- 朝一番の電車で近鉄湯の山温泉駅に着いた。下りた乗客は二人だけだった。まだ薄暗い中を歩き始めた。
- 時折、山に向かう登山者の車に追い越されながら歩いているうちに、明るくなってきた。正面には御在所岳が見えた。湯の山温泉の温泉街を通り一ノ谷新道分岐の手前から山道に入った。谷沿いの道は黄葉がきれいだった。
- 武平峠まで登ると急に風が強くなった。武平峠からはいったん武平トンネル西口まで下りになった。鎌ガ岳や御在所岳に登る登山者とすれ違った。武平トンネル西口の駐車場は登山者の車で満杯だった。
- トンネル西口からは、しばらく植林帯を進んだ。やがて紅葉が見頃の山腹のトラバース道になった。七人山のコルへ向かう谷間の道も黄葉がきれいだった。七人山のコルは草原があり落ち着ける雰囲気だった。コル付近まで登ると、ほとんどの木が葉を落としていた。
- コルからしばらく登ると笹原の道になった。笹原を登っていくと東雨乞岳に着いた。360度の展望だった。強風が吹いていた。風を避けるため笹の間で休んだ。東雨乞岳から雨乞岳の間も笹原だった。鞍部までの下りは特に風が強かった。雨乞岳への登りになりようやく風もおさまってきた。
- 雨乞岳山頂は15人ほど登山者がいた。冬型の気圧配置のせいで太平洋側は晴れていたが鈴鹿の山々の上は雲に覆われていた。冷たい風が吹いていた。他の登山者の暖かいうどんがおいしそうだった。冷たくなったおにぎりをがまんして食べた。風が強い上にガスが出てきたので、どのグループも早々に退散して行き、静かな山頂になった。携帯が通じたのでメールを出していたら手がかじかんできた。防寒のためレインウェアまで着込んだが体が冷え切ってしまった。
- 下山は杉峠へ向かった。しばらく眺めの良い尾根を進むと急な下りになり、やがて杉峠に着いた。杉峠からは滋賀県側へ下山した。標高が低くなるに従い紅葉がきれいになった。林道の起点には車が20台以上駐車してあった。
- 長い林道と車道歩きの末に甲津畑に着いた。冷え切った体にはバスのぬくもりが暖かだった。