霜月18日先勝

 遂に万策尽きてしまった。朝方の室温は15度を切るようになった。13度の朝もある。外気温は3度とか。しばらく姿を見せない外産達も居る。暖か好きのニジにはツライに違いない。N3は潜ったきりでてこない。N1はひっくり返ってばかり居る。毎朝こっそりヒーターを焚いていたが、見つかり大目玉をくらってしまった。田老棚を温室に改造するしかない。

 田老棚は、元来本棚である。温室ではない。セール品の本棚にビンやケースを並べていたのである。まっとうな本棚であれば、奥行きも幅もしっかりとあり大ケースなど置いても収まりが良いのである。標準的な60cm水槽とカラフルな熱帯魚などがしゃれた本棚のアクセントになることは知っている。が、田老棚はセール品。中ケースもはみ出すサイズである。もちろん断熱など期待してはいけない。

 だが、背に腹は替えられない。温室に変身してもらうことにした。まず背面に廃品の発砲スチロール板を張る。スキマはガムテープで塞ぐ。フタを作らなくちゃならない。近所の建築現場へ出かけ廃材をもらってくる。棚を新調できそうなくらいの材があるが、新棚を作っても置く場所もないので遠慮して2〜3本だけもらってくる。切った張ったで枠を作る。木枠にビニールを貼って、コイツを田老棚に被せて、フタにして温室にしようと言うわけだ。

 悪戦苦闘1日、できあがり。棚板にドリルで適当に穴をあけ、ヒーターやファンセンサーを設置して終わりだ。といってもダンボール改の奴を転がしただけ。メデタシメデタシ。(^^

霜月24日先勝

 と思ったが、甘かった。熱がこもるのである。詰め込みすぎで対流しないようだ。お陰で貴重なリッキー蛹長110mmが煮えてしまった(TT)。そのくせ上部は17度くらいしかない。リッキー☆には、参った。どうしてこうも入れ込んだムシに限って失敗するのだろうか?なにもかもイヤになった。

 ニジ?ニジはまだ個別飼育だが、ヤケクソである。ペアリングすることにした。本来なら中ケース以上を用意するものらしい。が、スペースがない。N1が羽化したミニケースにN3を放り込んだ。N1はまだチラホラと白い腹が見える。N3は、バッチリ仕上がっている。スタンバイ状態だ。うまくやってくれい。

今後の予定

 温室は、田老棚2(田老棚と同型のセール品本棚)と上下のダクトで連結し、電源もPC電源にパワーアップし、ファンを上下それぞれのダクトに増設。強引に熱風を循環させるというあいであを弄んでいる。冬休みに拡張工事の予定だ。(見つからないことを祈ってくれ、今でも電気代で責められている、たかが100Wのヒーターなのに)

 これで、ニジの卵とか初齢とかの実績があると締まりが良いのだが。まぁ、こんなもんである。田老のようなズボラでもマットでも菌糸でもビンでもケースでも羽化してくれるようである。ニジは気持ちの優しいムシだ。温度も極端に寒くなければ、なんとかしのぐようである。暑い方は今年外気温アメダス38度に耐えた。ミニケースで産んでくれれば、(田老棚ではカブトを除いて全てミニケース産卵である。産む奴は産む。産まない奴は産まない)万々歳である。冬さえ越してくれればなぁ。

 以上は、田老のような飼い方をすると決して大歯の立派なニジにはならないという飼育記でした。長期に渡るご愛読、ありがとうございました。

おしまい