- 「高倉山の湧水 長寿の水」に車を置いて登り始めた。良い天気だった。最初はヤブの急斜面でアカマツとミズナラが多かった。標高900mの送電鉄塔には左手から巡視路が登ってきていた。鉄塔からの急登には階段が付いていた。
- 標高1020m付近からは雪面の登りになった。柔らかい雪で10cm位足がもぐった。キックステップで登った。1075m標高点を過ぎると尾根がやせてきた。たびたび手を使って体を引き上げた。
- 高倉山山頂は雪に覆われていた。西側半分はヤブだった。高倉山からは平坦な尾根になった。1313m峰への登りには少し長めのヤブが有った。1313m峰にはブナの木が多かった。東寄りで展望が得られた。
- 1313m峰から下ると平坦なブナ林になった。足跡が出てきた。鞍部から一登りで横山の東の肩に着いた。神籠ヶ岳への稜線の分岐点にテントを張った。天気予報では翌朝は冷え込んで麓の気温が-7℃になるとの事だったので靴もテントの中に入れて一夜を過ごした。
- テントの場所は風を避けられたので朝の室温は1℃までしか下がらなかった。外の雪はカチカチだった。アイゼンを付けて空身で横山の山頂に向かった。
- ほとんど平らな稜線を進んだ。昨日からの足跡が有った。最後に少し登ると横山山頂に着いた。北側の展望が良く、真っ白な飯豊山が見えた。山頂で日の出を見た。
- テントに戻り神籠ヶ岳に向かって出発した。雲一つ無い快晴だった。硬い雪はアイゼンが良く効いた。1320m峰への登りはピッケルもあまり刺さらず、アイゼン無しでは登ることができないほどだった。1291m峰へはアイゼンが良く効いた。ミズナラとブナの森の登りだった。1291m峰では南側の展望が得られた。
- 1381m峰へも急な登りだった。アイゼンを効かせて登った。1381m峰は広い山頂だった。ブナ林で西側の展望が得られた。1381m峰からの下りにはスキーの跡が有った。
- 神籠ヶ岳への登りは、ヤブを避けて稜線の西寄りの雪面を登った。神籠ヶ岳山頂は西側に木が生えていた。山頂の北寄りからは白い飯豊山が見えた。
- 神籠ヶ岳からの下りは広くて緩いブナの尾根だった。スキー向きの斜面だった。時々木がまばらになり飯豊山が見えた。次第にアイゼンは効かなくなり、1181m標高点手前のヤブが出てきたところで外した。
- 桧和田峠へは、ヤブの多い下りだった。尾根を間違えて少し左寄りに進んでしまい2度GPSで確認して正しい尾根に戻った。約10分ロスした。
- 桧和田峠は西半分が桧植林だった。桧和田峠からの登りはヤブの急登だった。草木は少なめで比較的歩きやすかった。登り着いた1029m峰は雪で覆われていた。烏帽子岳との鞍部まではヤブ、鞍部からは雪面になった。
- 烏帽子岳は雪に覆われた疎林の中の山頂だった。烏帽子岳からの下りは柔らかくなった雪面を快適に下った。949m三角点までは雪の上を歩けた。949m三角点で左折して尾根を下って行くと、やがてヤブになった。最後は川沿いに進み林道に出た。林道を大内宿まで歩いた。結局、二日間、山中では誰にも会わなかった。
- 大内宿で福島県警のお巡りさんに呼び止められた。「湧き水のところに車を置いている方ですか」と聞かれた。「『山に登った人が夜になっても帰らない』と住民から通報があったので調べていた」との事だった。お巡りさんに車の所まで送ってもらった。