ATOのFM Sakudairaミキサー日記

第9話 「ミキサーな一日・後編」
99.2.13 放送分

 さて、朝のニュースでの小手調べが終わると、メインの「サンデーフリーウエイ」のミキサーの準備に取り掛かることとなる。
大概は、BGMの選曲に費やされるわけだが、そのBGMがむつかしい。

イイジマンの場合は、ゴンチチとかT−SQUARE、カシオペア、、、、などが使えるんだけど、本日のパーソナリティーである、林家さんぽ師匠の場合は、デジタルサウンドが似合わない番組内容でも有るので、悩む。

以前は、マンボとかラテン系の曲でまとめたこともあったが、いかんせん音源不足と私のセンスのなさが抜きんでているので、なんともいやはや・・・の状態。
で、悩みながら棚を眺め、今回はJAZZで行くことにした。理由は特にないが、グレンミラーとかマイルスデイビス、カウントベイシーだとか、それぞれのアーチストごとのベスト版があるので、その中から何となくA列車で行こうが入っていたベニーグッドマンのものを選んだだけである。はっきり言って、こんな選曲で良いのかは迷うところだが、少なくともギンギンギラギラのサウンドで、さんぽ師匠と柳沢さんの掛け合いは聴きたくないと思った。

さて、時計の針が11時15分を回ったころ、今回の出演者が揃い打ち合わせに入る。さんぽ師匠、松太郎師匠、そして、須坂からやってきたゲストの「えべさやすいせい」さんである。

えべさやさんは、須坂の落語愛好会の方で、さんぽさんにも負けないほどのキャリアを持つ方である。今回は彼の落語が聞けるというので非常に楽しみ。出囃子専用のCDを持参して、気合い充分の出演である。

11時45分スタジオ入りした面々は、雑談を重ね、11時54分のONAirになりました。

テーマミュージックからタイトルコールが入り、ゲストを除く3人がわいわいがやがやと雑談をしています。そのまま1曲目に入る予定が雑談だけで終わってしまった。で、11時59分になると勝手に局の放送が流れだして。12時から12時10分までニュース、そして噺家3人+アナウンサー1人の雑談が始まった。

これが約20分続くのだが、本職のキノコ栽培の話から、落語の話、???会の話、昨年の乙女湖文化センターでの信州寄席での話題などなど・・・飛ぶ飛ぶ・・・話が。さすが話すのが趣味(又は職業)の人たちだけある、話題が途切れない。途中1曲を挟んで会話が続き2曲目がフェードアウトして、出囃子が流れる、緊張感を漂わせながら、スタジオ落語会へ。
えべさやさんは これまでも数々の高座をこなしてきたベテランですが、スタジオでの落語は初めてとあってか、けっこう汗をかいているようにもみえます。

今回の噺は「・・・・・」

お経をあげながら、ブツブツとぼやいている人をユーモア溢れる表情で語るえべさやさん。ずくをやんで子どもをあやしたり、奥さんを愚痴ったりと、さすがキャリアを感じさせる落語でした。

事前に「オチ」を聞いてあったので、今回は出囃子を出すのに失敗せず、仕事も無事終了。

MDやCDを片付けて、ミキサーの電源を切って、今日は、トラブルも少なく無難な放送になりました。BGMを除いては・・・・。

やっぱり、BGMは難しいです。



 

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