2007年 みちのくヒメオオ採集記 |
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6月24日(雨&霧:13℃〜) 悪天候を100も承知で新規開拓に出撃するも、寒さと、雨と、なにより濃霧のおかげでルッキングどころか運転さえ困難な状況(*_*) 山を越え、谷を越え、国を越え、走り回ったものの、結局、時間と、ガソリンと、気力と、体力と、色々消耗しただけの450km・・・これほど精神的にむなしく厳しい採集はないと強く自己反省でした(T_T) これを機会に気象条件によっては「出撃をあきらめる」という大人な判断ができるようになりました(^^; 本日の成果:当然ボーズ(あまりの天気の悪さに写真とる気力もなし) 7月22日(曇時々晴:23℃〜21℃) なかなか日中の出撃時間が取れない中、この日は今期初の灯火焚きです。 基本的にヒメオオ採集にハマってから、夜の外灯まわりでの採集割合が個人的に減りました。 勿論日中の採集気持ちよさや、ルッキングの楽しさもありますが、個人的に外灯まわりでの採集競争に疲れてしまったという事もありました・・・ そんな中、発電機を入手してからセット(400W水銀灯1灯のシンプルな構成ですが)を組んで時々灯火するようになり、人里はなれた山奥で一人灯火する時間が案外いい感じにだったりします。 (とても一人で山奥で灯火なんて自分には絶対無理だと思っていたのですが) 飛来する虫達に集中したり、ちょっとした温度、風の向きに敏感になったり、星に眺め入ったり、点灯前の夕まずめ時の雰囲気や、発電機を止めた時の静寂・・・やっぱりちょっと、いやかなり怖いです(^^; 時には説明不可能な背筋がゾゾゾとするよな怖〜い体験もありました(>_<) そんな中、たまに外灯と間違えて来てしまった採集者の訪問を受けたりすると、なんともホッとします。 ある採集家族の訪問を受けた時、会話をすると全然採れていないようだったので2人の子供達にそれぞれミヤマのカッコイイ♂をプレゼントしたら、その奥様からお礼にと3個パックのジュースをいただいて、なんとなくわらしべ長者になったような暖かい気持ちになったこともありました(*^^*) 結構外灯をまわっている時には、こちらから声をかけようとしても雰囲気的にかけづらかったり(背中が拒んでいる気がして)、カーチェイスもどきに本当に疲れ気味だったりしたんですが、発電灯火の場合人恋しさが募るというか(柄じゃないですが(^^;)、またそれなりに採集できていることが多いので(基本的にミヤマ狙いです)、気持ち的に余裕と心細さがあるせいか、帰り際に外灯下で採集者を見るとむしろホッとする感覚になって精神衛生的にも良いかな〜なんて(^^) さて、本題の採集です。本命は言わずもがなの特大ミヤマ♂狙い! というか、初採集の時はとにかく何でもいいから飛んできて欲しいものです(^^; 点灯してまもなくやはり第一号はコクワ♂でした♪(いらっしゃいませ!) そして続いてミヤマがポツポツ飛来してきますが、「全体に小ぶりだな〜」 でもコンスタントに飛んできてくれると、やはりうれしいものです(^^) そんな中、耳元を後方からかすめたクワが1匹。 思わず叩き落とそうとする手をすり抜け着地したクワ♀に近寄ってみると、「ん、なんか違う・・・」 なんとヒメオオ♀でした! 話にヒメオオも灯火に飛んでくることは聞いていましたが、これまた予想外のサプライズでした♪ (なんか今シーズンこのパターン多いような(^^;)
結局、期待のミヤマは最大60mm止まりで残念でしたが、今回灯火したエリアは以前ヒメオオ探索をしたものの、完全に空振りしたところで、適当な林道も少なく、自分にとって空白地帯だったのですが、これでヒメオオの存在が確認できただけでも大きな収穫でした(^^) ただ、このエリアでマジでヒメオオルッキング採集するには、沢登りか登山しか無いかも(^^; (え、そのくらい当然ですか?) 本日の成果:ヒメオオ1♀、ミヤマ7♂27♀、ノコ2♂1♀、コクワ1♂6♀、アカアシ1♂7♀、カブト3♂2♀ 8月5日〜8月6日(雷雨暴風濃霧:23℃〜) 今シーズンのヒメオオ採集を振り返るとは、採集したといっても奇跡的に目の前に歩いて来てくれた♀と、灯火で飛んで来てくれた♀の2匹だけ・・・それはそれでサプライズな喜びでしたが、やっぱり 「 ヒメオオだけはルッキングで採りたいっ!!」 