえずりが多かった。ぬかるみが多かった。次々と登山者とすれ違った。ぬかるみが少なくなってくると大戸越(うとんごし)に着いた。ミヤマキリシマがたくさん咲き、登山者が20人位休んでいた。平治岳(ひいじだけ)山頂方面は霧の中だった。
- 平治岳へは登りコースと下りコースが分かれていた。登りコースはやや急坂だった。途中ではミヤマキリシマがたくさん咲いていた。南峰を通過し、平治岳山頂まで一気に登った。
- 平治岳山頂は霧の中だった。登山者が約25人いて霧の晴れるのを待っていた。ウグイスが鳴き、そよ風が吹いていた。30分ほどたつと霧が晴れ始め、周囲のミヤマキリシマがきれいに見えてきた。一番きれいな西側の肩まで行ってみた。ミヤマキリシマがたくさん咲き登山者も大勢休んでいた。
- 下りは南峰で一休みした。南峰先端の岩の所まで行くとミヤマキリシマ越しに坊ガツルと三俣山(みまたやま)が見えてきれいだった。休んでいた男性から「この付近から三俣山を撮ると一番良いらしいんです」と言われた。南峰からは下りの一方通行を通った。登りの道よりこちら側の方が緩かった。
- 大戸越の登山者は約60人に増えていた。それぞれミヤマキリシマを楽しんでいた。大戸越から大船山(たいせんざん)への登りでも多くの登山者とすれ違った。周囲は高さ2.5mほどの潅木帯でエゾハルゼミが鳴いていた。所々で展望が開けピンクに染まる平治岳が見えた。
- 北大船山は1706mの標高点の所で一休みした。山頂標識は次のピークに有った。この付近もミヤマキリシマがきれいだった。段原の避難小屋は改築中で、ヘリコプターが盛んに荷揚げ作業をしていた。8月に完成するとのことだった。
- 最後の急坂を登ると大船山山頂に着いた。約20人の登山者が休んでいた。ミヤマキリシマが咲き、そよ風が吹いていた。三俣山や立中山(たっちゅうさん)の山肌がミヤマキリシマのピンクに染まっているのが見え、きれいだった。
- 帰りは段原から坊ガツルへ向かった。樹林帯の木漏れ日の下りだった。エゾハルゼミが盛んに鳴いていた。
- 坊ガツルのテントの中は強い日差しですっかり暑くなっていた。中に置いておいたチョコレートは暑さで溶けていた。まだ時間が早かったので、法華院温泉まで行って入浴し、ビールを飲んでくつろいだ。
- この日のテントは52張りだった。翌日の九重山群一周を楽しみに眠りについた。