コルリクワガタの飼育

くわがた採集をはじめた頃は、夏ばかりが待遠しくてたまらなかった。

しかし、採集の対象になるくわがたが小型種へと移ってくると、一年を通してフィールドを楽しめるようになってきた。

もっとも、オオクワガタを夢中になって探していた頃も、冬は材採集に野山を駆け巡ったが、材採集の残骸を見るたびに、言い知れぬ罪悪感が、喉に刺さった小骨の様に残ったものである。

とは言え、コルリクワガタの材採集に置いても、決して環境に優しい訳ではない。
コルリクワガタは細い落ち枝に産卵するため、材採集=幼虫の生育環境の破壊に繋がってしまうことが多いのである。
コルリクワガタ(原名亜種)
Platycerus acuticollis acuticollis Kurosawa

では、採り出してしまった幼虫はどうしたらよいのだろうか。

そこでとりあえず幼虫を持ち帰り、飼育してみることにした。
私の行なった方法が最善であるとは言えないが、何とか羽化させることができた。

極めて単純な方法ではあるが、一例として紹介させて頂くことにする。

T. 採 集

私もコルリクワガタの採集について語るほど、経験豊富ではないが、諸先輩方から教えて頂いた事を簡単に説明しておく。

まずは標高。一般的には1000m辺りとされているが、私は実際に600m近辺で採集している。
もっと低い標高でも採集できているようなので、1000mクラスの山でなくては採集出来ないという訳でもなさそうだ。

ホストもブナと限る訳ではなく、ミズナラにも産卵する。

栃木でもブナ帯に行かなくとも、Fig.1のような細い樹木からなる環境でも採集することができた。

標高の他に条件としては、北側に面した急斜面で、水分過多な土壌が好みのようである。
Fig.1
材は乾燥したものでは殆ど採集することができない。

落ち葉に埋もれてジメっとしているような材がベストである。
斜面に生えた樹木の根元に、落ち葉などと溜まった小枝が狙い目となる。

小枝を拾い上げて、Fig.2のような(・)マークが着いていればビンゴである。

っと言っても、必ずコルリが入って居る訳ではない。
Fig.2のような見た感じしっかりした材は、高確率で幼虫か、なんちゃってコルリ材である。(^^;;

成虫となると、土に半分埋もれたボロボロの材で見付ることの方が多いような気がする。


こんな感じで幼虫を採集することができたら、(・)マークがあった材と同じような小枝を拾ってもって帰ろう。
その際も乾燥しすぎている材ではなく、ジメっとした材を選ぶとよい。


 次へ
Fig.2