- 前夜は、新潟で起きた地震のニュースを聞きながら登山口に張ったテントの中で寝た。翌朝は、車の音で目が覚めた。時計を見たら5:05だった。簡単な朝食を取り、テントをたたんで出発した。
- 最初の丸木橋を渡ったところで、キノコ取りの単独行に抜かれた。加無沢出合付近からブナが多くなった。
- 一回目と二回目の徒渉の間で対岸にスラブ状の岩壁が見えた。小さな支流を渡ったところで道が二手に分かれていた。最初、右側に進んだが、顔にくもの巣がかかったので、違うと判断し、左上の道に進んだ。こちらの方が正しい道だった。
- ブナ林は、やがて岩壁をへつる道になった。岸壁を這うツタが真っ赤に紅葉していた。胎内くぐりと呼ばれる岩場に着いた。巻き道も有ったが、中をくぐった方が安全そうに見えた。肩幅よりわずかに広い程度の岩の隙間をくぐった。
- 急坂を登ると女加無山と男加無山との鞍部の「挽割」に着いた。挽割からしばらくは、はっきりした道だった。左右の黄葉がきれいだった。やがて岩屋に出た。岩屋の先の道は無かった。岩屋手前から尾根を直登する部分は倒木でふさがれ、その先は笹ヤブになっていた。30分位、行きつ戻りつして、ようやく、倒木先の笹ヤブの中にかすかな踏み跡を見つけた。帰りに分かりにくくなりそうなところで笹の葉を木の枝に縛り付けて目印にした。ヤブの中で、いつの間にか手にはめていた時計を紛失していた。以後、携帯とデジカメで時刻を確認した。
- 山頂にかけては、厳しい岩の道だった。木の根や、枝をつかんで三点確保しながら進んだ。苦労して登った山頂は笹に囲まれていて展望が無かった。
- 山頂手前の大岩まで戻り、展望を楽しんだ。大岩からの下りで単独行とすれ違った。やはりヤブに入るところで迷ったとの事だった。ヤブのところで、行きに落とした時計を探したが見つからなかった。
- 加無沢出合から登山口に戻る途中で、今朝一番に出会った単独行に追いついた。ナラタケとナメコでいっぱいになったザックを示しながら「荷物が重たくて」と言っていた。