タリー  1/10〜19

 タリーのバッパーに着いて、 「仕事ある?」 と聞くと、 「来週からならあるかも」 という返事。 その日は木曜日だったが、他に当てもない為、待つ事にした。 と言っても、タリーはメインストリート1本の小さな町。 時間つぶしの方法が見付からない。 ラフティングで有名なタリー川を探そうとしたが、 〈この先50km〉 という標識を見て断念。 しかしその帰りにプールを発見! 50mのちゃんとしたプールだ。 暇つぶしの方法は決定! それ以降、空いている時間は、泳ぎに行く事になった。 

バナナ

 タリーに来て4日目の日曜日の夜、レセプションのお姉さんが、紙を持ってきた。 仕事の紹介だ! 明日から仕事があるらしい。 5時50分ピックアップなので、寝坊しないように早く寝る。 仕事なのに、何故か嬉しい。

 翌日、車に乗せられて着いた所はバナナ畑。 バナナ刈りの仕事らしい。 ペアになり、1人はバナナをカットして、1人はカットされたバナナをトラックまで運ぶ。 私はもちろん運ぶ役。 私がバナナの房を肩にかつぎ、スタンバイOKになったところで相方が房を切り落とす。

 「ザクッ」→「うわっ、オモッ!!」 このバナナが重かった! 30キロくらいあったと思う。 おまけに足場も悪く、運んでいる最中、かなりフラつく。 体を鍛えるには良い仕事だと思うが、ちょっとツラ過ぎた。 肩も痛くてたまらない。骨がどうにかなってしまいそうだ。
 唯一の救いは、満タンになったトラックが工場に戻って、次のトラックが来るまで休める事。 この休憩がなかったら、きっと倒れていただろう。 「ピッキングは楽しい。」 などと言っていた友達は、一体どういう神経してるんだ?
 あと、覚悟はしていたが、服もすごく汚れる。 バナナにはビニールが被さっているが、そのビニールに水が溜まっているのだ。 もちろんキレイな水ではなくて、泥水。 それを肩に担ぐ時に、頭からかぶる事になる。 そのせいで、全身泥水まみれ。 もちろんパンツもびしょ濡れになり、仕事中は気持ち良いものではなかった。

  「こんな仕事いつまで続けよう・・・。」 と思っていると、2日目の最後に、 「明日から仕事がないので来なくていい。」 と言われた。 「明日からは、もっと大きなバナナを収穫する。」 と聞いていたので、きっと私には無理だと思ってクビにしたのだろう。 普通クビにされると、悔しいもんだが、この時は嬉しかった。 「休めるって幸せだな〜。」 休日の有り難味を、久しぶりに思い出させてくれたバナナピッキングだった。

タリーのバッパー(バナナ・バラックス)。 10日間居て仕事は2日しかなかったので、ほとんどここで過ごした。


銀行口座

 オーストラリアに来る前に、シティバンクの口座を作り、ずっとそれを利用してきた。 しかし、オーストラリアではシティバンクに入金できない。 ピッキング先のファームでも、新しく銀行口座を作るように言われ、タリーで作る事になった。 2週間は滞在するつもりだったので、何も考えずに申し込んだ。 しかし仕事はたった2日で終了・・・・。 カードが届くのは1週間後程。 結局カードを受け取らずにタリーを出る事になった。
 友達に頼んで送ってもらい、帰国前には受け取る事が出来たが、ATMに入れてもエラーがでて使えない。 残高確認も不可能。 いろいろ理由もあって、口座を閉めずに帰国してしまった。 いまだにバナナピッキングでいくら稼いだのかは不明だ。 コモンウェルスなんかにするんじゃなかった。 

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