10月1日

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シドニー五輪
男子マラソン、閉会式

 最終種目となった男子マラソンで日本勢は、川嶋伸次(旭化成)が2時間17分21秒で21位に入ったのが最高という惨敗に終わった。昨年、セビリア世界陸上で銅メダルを獲得した佐藤信之(旭化成)は2時間20分52秒で41位、また日本最高記録を持つ犬伏孝行(大塚製薬)は40キロ手前で脱水症状のために途中棄権した。五輪でのマラソン競技者の棄権は1968年のメキシコ五輪で佐々木精一郎以来32年ぶり史上7人目だった。
 優勝は、エチオピアのアベルで2時間10分11秒。銀メダルは、来日して7年になるコニカのワイナイナ(ケニア)が獲得し、アトランタ五輪での銅メダルに続いて連続のメダル獲得となった。
 また男子マラソンの後に行なわれた閉会式では、女子マラソンで金メダルを獲得した高橋尚子(積水化学)が日本選手団の旗手を務め、無事に大役を果たした。選手は2日に帰国し、3日に解団式を行なう。
 日本は今大会、金メダル5個、銀メダル8個、銅メダル5個をそれぞれ獲得。女子の活躍が目立ったオリンピックとなった。2004年の五輪はアテネで行なわれる。

21位の川嶋の話「もうちょっと遅いペースで半分くらいまではいけると思ったんですが……。今は脚も痛くはない。急にワーっといかれてしまってどうしようもなくなった。前に行けば消耗するんで、1人ずつ拾うしかないと思った。犬伏を抜いたときは(彼が)歩いているような感じでした。佐藤とは30キロくらいで少し並んだ。アントン(スペイン)ら優勝候補が続々と落伍していくのを見ながら、彼らでも諦めなくてはならないんだと思った。もう少し違った形で練習に取り組んでいければまだまだやれると思う。これだけの風を受けて走る経験はなく、これなら歩くほうが速いと感じた」

41位の佐藤の話「あれだけのペースでいかれるともうついて行くのが精一杯だった。給水に気をとられている隙に、前との差を開けられてしまい後悔している。強風で体が前に進まなかった。いい練習を積んできたつもりが、逆に余裕があり過ぎ落とし穴になったのかもしれない。正直、ここまで(結果が)悪いとは思わなかった」


    シドニー五輪日本選手団メダリスト
    金メダル 田村亮子(柔道48キロ級)
    野村忠宏(柔道60キロ級)
    滝本誠(柔道81キロ級)
    井上康生(柔道100キロ級)
    高橋尚子(マラソン)
    銀メダル 楢崎教子(柔道52キロ級)
    篠原信一(柔道100キロ超級)
    中村真衣(競泳100m背泳ぎ)
    田島寧子(競泳400m個人メドレー)
    立花美哉・武田美保(シンクロデュエット)
    シンクロチーム
    ソフトボール
    永田克彦(グレコローマン69キロ級)
    銅メダル 日下部基栄(柔道57キロ級)
    山下まゆみ(柔道78キロ超級)
    中尾美樹(競泳200m背泳ぎ)
    競泳女子400mメドレーリレー
    岡本依子(テコンドー67キロ級)

●本日の選手コメント、コラム等はsportsnavi.comの
「Masujima Stadium出張版」に随時掲載予定です。

◆シドニー五輪特別企画◆
杉山茂樹の

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