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■セブンアイ 「笑顔の理由」
作り笑いとは違う笑顔の輝きには、いつでも「芯」があったように思えた。 10日、釜山アジア大会女子円盤投げとハンマー投げの代表として、初のビッグイベントに挑戦した由佳に今なら聞けそうな気がして、円盤投げ(51メートル68で5位)を終えた背中を追いかける。由佳は笑いながらバッグを背から下ろし、立ち止まってくれた。 しかしここ2〜3年、本格的にハンマー投げに取り組むうちにさまざまなことに気が付いたという。とりわけ、自分が投てき種目を心から好きで、探究したいと思っていたことも。この日の結果に満足はしていないが、初のビッグイベントとしてアジア大会に出場できたことは、競技の楽しみや幸福感を教えてくれたという。12日にはハンマー投げにも出場する。 試合を終えた彼女がスタンドを振り返ったとき、父と兄が立ち上がって笑顔で手を振っていた。いつもの国際試合で見慣れてきたのとは少し違う、秋晴れの下での逆転の風景。手を振り返す25歳の女性の背中はじつに堂々と、しなやかで。 (東京中日スポーツ・2002.10.11より再録) |
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