「あさまおろし1999」 仕込みの記録
これは、麹を切る作業。
前日までに杜氏さん達によし作業が行われた麹を、機械を通してバラバラにして、木製の大きな箱に詰めて並べていれていきます。
杜氏さん達の慣れた手つきと違い、我々だけだと全然はかどりません。今回は東京や岡谷など市内外からたくさんの応援が駆けつけてくれました。
大塚酒造の酒に命を吹き込んでいる杜氏の和田さん。
仕込みの作業中になった携帯電話は、お孫さん誕生の知らせでした。おめでとう!
室内は、このように電熱線や電気ヒーターで約36度に保たれており、非常にアツイ。
だから、杜氏さん達も裸でいられるのかも。
麹が一通り切り終わりました。
これは、それから1日ほど経過した麹。つやつやしていた米が白くなり、雛あられのような感じになってきました。
さて、これからが本番の麹づくり。きれいに整えて準備をします。
これは、大きな窯。
私たちの作った亀ノ尾は、人間が10人ぐらいは入れそうな大きな釜で水蒸気で蒸されていました。
中を覗き込もうとしたら・・・あちち!熱いっす。
窯を覗き込む。
大きいでしょ?
窯から出した米は、このように広げて冷ましています。
手袋なんてありませんから熱いんです。
でも、麹室の外は真冬ですから寒いです。
蒸した米は、こんな感じ。
ぽろぽろしています。
山になった米を平らにならします。力が要るので、大変です。
麹室の外で冷まされていた米が麹質質の中に運び込まれました。
杜氏さんが、酒米を手で潰して捻り餅を作ってくれました。
酒米を潰して作った餅。もちろん普通の餅と違います。
杜氏さん曰く「酒米自体の出来は去年の方が良かった」とのこと。
ご覧の通り、室温は34度ぐらい。アツイです。
お酒は、最初から一気に米を仕込むのではなくて、2回とか3回に分けて、大きな樽の中に米を入れます。蒸した米を、ショベルで取り出します。
大きな窯からかき出された米はベルトコンベアーを伝っていくうちに・・・
塊をほぐされて・・・こうなります。
しかし、まだまだ細かくなっていない部分があるので・・・
手作業でほぐしていきます。ばらばらにほぐされた米は・・・
←このパイプを通じて酒の樽に投入されます。掃除機みたいなものだと思ってもらえれば分かりやすいかも。
こうやって、日本酒が仕込まれます。
取材を受ける酒呑み百姓の会の会長。機嫌が良いです。
杜氏の指示がバンバン飛びます。休む暇もありません。
(嘘です。)
話は、麹づくりに戻ります。
釜で蒸し、それを冷ました米は、再度麹室に搬入され、手で均等に馴らし、出来るだけ均一に解されます。
このほぐす時、手に納豆菌がついていると、せっかくのパラパラしている酒米が納豆菌でネバってしまうのです。
さて、均一になり、温度が30度前後に落ち着いたところで、麹づくりのメイン作業である「
種付け」が行われます。
金属製の入れ物に入った麹菌(今回はアルプス酵母)を団扇を上手に使いながら蒸した米の上に蒔いていきます。
格好良く麹を蒔く和田杜氏と違い我々は、おっかなびっくりです。
「どんどん蒔けや」と杜氏から激が飛びます。
すると、画面上にはきらきらと光る物体が写りはじめました。
これが美味しいお酒を醸してくれる酵母菌「アルプス酵母」の正体です。
「種付け」を終了したら
、再度酒米を撹拌します。
こねすぎると粘ついてしまいますから、程々の力で、程々に・・・・・。
で、完成したばかりの米麹。
どうか美味しいお酒になりますようにと願わずにはいられません。
そのころ、仕事を終えた釜の片づけ作業が行われていました。
クレーンで釣り上げています。大きいですね。
前半の作業を終えて休憩室へ。
温度差が激しいので風邪を引かないように注意。
杜氏室での歓談のひととき。
杜氏さんからお酒の仕込みについての話をしています。
疲れています・・・
・・・・疲れています・・・・が、今年の新酒を軽く(?)やりながら、今後の話に花が咲きます。
その間、高温だった米も、作業を開始する30度まで下がってきました。
作業再開です。米麹全体の温度が均一になるように撹拌します。
均一に・・・とは言いますが、難しい。
杜氏のOKサインでお米を中央に集めます。
周りにある布で、米麹を包みます。
毛布も登場して、かなり厳重に包みます。これで、明日の朝まで待ちます。
完成したところで記念写真。
美味しいあさまおろしが楽しみです。
ちなみに、温度が高すぎるときのための通気孔。
よく出来ています。
米に菌がどのぐらい食い込んでいるかを見るには、懐中電灯で米を透かすとよくわかります。
そのあとは、酒蔵見学。
みんなで酒樽をかき回していますが、その重さにびっくり。
かなり、落ち着いてきている樽は、プクプクと泡を吹いている程度です。
発酵が盛んな時期は、このようにかなり泡が出ています。
酒は生きているんだなぁと実感する瞬間です。
女性には、ちょっとツライかも
男性だって、この踏ん張りようです
最後に、搾りたての日本酒を試飲。ああ、これが毎日呑めればなぁと実感する今日この頃です。
酒の仕込みは、大塚酒造の社長や杜氏さん達のご理解とご協力がなければ実現しませんでした。
ご協力いただいた、全ての皆さんに感謝します。ありがとうございました。
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