というわけで今回は深夜に自宅を出発し、灯下チェックをしながら移動、朝からヒメオオ採集、14時には帰宅するいうシンデレラも真っ青な強行スケジュール! ピンポイント天気予報によると現地は大荒れっぽいけれど、実際に現地に着くとやっぱり大荒れだった(-_-) 灯下まわりは、以前から探索してみたいと思っていたエリアで、新規開拓だったのですが、とにかく激しい雨、強風、霧、おまけに雷・・・こんな荒れ気味の天気の中、夜中に外灯まわりしてる自分はやはり物好きの部類に入るかな・・・(大人の判断はどこへ?(^^;) 見知らぬ土地を悪天候の中、ナビと地図と勘と遠目に見える灯りを頼りに走りまわること4時間・・・ 精神&体力の限界を越え、睡魔に勝てず、コンビニ駐車場で就寝 (zzz) 夜の収穫:カブト1♂3♀、ミヤマ1♀、ノコ2♀(き、きびしー(T_T))
絶対に見紛う事のない独特のシルエットがイタヤカエデの幹に浮かび上がってます。 「いたよ・・・ミヤマがいたよぉ・・・やっと会えたぁ〜」 北海道での採集で、日中に樹液に付くミヤマをたくさん見る事ができたのものの、みちのくの地では灯火以外でミヤマを見つけることができないまま数年・・・いつの日にかと思い続けていた念願が、今、達成(^^)/ ♂ミヤマの影になってますがやはり♀も一緒です。 しばし見とれ、しばし写真を撮りまくり、そして、一段落したところでいざタモ網を取り出し、慎重に慎重に下方からすくい上げて・・・最後は気合のちょい押しっ〜で、ネットイン!! なかなか体格的にも立派でバランスの良いカッコイイ♂です♪ ノギスで測ると67mmあり、こっちではなかなかお目にかかれないサイズです。 「よかったぁ〜」 念願だったルッキングでのミヤマ採集ができた事で、達成感&安堵感&感動が・・・ さっきまでの睡魔はどこへやら、眠気も吹っ飛ぶとはまさにこの事でしょうか。 さあ俄然やる気が沸いてきました(^^) さらに奥へと車を進め標高を上げていくと、もう間違いなくヒメオオがいておかしくない理想的な環境的が。 いかにもヒメオオがいそうな雰囲気で、ここにいなかったらどこにいるんだ!って感じ。 しかし、これがいない・・・ 行けども行けども、見ても見ても、「黒い影」は見当たりません(う〜ん) 小1時間ほどルッキングを続けましたが結局何も見つけられないまま、いつしか再び睡魔が。 「こう眠いんじゃ帰りの運転きついな〜(あくび)どっかで休もうかな」 切り上げ時も迫ってきたので車をUターンし、戻りがてら徐行で眺めていると・・・ 「!っ」 車窓から遠めに見えるヤナギの中に黒い影が視界を横切ったような。 双眼鏡を取り出し、運転席からピントと位置を合わせると。 「いたっ!ヒメオオだっ!!」 奥まった柳の集団の上部の枝分かれした裏側の陰の所にペアのヒメオオが確認できました。 双眼鏡を通して見ると、当然ながらアップで大きく見えるけれど、この♂はちょっと違うぞ。 大きなアゴの迫力、形、全然違う・・・と言っても今季初の♂なので余計そう見えるだけかも(^^;
とりあえずお約束の写真を撮りながら、頭の中はどうやって採集したものかしばし長考モードに・・・ 今までの個人的な経験から、ヒメオオの採り逃しパターンといえば、 1.幹、枝の向こう側(裏側)に隠れている個体 2.傾斜した幹、枝の上側に付いている個体 3.不十分で無理な体勢で採集した場合 この3条件が全て揃った中でどうやって仕掛けたらいいのか? ヤナギの向こう側へまわり込みたいところだが、それは急斜面で足場的に無理。 ならば左から狙うか、右から狙うか。 そもそも5.4mのタモ網でさえ届くか微妙な距離。 取り付けるネットも、大(磯タモ付属)・中(普通の虫捕り用)・小(金魚すくい大)・ミニ(金魚すくい小) どれがいいやら悩む悩む・・・・ やっとの思いでようやく見つけた今期初のヤナギでヒメオオ、しかも滅多に会えない大物。
昨年からずーっとヒメオオに見放され気味で手詰まり状態で、モチベーション的にも凹んできたところに、 ようやくの1匹と、ようやく期待が持てそうなポイントを見つけられた事がなによりの収穫でした(^^) おかげで眠気はどこへやら〜すっかりテンションも上がりっぱなしで元気に家路へとついたのでした。 本日の収穫:ヒメオオ1♂(54.5mm)、ミヤマ1♂(67mm)2♀ |
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