ヘラクレスオオカブトムシ♀の蛹化
by ピーコ



 ヘラクレスオオカブトムシ( Dynastes hercules hercules )の♀の蛹化を撮影することが出来たので紹介させて頂きます。なるべくファイルサイズを小さくするためにリサイズ及び減色しておりますので、少々粗い画像となっております。因みにカブトの蛹化を見たのは、これが初めてであります。

 これは、蛹室を崩してしまったために幼虫をオアシス人工蛹室に移しておいたところ、蛹化を観察&撮影することが出来たものであります。幼虫時の体重が60グラムを超える程あり、小さな♂の可能性もあったため、角が蛹室壁面にあたって曲がるようなことが起きないように人工蛹室の長さは長く、また頭の方を緩やかな形状と致しました。(雌雄を判別することが出来ないのでありました。(^^;;)結局やっぱし♀だったのでありました。

 既にお尻の部分がシワシワになっていた幼虫をオアシス人工蛹室に移してから約2週間後、まだ比較的白かった幼虫が何とも言えないこげ茶色となり、表皮と中身が分離したような感じとなりました。そのような状態であっても幼虫に触れてみると曲がったり伸びたり、まるで腹筋運動をしてるかのようにめちゃくちゃ動きます。(この時期に振動を与えることすらも良くないことだとは思いますが。(^^;;)この時点で幼虫の背中側には蛹の時の背中の模様?が見えておりました。そしてお尻をゆっくりと脈動させるような感じの同じ動きを繰り返し、間もなく背中が割れて脱皮が始まりました。背中が割れ始めてから約10分程度でほぼ脱皮は終了しました。印象的だったのは、頭から割れてくるものだとばっかし思っていたのが背中から割れ始めたこと(個体差があるのかな?)、幼虫と蛹の気門を結んでいたと思われる白い筋と、口を結んでいたと思われるこげ茶色の筋を見ることが出来たことでありました。特に幼虫と蛹の口を結ぶこげ茶色の筋があることは今まで知らなかったので印象的でありました。「ピーン」とゴムを伸ばして「ブチッ!」と切った様な感じの「アッ!」っちゅー間の出来事でありました。よく見ると↑の画像でも確認することが出来ます。脱皮直後は蛹の腹部先端が透けていたのでありますが、すぐに白く色付き、翌日には全体が蛹らしい色となりました。

 蛹化したのが4月11日、羽化したのは5月30日でありました。飼育温度は24〜25℃程度でありました。今まで数頭のヘラクレスを羽化させた経験がありますが、大きさにもよるとは思われますが♀の蛹の期間は前記の飼育温度ではどの個体も約50日でありました。それにしても芋虫がこんな形に変身するなんてとっても不思議。是非今度は♂の蛹化シーンを目撃してみたいっす。



参考くわ馬鹿記事
 くわ馬鹿 2000年春号 オアシス人工蛹室/k-sugano氏  


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