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■セブンアイ 「究極のお洒落」
今秋の流行色は茶色と黒だそうだが、いつの年も、問題は色ではなく体型である。 先日、合宿の取材で、女性トップアスリートとお風呂に入ることがあった。彼女の肉体を見ながら、一体どうしたらあそこまで美しく鍛え上げることができるのかと惚れ惚れし、湯船の中で密かに脇腹をつまみ、二の腕をぶるぶる振って深く反省した。 「一日でいいから、肉体の交換をしない? 何着たってばっちり似合う」 「柔道着が似合うと、これほど思ったことはないですね。筋肉の張りとか、心の状態とか、姿勢とか、すべて胴衣が映し出してくれます。今は鏡を見て帯を締めると、気持が本当にビシッと入るんです」 以前、宝物を、と頼んだら初めて全国規模の大会に出場した際の胴衣を持参してくれたことがある。身長120センチ、体重25キロだった。 流行色でも斬新なデザインでもない。しかし、一着の胴衣を十数年かけて、着こなせた、と胸を張る。「究極のお洒落」とはこういうことかもしれない。 (東京中日スポーツ・2002.9.27より再録) |
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